特集"UVERworldニューアルバムリリース記念企画"  vol. 3

Interview

UVERworld ソロインタビュー③ 彰×『TYCOON』=“超”の葛藤

UVERworld ソロインタビュー③ 彰×『TYCOON』=“超”の葛藤

全18曲、収録時間78分59秒。まさに手抜きなしのガチンコ勝負に挑むUVERworldニューアルバム『TYCOON』。そのリリースを記念した特別企画・ソロインタビュー特集。本日ピックアップするのはギターの彰。今年2月に開催したさいたまスーパーアリーナでの〈男祭り〉のオープニングSEをリアレンジしたアルバム同名曲「TYCOON」。アルバム序盤を牽引する役割を担う「シリウス」。それらの楽曲を手がけたのが彰だ。その一方で、音楽に対してネガティブになった時期もあったほどアルバム制作は苦難の道だったというギターヒーローの3年間の試行錯誤を聞いた。

取材・文 / 本間夕子 写真 / 増田 慶
ヘアメイク / 荒木尚子 スタイリング / 上井大輔


「俺、何をやってるんやろう」みたいな。音楽を嫌いになる瞬間がありました

3年ぶりのニューアルバム『TYCOON』がいよいよリリースとなった、今の気持ちはいかがですか。

でももう、なんか次って感じがしてますね。ここでホッとするのも違うなって。僕は制作中にいろいろ無駄な気の迷いとかもあったし、そういう意味ではひょっとしたら「よっしゃ出来たー!」って感じとは少し違うアルバムという感じはしますね。そういうのも含めて、いろいろ学べたな、みたいな。

彰さんにとっては試行錯誤の3年間だった。

そうですね、ほんとに。

今、このアルバムを聴いて「あのとき大変だったな」とか思い出したりするんです?

レコーディングの最後のほうはわりとバンドの状態も安定してたので、あんまりそれはないですね。ただ、その最終的な段階で、例えばフレーズを忘れてたりしたときとか、それまでに作業してきたその曲のデータを全部引っ張り出すんですけど、それを見てみると「こんなにやってた?」ってビックリするぐらい、いろいろやってるんですよ。しかもサラッとやった系じゃなくて、かなり根詰めて作ったアレンジのデータだったりして。「これ、メンバーに通らんかったんや。そりゃしんどいな」とか、そういうことは思いましたね。これだけのことをやって「いや、それは違う」って言われたときの絶望感とか。ほんと音楽を嫌いになる瞬間がありましたからね、僕は。

そんな瞬間が?

めっちゃありました。ここまでなったのは初めてじゃないですかね。「俺、何をやってるんやろう」みたいな。そんな気分になった自分にもガッカリしたし。ちょっとだらしなくなってるのかなって思ったときもありましたね、音楽を作るっていうことに対して。昔より熱量とか減ってきたのかな、みたいな。

そこまで!? でも実際、減っていたわけではないんでしょう?

減ってはいないって信じてますけど(笑)。

しっかり3年間が詰まってるのかなとは思います

今はその状態からは抜け出してはいるんですか。

そうですね、ツアーも始まっていて、やっぱりライヴがすごくいい癒しになっているので。報われるっていうか、そういうネガティヴなモードが解消される瞬間はめちゃくちゃありますし。

やっぱり3年っていう時間は長かったってことですかね。

長かったですね。

でも必要ではありましたか。

そうですね。聴き返してみると、3年前のネタとかも少しは入ってるしレコーディング直前のネタも入ってるから、そういう意味ではしっかり3年間が詰まってるのかなとは思います。これだけいろんなタイプの曲が入れられたのも、3年間通してやってきたからかなって。自分たちの音楽的な趣味もちょいちょい変わりますしね。それが3年分、きれいに収まったな、と。

彰さん作曲のオープニング曲「TYCOON」はさいたまスーパーアリーナの男祭りで流れていたSEですよね。男祭り用に作った曲がアルバムに入ることになったいきさつを知りたいです。

僕、基本的にスピーカーで音を聴きながら作るほうじゃなくて、全部イヤホンなんですよ。特にデモレベルの音源を作るときって音質に関してはわりとざっくり適当にやってるんですよね。このSEもライヴ用としてそうやって作っていて、いざスピーカーから流してみたら、「お、すごくいい音してるな」って。そういうのもあって、ライヴだけで終わらせるのもったいないなと思ったんです。なのでゲストボーカルの方を呼んで、歌ってもらってよりアルバムのSEっぽくしたっていう。でも相当削りましたよ。長さで言うと半分ぐらい。

そもそも、これをアルバムの1曲目に入れようっていうアイデアはメンバーみんなの間から出てきたんですか?

もう、みんな気力尽き果てていて(笑)、SE作るなんて無理みたいなところがあったので。じゃ、俺やります、みたいな。最近のアルバムでは僕がSEを作るのがわりと恒例になってるっていうのもありますけどね。

これが入って嬉しいです。男祭りで初めて聴いたときはすごい衝撃的でしたから。

ほんとですか? それは僕も嬉しいですね。実はこれ、作ったとき、めちゃくちゃ焦ってたんですよ。トラック自体はすぐ出来たんですけど、サンプリングした素材にちょっと問題があって(笑)。サンプリング素材の中に女性がすごくきれいに英語で歌い上げてるフレーズがあって、いいなと思ってそのまま言葉の意味もわからずに貼ってたんですね。でも一応、なんて言ってるのか英語に詳しい人に調べてもらったら、とんでもない内容で(笑)。これは男祭りで流す歌詞じゃないな、うわ、どうしようって、慌てて別の素材をいろいろ探した結果、ほとんど言葉にもなってないようなシンセみたいな声ネタを並べることで事なきを得たんですけど。もうね、鬼の編集作業でした(笑)。

「TYCOON」っていうタイトルはもちろんあとから付いたんですよね。

はい。それこそアルバムが出来て、アルバムタイトルが決まってからです。

表題曲になるわけですけど、それについて何か思うところはありますか。

いや、特に(笑)。でも、あのSEにタイトルが付いたっていうのはちょっと嬉しかったですね。

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