特集"UVERworldニューアルバムリリース記念企画"  vol. 6

Interview

UVERworld ソロインタビュー⑥ TAKUYA∞×『TYCOON』=“成”の未来

UVERworld ソロインタビュー⑥ TAKUYA∞×『TYCOON』=“成”の未来

UVERworldが約3年ぶりに放った9枚目のアルバム『TYCOON』。その制作過程の中で何が起こり、何を考えていたのか、メンバーそれぞれの視点で“現時点での最高傑作”を語ってもらうソロインタビュー特集。いよいよラストを務めるのはボーカルのTAKUYA∞。なぜ3年という歳月を費やしたのか、3年を費やさなければいけなかったのか。そして、このアルバムで表現したかったものとは、今後のライヴでいかに表現していくのか。さらにはUVERworldの次なる一手とは……TAKUYA∞が現在と未来と語る。

取材・文 / 本間夕子 写真 / 増田 慶
ヘアメイク / 荒木尚子 スタイリング / 上井大輔


今はもうそれ以上のものを作れる自信で次に向かってる

前回『エンタメステーション』での「DECIDED」インタビューでも『TYCOON』は相当自信作だとおっしゃっていましたが。

はい。どのアルバムもそうなんですけど、『Ø CHOIR』作ったときも、もうこれ以上のもん作れへんと思って完成させましたし、今回の『TYCOON』もこれ以上のものはできないと思って完成させましたけど、やっぱり時間が経ったらそんなわけもなく。今はもうそれ以上のものを作れる自信で次に向かってるんですけど。もちろんしっかり完成させることができたアルバムだし、早くみんなに聴いて欲しいです。

3年かけて作ったアルバムがようやく完成したときはどんな気持ちでした?

アルバムが出来たときって精魂尽きたって感じになるはずなんですけど、3年っていう充分なスパンでライヴもしながら作ったので、個人的には結構余裕で出来たっていう感覚でしたね。作ったあとにまだ余力が残ってるっていうか。

そこはメンバーそれぞれで感じ方が違うんですかね。大変だったっていう意見もちらほらありましたけど。

そもそも僕、そういうのをあんまり大変って思わへん人なんですよ。音楽を仕事にできることがほんまに幸せやって、その気持ちがまだ持続してるから、毎日スタジオに入っていても、そこで曲が出来なくても、俺は全然平気で。ただ、メンバーが平気じゃなくなっていってるのも手に取るようにわかりましたけど。

そうなんですね。

でも単純計算すれば6曲×3年で作ったって感じですし、俺はほんまに全然しんどくなかったです。あるとしたら待たせすぎて申し訳ないな、ぐらいです。

申し訳ないっていう気持ちはずっと?

めっちゃあります。もっと早く出そうと思えば出せましたから。

申し訳ないけど気がすむまでやらせてもらったっていうところはある

ではなぜ3年かかったんでしょうか?

自分たちのハードルがどんどん上がっていったのもあるんですけど……今回は自分たちの思い当たるアレンジを1から10まで全部試してみて、結局1に戻ることが多かったんですよ。でも10までやらなきゃ気がすまないってところが僕にあって、申し訳ないけど気がすむまでやらせてもらったっていうところはありますね。

「PRAYING RUN」そのものですね。「全部やって確かめりゃいいだろう」って。

たしかに(笑)。でも、これからはもうちょっとペースを上げられるんじゃないかなと思ってますけど。

結果、18曲という大ボリュームのアルバムになったわけですけど、冒頭の6曲を未発表の新曲で固めているのは何か意図があったんでしょうか。

いや、すごく感覚的なもので、自分たちが新鮮と思える曲が自然に前にきてしまったってだけですね。自分たちの感覚的にこれを一発目に聴かせたい、みたいな。

そういうことだったんだ。ちなみにボツ曲が50曲はあると伺ったんですけど、ここに収録された18曲は形になった曲っていうことですよね。

そうですね、最後まで形にした曲です。やるかやらないかはだいたい1コーラスぐらいで決めてしまうんですよ。

そのへんのジャッジは誰がどういうふうに?

全部僕がやりましたね。これは歌えるか歌えへんか、みたいなところで。歌いたくなるオケと歌いたくならないオケがあるので、そういう意味ではちょっとメンバーを振り回してしまったなって(笑)。もっともっと僕も成長して、どんなオケにでも乗っかれるようになっていかないとな、とは思ってますけど。

今回の『TYCOON』は18曲というボリューム感もさることながら、すごく幅の広いアルバムだと思うんですよ。今までにないUVERworldを感じさせる楽曲もたくさんあって。

でも、まだ僕はここではグッとこらえてる感じがしてるんですよ、もう一歩先に行きたいところを。

そうなんですか。

もっと奇をてらったこともしたいし、UVERworldらしくないこともしたい。ここまでがUVERworldっていう自分たちの範疇を越えたことをしたいっていう願望がものすごくあるんですけど、今回はまだそこはこらえて、しっかりとやり切ろうって。

UVERworldの範疇を越えるって具体的にはどういうことなんでしょう。

例えばアレンジのやりすぎ感でいくと「SHOUT LOVE」みたいにスイートなファルセットでサビを全部持っていく、とか。そういう“らしくなさ”をもっと出していきたいんですよ。

“らしくなさ”をもっと出していきたい

だとすると「奏全域」もいい意味でらしくない曲なのでは?

面白いなとは思いますね。「奏全域」は1コーラス作ったはいいけど、なかなか成長せぇへんかったんで、むちゃくちゃにしていいからって信人に丸投げしたんです。サビ以外は同じバースがひとつも出てこない感じでって、むちゃくちゃな人にむちゃくちゃなオーダーをしたという(笑)。

そうやって無茶な丸投げをするのも、次のところへ行きたいっていう欲求の表われだという気がするんです。

そうですね、うん。そういう新しい世界観をほんまはどんどんやっていきたいんですけど、ファンの人たちにとっては「一滴の影響」みたいなものがUVERworldらしさだって捉えているような気もするので、そこからはずれすぎひんように抑えたのが今回のアルバムかなって。

だとしたらこれは前触れ的なアルバム?

いやでも、まずはここまでのUVERworldをやり切りたいなと思ったんですよ。実際、ここまでのUVERworldがやれることはこれで全部やり切れたとも思うし。だから、これがなかったら次に行けなかったっていうアルバムですかね。もちろん現時点で最高地点だし、これ以上のものはないとも思っているので。

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