映画『銀魂』  vol. 4

Interview

原作の世界観との親和性。「銀魂」の監督が 福田雄一でなければならなかった理由(わけ)

原作の世界観との親和性。「銀魂」の監督が 福田雄一でなければならなかった理由(わけ)

「銀魂」だから、そして福田監督だから役者陣も集まった

今回の実写化の何がすごいかというと、やはりキャスティングですよね。福田組初参加の方もいらっしゃいますが、常連さんや経験者を中心に配役して、これだけハマるというのが、ちょっと神がかっているなと。

福田 この前、二朗さんとムロ(ツヨシ)くんと僕の3人で、ムロ邸でメシを食ったんですよ。「あれ、3人でメシって初めてだっけ?」と聞いたら、ムロくんが「いやいや、何年か前に『大洗にも星はふるなり』(’09)で『したまちコメディ映画祭』に参加して、浅草の近くのふぐ屋さんに3人で行きましたよ」って言うんですよ。
まあ、それは前置きなんですけどね、二朗さんがまたムロくん家で褒めてくれるんですよ、「痛快エンターテイメントのコピーに偽りなし。感無量だね」なんて言って。で、「何が感無量かって、福田雄一の映画に小栗旬くんや長澤まさみちゃんが出てくれるなんてね」と。「いやいや、二朗さん、そこじゃないでしょ!」って。
俺の感無量は、深夜ドラマとかでガチャガチャとやってきた仲間である〝福田組〟で、このワーナー・ブラザース配給の大きなバジェットで何百館も公開される映画をやれたことなんですよ、と。そしたら二朗さん「あら、そうなの?」なんて言ってて(笑)。だってね、安田顕だって小っちゃい舞台やっているときからの付き合いだし、そこが僕にとっては一番うれしかったことなんですよね。

まさしく。ちなみに、キャスティングはすんなり進んだ感じだったんでしょうか?

松橋 いえ、すんなりとは……(笑)。みなさん、主役クラスじゃないですか。この顔ぶれでビリング(宣伝などでの俳優名の並び)をつくるのって、すごく難しいんですよ。

福田 配役が決まるごとに松橋さんの顔が、なぜか青くなっていくんですよ(笑)。僕らには順番とか並びとかわからないですからね。

松橋 エンドロールとか、どうやってつくろうって、マジメな話悩みましたから。ただ、純粋にキャスティング面で言うと、長澤まさみさんが快諾してくださったことです。ほかのキャストの事務所の方々も、長澤さんの出演をひとつの基準にしてくださったんですよ。

中村勘九郎さんは、どのような経緯で決まったのでしょうか?

松橋 勘九郎さんは、小栗さんがまず電話してくださって。福田さんにも電話がかかってきんでしたっけ?

福田 そもそも、小栗くんと勘九郎さんでまったく別件の話をしていたらしいんですよ。たまたま勘九郎さんが「旬くんは来年の夏、何してるの?」と聞いたときに「あ、『銀魂』やることになって」と言ったら勘九郎さん、「ゴリラ(=近藤勲)は俺でしょ!」って名乗りを挙げてくれたそうなんです。小栗くんが「え、出てくれるんですか!?」って聞いたら「俺しかいないでしょ」と……いうやりとりを受けて、小栗くんが僕に電話をしてきてくれたんですよ。「勘九郎さんが『ゴリラは俺でしょ』って言ってくれてるんですけど」って。「え、そうなの? それうれしいなぁ」なんて僕も言って。
そしたら、勘九郎さんから小栗くんに電話がかかってきたって言って、1回切ったんですよ。しばらくして小栗くんから改めてきて、「勘九郎さんからだったんですけど、『お妙ちゃん役は決まってる?もし決まってたら、1年間ストーカーしてみようかなって』って言ってて」と(笑)。そのときはまさみちゃんに決まってなかったんですけど、正式に妙を演じることになってから、勘九郎さんはまさみちゃんの映画とか出演作を相当見まくったらしくて。僕は監督としてうれしかったですけど、松橋さんはさらに悩んだろうなあって。

©空知英秋/集英社 ©2017映画「銀魂」製作委員会

松橋 頭が爆発するかと思いました(笑)。

福田 松橋さんが言うんですよ。「福田さん、普通の映画は太字で表記される人が3行で収まるんですよ。でも、『銀魂』は6行あるんです」って。
あと、メインキャストの役者さんたちのCM契約数が合計で60社以上あったそうで。ケタ違いだって松橋さんが僕に言うんですけど、顔が笑ってないんですよね(笑)。

