Interview

UNISON SQUARE GARDEN 緻密さと濃密さ。彼らのアイデンティティが刻み込まれたロックチューンについて訊く

UNISON SQUARE GARDEN 緻密さと濃密さ。彼らのアイデンティティが刻み込まれたロックチューンについて訊く

大型フェス「VIVA LA ROCK 2017」の2日目(5月4日)のメインステージでトリをつとめ、さらに4月から6月にかけて、the pillows、androp、9mm Parabellum Bullet、THE BACK HORN、a flood of circle、SHISHAMO、東京スカパラダイスオーケストラ、SCOOBIE DO、syrup16g、パスピエ、BLUE ENCOUNT、クリープハイプをゲストに招いた自主企画イベント「fun time HOLIDAY 6」を開催。充実した活動を続けているUNISON SQUARE GARDENがニューシングル「10% roll, 10% romance」(TVアニメ「ボールルームへようこそ」オープニングテーマ)をリリース。緻密かつスリリングなバンドサウンドとポップに振り切ったメロディを軸にした、UNISON SQUARE GAREDENのアイデンティティがさらに濃密に刻み込まれたロックチューンに仕上がっている。新たな代表曲となる可能性を大いに秘めた「10% roll, 10% romance」をフックにしながら、バンドの現状について聞いた。

取材・文 / 森朋之


“自分たちのライブを確立できた”と思っていたけど、好きなバンドのライブを見るとすごく影響を受けるんですよ(斎藤)

まずは4月から6月にかけて行われた2マンツアー「fun time HOLIDAY 6」について。全国各地で12組のゲストを招いたイベントでしたが、手応えはどうですか?

斎藤 自主企画イベントは4年ぶりだったんですよね。最近はずっとワンマンライブだけをやっていたから、対バンはすごく久しぶりで。相手のバンドと過ごす時間が長いから、リハーサルから本番に挑むまでの姿勢もぜんぶ見れて、それがすごく良かったですね。“自分たちのライブを確立できた”と思っていたけど、好きなバンドのライブを見るとすごく影響を受けるんですよ。ヒリヒリした時間が多かったですね。

鈴木 楽屋をハッピーに盛り上げてくれる人は、ステージでも周りを明るくできるんですよね。音楽だけじゃなくて、人間とも対バンしていた感じがあったし、「自分もこうあらねば」と学ばせてもらうこともすごく多くて。“おまえら、まだまだだぞ”って言ってもらえた感じもあったし、やってよかったなと思いますね。

田淵 以前の対バンライブは、こちらから「お願いします。やってくれてありがとうございます」という感じだったんですけど、今回は「自分たちもいいライブをやります。一緒にやってくれたら、何かしらいいことがあると思います!」という気持ちだったんですよね。自分たちのやってることに自信が付いてきたタイミングだからこそ、声をかけさせてもらったバンドもいたので。本番は対バン相手のライブを見たあとに自分たちのライブという順番だったんですけど、「普通にやったらやべえぞ」と思うこともけっこうあったんです。「自分たちのライブに自信を持っています」と言いながら、迷いが生じてしまったり。「まだまだだな」ということを思い知らされたし、同時にバンドのおもしろさを改めて知ることができたと思います。

斎藤 うん。

田淵 直前まで動揺していたことが、ライブにも出てたと思うんですよ。それは悪いことではないんですけど。

鈴木 ステージに立つまでにブレを修正するわけじゃないですか。そのときの“修正する力”もステージに出てるというか。それは毎回感じましたね。スカパラみたいなバンドと対バンすると、すごい経験値をもらえますからね、ホントに。

“これが僕らの最新形です”といえる曲じゃないといけないし(田淵)

では、ニューシングル「10% roll, 10% romance」(TVアニメ「ボールルームへようこそ」オープニングテーマ)について。アルバム「Dr.Izzy」以来の新曲、シングルとしては「シュガーソングとビターステップ」以来となるわけですが、今回の楽曲もUNISON SQUARE GARDENの個性がストレートに出ていますね。

