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映画スターを堪能できるドラマはコレだ!『アメリカン・ホラー・ストーリー 魔女団』

映画スターを堪能できるドラマはコレだ!『アメリカン・ホラー・ストーリー 魔女団』
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©2013-2014 Fox and its related entities. All rights reserved.

「海外ドラマ、アレもコレも見たいけどタイトルが沢山ありすぎてどれを見ればいいのか悩ましい……」

そんなあなたのために、海外ドラマ評論家の3人(今祥枝さん、池田敏さん、 幕田千宏さん)が、テーマにそったイチオシ海外ドラマ作品をセレクト。第二回のテーマは“映画スターを堪能できるドラマはコレだ!”を、お送りします。

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アカデミー賞受賞の実力派女優が作品の顔

 今祥枝さん(映画・海外ドラマライター)がセレクトした作品『アメリカン・ホラー・ストーリー』は、タイトルからもわかるとおり、登場人物たちが様々な恐怖に直面するホラードラマ。

あの人気シリーズ『Glee/グリー』を手がけたライアン・マーフィーとブラッド・ファルチャックが共同で企画・製作し、2011年にケーブルTV局のFXでシーズン1がスタート。FXで歴代1位の視聴率を獲得するなど華々しい成功を収め、現在シーズン4まで放送されている。

シーズンごとに独立したストーリーが展開されるが、登場するキャストの一部は共通している。中でも、役柄を変えながらシーズン1~4のすべてに出演して『アメリカン・ホラー・ストーリー』の“顔”とも言える存在になっているのが、ジェシカ・ラング。

本作の顔と言えるジェシカ・ラング。シーズン1ではアクの強い隣人、シーズン2では精神病院の厳格なシスター、シーズン3では最高位の魔女、シーズン4では見世物小屋の支配人を演じた。©2013-2014 Fox and its related entities. All rights reserved.

本作の顔と言えるジェシカ・ラング。シーズン1ではアクの強い隣人、シーズン2では精神病院の厳格なシスター、シーズン3では最高位の魔女、シーズン4では見世物小屋の支配人を演じた。©2013-2014 Fox and its related entities. All rights reserved.

「往年の大女優」ともいうべきベテランで、1976年の『キングコング』でヒロインに抜擢され、1982年の『トッツィー』でアカデミー助演女優賞、1994年の『ブルースカイ』でアカデミー主演女優賞を獲得した実力派である。本作においても、シーズン1でエミー賞とゴールデングローブ賞の助演女優賞をダブル受賞している。彼女の名演を堪能するためだけでも本作を観る価値あり!

シーズンごとに全く違ったストーリーが展開

 『アメリカン・ホラー・ストーリー』ではシーズンごとに、まったく違ったドラマが展開される。海外ドラマ未体験の人が海外ドラマを敬遠する理由として「人気作はシーズンがいくつも続いて長いから手を出しづらい」というものがあると思うが、本作はシーズンごとに独立した作品になっているので、12~13話で1作という、日本のドラマに近い感覚で楽しむことができる。

また、シーズン1から通して見るのではなく、シーズン2やシーズン3から見始めてもいい。シーズンごとのあらすじを紹介するので、気になったものからチェックしていただきたい。

シーズン1の主人公は、子供の流産、夫の浮気などの問題を乗り切るため新しい環境で暮らし始めようと古い洋館に引っ越してきた夫ベン、妻ヴィヴィアン、娘ヴァイオレットのハーモン一家。だが、その洋館は前の住人が無理心中をするなど、過去にさまざまな惨劇が起きた呪われた館で、一家の周辺でも奇妙なことが起き始める……。過去と現在をリンクさせていく巧みな構成と、「あの人物の正体が実は……!?」という驚きの展開もたまらない。

シーズン2の舞台は1964年の精神病院ブライヤークリフ。非人道的な治療が行われている、この病院を調べようと潜入した新聞記者ラナ・ウィンターズは、病院を支配する厳格なシスター・ジュードに捕まり、精神病の患者として入院させられてしまう……。連続殺人鬼、エイリアン、悪魔祓いなどなど、オカルトやホラーの美味しい要素がたっぷりと詰め込まれている。