松橋 へんな話、「銀魂」が時代劇で架空の設定だったから実現したキャスティングでもあるんです。あまり詳しく言えませんが(笑)。

福田 こっちは「誰々さん出てくれませんかね、え、決まった? ラッキー!」なんて脳天気に喜んでいたんですけど、松橋さんの顔が青ざめていくたびに、大きなバジェットの映画もそれはそれで大変なんだなと実感しましたね。
でも、僕らヒマさえあれば会ってましたよね? 週3くらいのペースで。ただ、こっちはテンション上がってるんですけど、松橋さんはため息をついていたりして(笑)。

松橋 キャストのみなさんのスケジュールを調整するのが本当に大変だったんです。超難問のパズルを解いているような感覚でした。

豪華な顔ぶれにすると、違う意味で大変になるということですね。

福田 桂小太郎に岡田将生くんを、と名前を挙げるまではいいんですけど、スケジュール的に考えて無理だろうと。ところが、ウチの嫁が「桂は岡田くんじゃなきゃ絶対ダメ!」って頑なに言い張るんですよ。松橋さんにとって厄介だったのは、僕の意見が実は嫁の意見だったりしたことでしょうね。
ただ、松橋さんも僕は嫁の指令には絶対逆らえないことをご理解いただいていたので、「岡田さんに何とかオファーかけてみます」って尽力してくださるんです。実際、スケジュール的に大変だったんですけど、結果的には岡田くんが桂を演じてくれて本当によかったなと。そういう苦労も忘れさせてくれるくらい、キャスティングに関しては見事にハマりましたね。

©空知英秋/集英社 ©2017映画「銀魂」製作委員会

もはや実写版「銀魂」は、このキャスト以外考えられないですよね。

松橋 ということは、もし続編をつくるとなったとき、また私は苦しみを味わうわけですね……(笑)。

福田 豪華キャストの裏に、プロデューサーの苦しみありっていうね(笑)。でも、「銀魂」だから集まってくれたというのは、絶対にありますよね。

松橋 そして、福田さんのメジャー作品だから協力したいと受けてくださった役者さんが本当に多かったことを、報告しておきます。みなさん、どうか観てください!(笑)

福田 ものすごく強引にまとめましたね!
いや、でも本当にですね、「銀魂」ファンの力を結集してほしいんですよ。海賊とかアニメとかもいいけどね、まず「銀魂」を観てからでもいいでしょうよ、と。次に「ジョジョ」を観てもらって山﨑賢人をアゲたところで、「斉木楠雄のΨ難」をヨロシクと(笑)。

松橋 そう来ましたか(笑)。

映画『銀魂』

2017年7月14日公開

【ストーリー】
銀髪天然パーマのぐうたら侍、でも仲間を護るためにはキリッと光る“万事屋銀ちゃん”こと坂田銀時とその周りで起こる大騒動。
そして、不可解に絡み合う謎の事件…。


幕末の江戸、鎖国を解放したのは黒船――ではなく、エイリアンと宇宙船だった!
今や地球人と宇宙からやってきた天人(あまんと)が共に暮らす、将軍おひざ元の江戸・かぶき町。ここで、なんでも屋「万事屋(よろずや)」を営む銀時は、従業員の新八や居候の怪力美少女・神楽といつものようにダラダラした午後を過ごしていた。だが、ぼんやり見ていたTV番組のニュースで、カブトムシ狩りで一攫千金できると知り…、てんやわんやの大騒動で幕が開く!
ある日、万事屋に仕事依頼が舞い込む。江戸で暗躍する攘夷志士の桂が謎の辻斬りの凶刃に倒れ行方不明になったというのだ。
その影にうごめくのは、「人斬り似蔵」の異名を持つ浪人・岡田似蔵。そしてかつて銀時と共に攘夷志士として救国のため戦った高杉晋助。
捕らわれた仲間を救出するため、この世界を護るため――満身創痍の銀時はひとり、走り出す。江戸の空に浮かぶ戦艦で、一世一代の大バトルが始まろうとしていた――!

監督:福田雄一
原作:「銀魂」空知英秋(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
出演:小栗旬 菅田将暉 橋本環奈 柳楽優弥 新井浩文 吉沢亮 早見あかり ムロツヨシ 長澤まさみ 岡田将生 佐藤二朗 菜々緒 安田顕 中村勘九郎 堂本剛
主題歌:UVERworld「DECIDED」
製作:「銀魂」製作委員会
制作プロダクション:プラスディー
配給:ワーナー・ブラザース映画
©空知英秋/集英社 ©2017映画「銀魂」製作委員会
オフィシャルサイトgintama-film.com
オフィシャルTwitter@gintama_film

■主題歌

UVERworld
DECIDED
2017年7月12日発売
主題歌を担当したUVERworldのインタビュー記事はこちら
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2017.07.12


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