田淵 シングルですからね(笑)。アルバムを見据えて作っているわけだし、自分たちらしさがないのは良くないので。“これが僕らの最新形です”といえる曲じゃないといけないし、タイアップに対する礼儀もあるので、負う役目は多いんですけどね。

鈴木 “らしさ”を説明するのは難しいんですけどね。曲を聴くだけでは音楽的なルーツが見えないだろうし、ジャンルもよくわからない。あえて言葉にすると“ユニゾンらしい”ということになるんでしょうけど、それは無理に言ってるわけではなくて。“わけわからん”と言われつつも、自分たちがカッコいいと思うものを貫いて、各々ががんばった結果、僕ららしさにつながってるんだと思ってます。

自分がやるべきことは生命力を伝えることだと思ってるんです(鈴木)

メロディ、歌詞はもちろん、3人の演奏も“らしさ”全開ですからね。「10% roll, 10% romance」のドラムも素晴らしいと思います。

鈴木 我ながら、なんて良いドラムなんだ!って(笑)。もちろん「ここはもっとこうやりたい」という部分も見えてるんですけど、現時点ではすごくいいドラムが叩けたと思っていますね。自分がやるべきことは生命力を伝えることだと思ってるんですけど、ジャンルの言葉を借りると、ロックとフュージョンを融合させたいんですよね。細かいことをやりながら、ポップに楽しく聴けて、ロックの熱さも同時に表現するっていう。それはデビューシングル「センチメンタルピリオド」のときからやろうとしていたんだけど、技術が伴っていなかったから、わかりづらくなっていて。いまはそれがある程度カタチになってるんじゃないかなと。

一聴して「いい歌だな」と思ってもらえることと、音色とか弾き方といった専門的な内容で2時間くらい語れることの両方が大事(斎藤)

斎藤さんはどうですか?

斎藤 純粋にいい曲だなというのが第一印象でしたね。華があるし、ちゃんと人の心に触れるメロディがあって。何て言うか、ミュージシャンの取り組み方と聴き手の捉え方は別物だと思ってるんですよ。もちろん僕たちはこだわりを持って作ってるんだけど、聴き手はもっと大枠で捉えますよね。

パッと聴いた瞬間に判断しますからね。

斎藤 一聴して「いい歌だな」と思ってもらえることと、音色とか弾き方といった専門的な内容で2時間くらい語れること。その両方が成立しているのが大事なんだなって。それをずっとやり続けたいなって、この曲を作ったことで改めて思いましたね。

単なるネタソングではないんですよ。ユニゾンの流儀に昇華できる自信がなかったら、こういう曲は作らないので(田淵)

カップリングにはthe pillowsへのリスペクトを込めた「RUNNERS HIGH REPRISE」を収録。以前から田淵さんはthe pillowsから影響を受けたことを公言していますが、その愛情がたっぷり詰まった楽曲ですね。

田淵 影響を受けながら育ったことは事実なんですけど、the pillowsの山中さわおさんからは「ぜんぜん影響を受けてるようには感じない」って言われていて。「そんなことないんだけどな」と思っていたし、それをアピールできる曲を作ってみたいなと。the pillowsのいろんなエッセンスが10曲分くらい入ってるので、好きな人はぜひ探してみてほしいです。ただ、単なるネタソングではないんですよ。ユニゾンの流儀に昇華できる自信がなかったら、こういう曲は作らないので。

なるほど。さわおさんにも聴いてもらったんですか?

田淵 はい。「田淵くん、これはダメだろう」と言われるのも想像してたんですけど(笑)、「ぜんぜん大丈夫だよ。ユニゾンだったら何をやってもいいよ」という言葉もいただいて。良かったです。

「flat song」は心を揺らす曲だと思っている(鈴木)

3曲目の「flat song」は穏やかな歌を軸にしたミディアムチューン。

鈴木 「10% roll, 10% romance」が身体を揺らす曲だとしたら、「flat song」は心を揺らす曲だと思っていて。歌を立たせるようなフィル、フレーズを意識しながらレコーディングしてましたね。ラストのサビにピークを持ってきたり、アウトロは(映画の)エンドロールのようなイメージだったり、全体を通して物語を描くような感じになればいいなと。

