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伊達政宗の眞嶋秀斗と真田幸村の松村龍之介が火花を散らす! 斬劇『戦国BASARA』小田原征伐

伊達政宗の眞嶋秀斗と真田幸村の松村龍之介が火花を散らす! 斬劇『戦国BASARA』小田原征伐

2009年に初演を迎えた斬劇『戦国BASARA』は、現在でも好評のうちに再演を繰り返す歴史ある作品だ。そんな作品が、今年も8月11日からAiiA 2.5 Theater Tokyoに帰ってくる。13作目を数える本作は、『小田原征伐』と銘打ち、北条氏政や山中鹿之介などの新キャストが登場。有名な戦国武将が敵をなぎ倒す大人気アクションゲーム『戦国BASARA』を下敷きにした2.5次元舞台であり、常に期待が寄せられる演劇界に無くてはならない演目として注目度も高い。本作も、主人公の伊達政宗役の眞嶋秀斗と同志の真田幸村の松村龍之介以外に、有名武将の個性的なキャラクターや、彼らの織りなすダイナミックな殺陣、緻密な武器や衣装や舞台美術に期待できるだろう。
斬劇『戦国BASARA』小田原征伐の熱気漂うゲネプロの様子と主要キャスト・スタッフからの意気込みをお届けする。

忠義と絆が織りなす友情の物語

スポットライトが当たると、まず主要キャストのキャラクターをライバルや仲間、そしてアンサンブルと共に豪快な殺陣で紹介してくれる。

まず伊達政宗役の眞嶋秀斗の六双が火花を散らす。六爪とは6本の刀を脇に差していること。一本の刀で敵を斬っていくかと思えば、一気に6本を抜刀し片方の手に3本ずつ刀を持ってバッタバッタと敵を切り刻み激しいつばぜり合いをする。実際に眼帯をしているので、バランスも役者との距離感も取りにくく怪我の危険もあると思うが、そんなことを微塵も感じさせない大太刀回りに圧倒される。そしてさりげなくスピーディーに納刀する仕草が、ここが戦国時代だと教えてくれるようで、舞台のリアリティを高めていく。

続いて、真田幸村の松村龍之介の双槍が美しい放物線を描く。フィギュアスケートのように回転しながら武器を扱う様は演舞のようで華がある。もちろん松村龍之介の背筋のピンと伸びた佇まいがあってだけれど、真っ赤なコスチュームも相まって、観客の心が滾るようなかっこよさ。松村は力強い腕で体躯よりも大きな槍を巧みに扱っていく。

この舞台は、やはりかっこいい役者と衣装と緻密なレリーフの施された武器を見ているだけで飽きない魅力がある。オープニングだけで、それぞれのキャラクターの性格が武器に宿っていて、その殺陣を体感すれば、言葉がなくても、役者に感情移入もできるし、ダイナミックな戦国絵巻の一員になれることは必至だ。

ストーリーは関ヶ原の戦いを前に1590年に起こった豊臣家と北条家の戦をモチーフにした歴史ファンタジー。豊臣秀吉は小田原に全ての敵対する勢力を集め、一網打尽にしようと画策する。反体制の急先鋒だった伊達と真田は、互いが同志であったのにもかかわらず、徳川家康や大谷吉継の入れ知恵に騙され敵対する関係になるのだが……。

そんな猜疑と忠義心の間で問われるのは、人と人との信頼、友情、絆だ。伊達と片倉、真田と猿飛、北条と風魔といった主従関係から垣間見える揺るぎない絆。伊達と真田、北条と黒田、あるいは伊達と徳川といった、立場や主義や主張を超えた信頼。そして毛利と長曾我部といったライバルから浮かび上がる友情。注目は、若かりし頃のどこかイノセント役柄の徳川と知的で残酷でクールな石田三成との友情は、これからの歴史(関ヶ原の戦い)を知っているとやるせない気持ちになってしまう。

演技もどのキャラクターも見応えがあるが、やはり座長の眞嶋秀斗は、クールにセリフに抑揚をつけながら腹の底から声を出すことで感情の揺らぎを上手に客席に伝えてくれる。彼は「ザッツ・ライト」といった英語を交えたセリフで会場から笑いを誘うのだが、そんな武将がいたかのようなリアルな演技に舌を巻いてしまった。もう一人の主人公である真田の松村は、どこかおっちょこちょいで律儀なキャラクター。ひたすら熱のこもった演技をみせ、クールな伊達とはコントラストを浮き立たせ、客席の目を飽きさせないだろう。また、この座組で注目すべきは、初出演の橘龍丸だろう。ストーリーを展開させるコメディーリリーフとして存分に機能しており、笑いが絶えなかった。

それぞれのキャラクターが自分の役を信じ、役者同士の絆で結ばれている熱いカンパニーだ。やはり殺陣の練習で培った信頼が役者たちの絆を作り、そこに長くて激しい稽古が絡み合えば、現在の2.5次元舞台の世界で唯一無二の作品を作り上げる。

