Interview

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが『魔法陣グルグル』で出会ったボンジュール鈴木と起こした奇跡

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが『魔法陣グルグル』で出会ったボンジュール鈴木と起こした奇跡

フジムラトヲル、石川智久、松井洋平という、それぞれ個別でもクリエイターとして活動する3人から成るテクノポップ・ユニット、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。近年は特にアニメ音楽の分野での活躍がめざましく、『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』といった作品の劇伴仕事が話題となったほか、『おそ松さん』のEDテーマ「SIX SHAME FACES ~今夜も最高!!!!!!~」や上坂すみれ「恋する図形 (cubic futurismo)」などのヒット曲も制作。この7月に3度目のTVアニメが放送開始した『魔法陣グルグル』では、劇伴に加えてEDテーマも担当している。

その『魔法陣グルグル』のEDテーマでもあるニューシングル「Round&Round&Round」で彼らがコラボ相手に指名したのは、自身も音楽家として多くのアニメ作品に楽曲を提供しているボンジュール鈴木。フランス仕込みの発声を活かした彼女のウィスパーボイスと、得意のアナログシンセを駆使したTECHNOBOYSの躍動するテクノポップサウンドは相性バツグンで、ファミコン時代のRPG作品を彷彿させる本作のEDテーマにもピッタリの懐かしくてかわいらしい楽曲になっている。『グルグル』が取り持った今回のコラボと本シングルについて、TECHNOBOYSの3人とボンジュールに話を聞いた。

取材・文 / 北野 創


せっかくご一緒しているので、歌の部分で
ボンジュールさんの色が出るようにしました(フジムラ)

「Round&Round&Round」は80年代の化粧品のCMソングに通じる洒脱で華やかなポップソングに仕上がっていて、そのどこかノスタルジックな響きが『魔法陣グルグル』の作品性にも非常にマッチしていますね。

フジムラトヲル 原作を読んだうえで僕らなりに解釈して作っていったんですけど、「懐かしさ」みたいなものを出したいという話は最初の段階からしてたんです。昔のアニメのエンディングみたいなエッセンスは必要かなと思って、一応どんなものか聴き直したりもして。

石川智久 それと劇伴もそうなんですが、今回は(ソフトシンセではなく)アナログシンセだけを使っていて、生楽器も極力使わないようにしたんです。だから懐かしさが出たんだと思いますね。

松井洋平 ファミコンのBGMも生音を入れられなかったですしね。

ボンジュールさんは最初に曲を聴いたときにどう思われましたか?

ボンジュール鈴木 私は以前に放送されていた「グルグル」のアニメを拝見していたので、その思い出が甦ってきて感動しました。とてもかわいい曲だったので歌うのを楽しみにしていたんですけど、これまであまり歌ったことのないテイストの曲でもあったので、新しく挑戦させていただきうれしかったです。

レコーディングはどのように進めたのですか?

フジムラ まずプリプロの段階である程度の方向性を固めたんですが、あとはボンジュールさんなりの解釈で歌っていただいたんですよ。せっかくご一緒してるのにTECHNOBOYSだけの曲になってしまうと面白くないので、歌の部分でボンジュールさんの色が出るようにしました。

松井 なので歌い回しのリズムが変わったところもあるんですけど、石川は最初からボンジュールさんに自由に歌っていただくことを見越して、メロディーにある程度の余裕を持たせて曲を作っていたんです。

石川 あんまり作り込んでしまうと、おもしろくなくなってしまうので。

ボンジュールさんは実際にレコーディングしていかがでしたか?

ボンジュール 難しい曲ではあったんですけど、新しい自分を表現できるチャンスだったので、逆に楽しみでもあったんです。しかも『グルグル』という自分の好きな作品のテーマ曲を歌うといううれしさでいっぱいで、歌うときはちょっと興奮気味でした(笑)。でも最初は、いつもの自分らしく歌うか、もしくはもっと普通の感じで歌うべきか、そのラインが掴めずに迷ってしまって……。

松井 でも、プリプロの段階でかなりいいバランスで作られてたんですよ。AメロとBメロはウィスパーボイスで、サビはリズムの上にオンする感じの歌い方をされていて。普段よりは縦がしっかりある感じでしたものね。

ボンジュール 私はフランスでボイス・トレーニングを受けてたんですけど、フランス語は喉の使い方が日本語とだいぶ違うので、普段はそのときの感覚を日本語に当てはめるようにして歌ってるんです。でも、そのクセが良いときがあれば悪く運ぶこともあって。今回は松井さんの書かれた歌詞がとってもかわいらしくて素敵な内容だったので、きれいな日本語の発音で歌わなきゃいけないと思ったんですけど、そうするとあまり私らしくならないので、その加減が難しかったです。

ボンジュール鈴木さんの魅力は、やっぱりフランス感かな(笑)(石川)

TECHNOBOYSのみなさんはボンジュールさんのどこに魅力を感じますか?

石川 やっぱりフランス感かな(笑)。それとウィスパーボイスですね。

松井 今回は歌詞も100パーセント「グルグル」に寄せるというより、ボンジュールさんの要素を上手く混ぜようと思って、曲の世界観に合うフランスっぽい言葉をいっぱい探したんですよ(笑)。2番の歌詞に出てくる「ビスクドール」とかは、ボンジュールさんの作品のジャケットイラストにはそういう雰囲気があると思って。

そういった意味でも、『魔法陣グルグル』の要素だけではなく、お互いの音楽性がうまく噛み合った楽曲になりましたね。

松井 意外と、意外な組み合わせではないというのは感じましたね。僕らも普段からフレンチポップス的なコードを使ってますし、フランス感とかエレクトロ感といった音楽性の根っこの部分は共通してると思います。そういえば俺たちにも「Anyone wants to go to Paris?」ってフランスのことを歌ってる曲があったよね(※TECHNOBOYSの2014年作のアルバム『good night citizen』に収録)。

ボンジュール みなさんでパリに行かれたこともあるんですよね?

松井 昔に3人で行きましたね。俺だけ前のりしてて、2人と凱旋門で待ち合わせしたんですけど、あそこは道路の下をくぐらなきゃ行けないじゃないですか。俺はそれを知らなくて、横断歩道を探して周りをずっと回ってたんですよ。それこそグルグルと(笑)。

フジムラ 当時は松井しか携帯を持ってなかったので、大声で「下をくぐれー!」って伝えて(笑)。でも、機会があったらこの4人でフランスにも行ってみたいね。

ボンジュール いいですね!

松井 フランスでライブしたりね。俺はボンジュールさんが「ボンジュール、ボンジュール鈴木です」って名乗るところをみたい(笑)。