斎藤 素直な楽曲ですよね。音数も少なくて。声を張るのではなくて、訥々と伝えるような歌が歌えたと思うし、すごく気に入ってます。

10年後も同じことをやり続けて、「あいつら、ホントにやりやがった」って言わせたい(田淵)

10月からは全国ツアーがスタート。いつもみなさんが言っている“ロックバンドとしての通常営業”が続きますね。

田淵 そうですね。1年に1回はツアーをやりたいし、ちょうどシングルも出るから、そのタイトルを冠にして。新曲は3曲だけだから、セットリストの幅を利かせることができると思うんですよね。アルバムのツアーよりも自由度が高いというか。ただ、ほとんどの人は1年に1回しか来られないだろうし「また来年も見たい」と思ってもらうためには、変にマニアックな曲ばっかりやってもダメなので。そこはいい塩梅でやりたいと思います。

鈴木 死ぬまでバンドをやりたい3人なんですけど、そのためには感動のないライブを1本たりともやっちゃいけないと思っていて。それが大前提であり、いちばん大事なことなんですよね。そうやって通常営業を続けるのはすごく難しいことなんですけどね。

田淵 うん。この形でやり続けるのって、じつはめちゃくちゃ大変なんですよ。現状維持ってマイナスな言葉に捉えられがちだけど、すごく工夫が必要なんです。自分たちをワクワクさせ続けないといけないし、そのためにはいろんなことを考えて、実行しなくちゃいけないので。10年後も同じことをやり続けて、「あいつら、ホントにやりやがった」って言わせたいですね。

ライブ情報

UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018 One roll, One romance

2017年
10月8日(日)、9日(月・祝) 高知 X-pt.
10月11日(水) 出雲 APOLLO
10月17日(火) 高崎 club FLEEZ
10月19日(木)、20日(金) 新潟 LOTS
10月22日(日) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
10月27日(金) 熊本 B.9 V1
10月29日(日) 周南 RISING HALL
11月15日(水)、16日(木) 東京 Zepp Tokyo
11月18日(土) 仙台 PIT
11月22日(水) 川崎 CLUB CITTA’
11月24日(金) 高松 festhalle
11月26日(日) 広島 BLUE LIVE HIROSHIMA
11月27日(月) 大阪 なんばHatch
12月4日(月)、5日(火) 福岡 DRUM LOGOS
12月8日(金)、9日(土) 大阪 Zepp Osaka Bayside
12月13日(水)、14日(木) 名古屋 Zepp Nagoya
12月23日(土・祝) 札幌 Zepp Sapporo

2018年
1月28日(日) 千葉 幕張メッセ 国際展示場

UNISON SQUARE GARDEN

斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)の3ピースロックバンド。2004年結成。透明感に溢れながらも個性的なトゲを持つ斎藤宏介のボーカルと、エッジが効いたコンビネーション抜群のバンドアンサンブルが共鳴、共存するROCK / POPの新世界。キャッチーなメロディラインとアンバランスな3人の個性が織りなす鮮烈なライブパフォーマンスで、右肩上がりにセールスと動員を延ばし続ける。TVアニメ「TIGER & BUNNY」オープニングテーマ「オリオンをなぞる」や「血界戦線」エンディングテーマ「シュガーソングとビターステップ」等、活躍の場を広げており、バンド結成10周年記念アルバム「DUGOUT ACCIDENT」(2015年7月22日発売)では自己最高位のオリコンウィークリーランキング初登場2位を獲得。待望の6thフルアルバム「Dr.Izzy」(2016年7月6日発売)リリース後にはバンド史上最多の全国44カ所48公演を回る全国ツアーを開催。2017年2月にはドラマ「男水!」主題歌「Silent Libre Mirage」を配信限定シングルとして、7月にはTVアニメ「ボールルームへようこそ」オープニングテーマ「10% roll, 10% romance」をニューシングルとしてリリース。その勢いはとどまるところを知らない。

オフィシャルサイトhttp://unison-s-g.com/
トイズファクトリー | UNISON SQUARE GARDEN
http://www.toysfactory.co.jp/artist/usg/