シーズン3では現代の魔女たちの物語が描かれる。ボーイフレンドとの初体験中に特殊な能力に目覚めてしまった10代の少女ゾーイ。彼女は実は魔女だった。ゾーイはニューオリンズの寄宿学校ミス・ロビショーズ・アカデミーに入学することになるが、そこはかつての魔女狩りを生き延びた魔女の末裔の少女たちが学ぶ学校だった……。過去の歴史と交錯しながら描かれる魔女の世界には妖しい魅力がある。

シーズン4の舞台は1952年のフロリダ州。その北部の街で中年女性が殺される。遺された彼女の娘で結合双生児のベットとドットは、謎の女性エルサに身元を引き取られ、あごひげ女性や怪力男、三つの乳房を持つ女性などが集まるエルサの見せ物小屋“フリーク・ショー”の一員になる……。見せ物小屋という歴史の中で実在した要素に超常現象などの要素を盛り込みながら、美しい映像で独特な世界観を見せてくれる。

すさまじい演技合戦にレディー・ガガも参戦!

 今さんが本作の見どころとしているのは、実力派キャストの演技合戦。シーズン3からは『ミザリー』でアカデミー賞を受賞したキャシー・ベイツが登場。ジェシカ・ラングとのオスカー女優共演にはたまらないものがある。

シーズン3より出演するキャシー・ベイツ。シーズン3では実在した19世紀の社交界貴婦人のマダム・ラローリー、シーズン4では見世物小屋の一員のあごひげの女性を演じた。©2013-2014 Fox and its related entities. All rights reserved.

シーズン3より出演するキャシー・ベイツ。シーズン3では実在した19世紀の社交界貴婦人のマダム・ラローリー、シーズン4では見世物小屋の一員のあごひげの女性を演じた。©2013-2014 Fox and its related entities. All rights reserved.

なお、シーズン1から4まですべて出演していたジェシカ・ラングだが、残念ながらシーズン4で降板し、シーズン5には出演しない。

報道によると、ジェシカは製作総指揮のライアン・マーフィーや共演者への感謝を述べ、作品への愛も語っているので、円満な降板と思われるが、ファンとしてはやはり残念。だが、そのかわりといってはなんだが、シーズン5にはレディー・ガガという強力な個性の持ち主も決定!またレディー・ガガ以外に、『Glee/グリー』に出演したシャイアン・ジャクソンが加わるのも楽しみなところ。

役者陣以外でも、スタイリッシュな映像美や、エロチックな描写、見る者を震え上がらせる恐怖演出など、魅力的な要素が満載された『アメリカン・ホラー・ストーリー』。エミー賞で2年連続最多ノミネートされるなど、高い評価を得ているのも納得のクオリティだ。

シーズンごとに独立した作品と言えるので、気軽に楽しめるのも本作のよいところ。ストーリーやキャストや世界観など、ちょっとでも気になるところがあったら、まずはそのシーズンからチェックしていってほしい!


海外ドラマ評論家の3人が、テーマにそったイチオシ海外ドラマ作品を、ゲストのミッツ・マングローブさんにプレゼンテーションする動画番組「イチオシアター」を、PlayStation VIDEOにて無料でご覧いただけます。

『イチオシアター』配信スケジュール

7月21日(火)~配信中 Presentation 2 : 「映画スターを堪能できるドラマはコレだ!」

YouTube版はこちら。

7月14日(火)~配信中 Presentation 1 : 「イマ見ておくべき旬の海外ドラマはコレだ!」

YouTube版はこちら。

7月28日(火)~配信中 Presentation 3 : 「長いけど大丈夫!今からでも観たくなるロングランドラマはコレだ!」

YouTube版はこちら。

海外ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』

アメリカン・ホラー・ストーリー

©2013-2014 Fox and its related entities. All rights reserved.

ジャンル:ホラー
制作国/制作年:アメリカ/2011年~
制作会社:20世紀フォックステレビジョン

主要キャスト・スタッフ
出演:ジェシカ・ラング、サラ・ポールソン、エヴァン・ピーターズ、リリー・レーブ、フランセス・コンロイ、ザカリー・クイント、ディラン・マクダーモット、タイッサ・ファーミガ、キャシー・ベイツ
製作:ライアン・マーフィー、ブラッド・ファルチャック