今作は、とかく現代に薄れがちな、友情、信頼、絆の大切さを訴えかける。魂と魂をぶつけ、本音と本音で語り合う。騙し合いも、計算づくのやりとりもいらない。ただひたすら無償の愛で人を信じ、人に信じられる、そんな信頼関係を作ることの大切さをひしひしと訴えてくれる舞台でもあるのだ。

みんなの信頼で作り上げた舞台

今作のゲネプロの前に、主要キャストおよび演出のヨリコジュン、企画構成を担当した小林裕幸に熱のこもったコメントをしてもらった。 

眞嶋秀斗(伊達政宗)

2回目の伊達政宗を演じます。全員で「小田原征伐」という一つの船に乗って同じ方向を目指して戦っていきたいと思います。

松村龍之介(真田幸村)

新しく参加されたキャストとこれまでのキャストとともに、新しい物語と座組みで面白い舞台にしていきます。

中尾拳也(徳川家康)

僕も2度目の徳川家康になりますが、前回以上に熱い作品になっています。人と人との絆に注目してください。

沖野晃司(石田三成)

僕も2度目ですが、秀斗くんの先輩として違った形でキャストを引っ張っていきたいです。

井上正大(片倉小十郎)

前回は映像出演で眞嶋くんと共演しましたが、今作では舞台で共演できるのが嬉しいです。

椎名鯛造(猿飛佐助)

大将の真田幸村と行動をともにしますが、手間のかかる大将を熱心に支えるシーンがありますので期待してください。みんなを信頼して怪我なく終えられるようにしたいです。

白又敦(長曾我部元親)

今回で4回目の元親です。今回は元親の親分を演じている毛利元就が久しぶりに出演して、しかもWキャストなので、作品の空気感の違いを楽しんでください。

伊藤裕一(黒田官兵衛)

斬劇『関ヶ原の戦い』からの出演になりますが、前回は戦いに対して好戦的なスタンスではないのですが、今回は殺陣もありますので、とても楽しみにしています。

橘龍丸(山中鹿之介)

僕は『戦国BASARA』初陣ということで、先人たちが歩いてきた道を歩いて、立派に役を務めていきたいです。

末野卓麿(風魔小太郎)

3度目の風魔小太郎になります。ようやく従うべき北条氏政さまと出会うことができました。僕と北条の主従関係に注目してください。

寺山武志(北条氏政)

小田原征伐であれば北条が主役だということで(笑)。それは冗談ですが、ストーリーから人を信じることを教わることができます。キャスト・スタッフのみなさんを信じて頑張りたいです。

大山将司(大谷吉継)

熱量が高い作品になっていますので、カンパニーの一員として頑張っていきたいです。

小谷嘉一(毛利元就)

1年半ぶりの『戦国BASARA』の出演で、6年ぶりの毛利役です。20代だった僕が30代です。Wキャストですので、20代の健人くんとの違いを楽しみにしてください。

健人(毛利元就)

歴史ある作品に初めて参加できることを嬉しく思っています。先輩の小谷さんに教わったことを大切にしながら毛利元就を演じたいです。

ヨリコジュン(構成・演出・映像)

『本能寺』『関ヶ原』『小田原征伐』と3回目の演出です。CAPCOMの小林さんと山本真さんと構成、脚本、撮影まで熱いディスカッションを重ねてきました。前々回、前回よりも濃い作品を作ることができたと自負しております。全員で信頼しあってここまでたどり着くことができ感慨深いです。

小林裕幸(CAPCOM・企画・原作監修)

舞台の時間軸としては斬劇『関ヶ原の戦い』の前にあたり、豊臣が力を持っている完全新作ストーリーです。前作を知らなくても楽しめると思っています。みんなの信頼で作り上げた舞台です。期待してください。

取材・文・撮影 / 竹下力

斬劇『戦国BASARA』小田原征伐

【東京公演】2017年8月11日(金)~20日(日)
AiiA 2.5 Theater Tokyo
【大阪公演】2017年8月25日(金)~27日(日)
立命館いばらきフューチャープラザ グランドホール

【原作】CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ)
【構成・演出・映像】ヨリコジュン
【企画・原作監修】小林裕幸(CAPCOM) 山本真(CAPCOM)
【シナリオ協力】松野出

【出演】
伊達政宗 役・眞嶋秀斗、真田幸村 役・松村龍之介、徳川家康 役・中尾拳也、石田三成 役・沖野晃司/片倉小十郎役・井上正大、猿飛佐助 役・椎名鯛造、長曾我部元親 役・白又敦/黒田官兵衛 役・伊藤裕一/山中鹿之介 役・橘龍丸、北条氏政 役・寺山武志、風魔小太郎 役・末野卓麿、大谷吉継 役・大山将司/毛利元就 役・小谷嘉一/健人(Wキャスト)

オフィシャルサイトhttp://www.basara-st.com

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