future×feature  vol. 6

Interview

「ひよっこ」の大食いメガネっ子・澄子役で注目の松本穂香。夢はオーロラを観に行くこと!?

「ひよっこ」の大食いメガネっ子・澄子役で注目の松本穂香。夢はオーロラを観に行くこと!?

憧れだった朝ドラへの出演で、いよいよブレークの兆し! 絶賛放送中のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」で、主人公・谷田部みね子のかけがえのない仲間の1人である青天目澄子役を演じた松本穂香に、熱い視線が注がれている。
一人称を「おれ」と呼ぶ福島の方言に、大食い&メガネッ子キャラというインパクトの強さで爪痕を残した彼女。飛躍が期待されるネクストブレーク候補に、「ひよっこ」撮影時のエピソードをはじめ、20歳になっての変化や今後やってみたいことなど、あれこれと聞いてきた。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 荻原大志
ヘアメイク / 下田英里 スタイリスト / 中村有咲


乙女寮メンバーで「ひよっこ」スピンオフができたらいいな

“朝ドラ”に出演したんだな、と感じるのはどんなときですか?

何だろう…… 家で普通に視聴者として「ひよっこ」を見ていて、オープニングの出演者紹介で、すごい役者さんの名前が並んでいる中に自分の名前もあると、「あぁ、私もこの作品の一員なんだなぁ……」と、そのたびに感動を覚えます。でも、まだ何かフワッとした感じと言いますか、ずっと朝ドラは憧れだったので、「出演できてよかったね、すごいね!」と言ってもらえるんですけど、なんだかいまだに信じられないというか、不思議な気持ちが続いているんです(笑)。

「ひよっこ」への出演で多くの人に顔を覚えられたと思いますが、どんなふうに変わりましたか?

澄子のイメージが強烈だったこともあって、「本人は全然印象が違うんだね」と言われます(笑)。そんなふうに役として見ていただいたり、顔を覚えていただくことはすごくありがたいですし、うれしいんですけど、そこで終わっちゃいけないなと思っていて。というのは、役そのものは他人ではありますけど、完全に別人物になれるかというと、そういうものでもないんですね。なので、「別人になろう!」とするのではなくて、自分の中にある要素を役に滲ませていくことで、お芝居を成立させたいなと思っているんです。無理して演じた時点でキャラクターが不自然になってしまうので、どう自然に役へ溶け込むかが自分の課題です。

すごくしっかりと演技のことを考えているんですね。澄子という役に限っていえば、福島の方言に大食いキャラ、メガネっ子と特徴がハッキリしていたので、アプローチしやすかったのかなとも思いますが……?

そうですね、単にボーッとしているというだけの子には映らないようにしたいな、という思いはありました。ただ、周りの人たちからは「澄子と似ているよね」と言われていたので(笑)、澄子の気持ちも理解できましたし、今お話ししたような“無理して寄せた”という感覚が、自分の中ではなかったんです。

では、松本穂香と〈青天目澄子〉をつなぐ糸口というものは、どういうところにあったのでしょうか?

監督さんやスタッフの方とお話していく中で見つかったところもありますし、岡田(惠和=脚本)さんが台本に書いてくださったセリフの中に、澄子のキャラクターを表す言葉があったりするので、結構いろいろなところからヒントを拾っていきました。たとえば、「澄子は話すのも、何をするのも遅い」という豊子(藤野涼子)のセリフだったり。そういうヒントになるものを積み重ねていって、澄子像ができあがっていったという感じです。

聞くところによると、岡田さんは演じる役者さんを想定してアテ書きされているそうですね。

岡田さんには一度しかお会いしていないんですけど、そのときに乙女寮のメンバー1人ひとりの特徴や性格を見てくださったみたいなんです。だから、演じる私たちとそれぞれの役がどことなく近く感じられるんだろうな、って。

第20週(8月14日〜19日)では、その乙女寮の面々がまた登場していますね。

はい、みんなと「あかね荘」で再開するというお話で、初登場のときには15歳だった澄子も17歳になっています。ほかのメンバーがそれぞれどうなったのかも語られているので、楽しんでいただけたらうれしいです。

役を離れたところでの「乙女寮チーム」の6人は、どんな感じですか?

みんな、すごくマイペースです。話したいときにワーッと盛り上がって、そういう雰囲気じゃないなというときは静かにしているっていう(笑)。そうやって自然に過ごせるので、一緒にいて楽なんですよ。今思うと、最初から気が合う6人だったんだなって。実際、すぐに仲良くなりました。そういう役を離れたところでの関係性が、お芝居でも出てくるというか、乙女寮のみんなとは自然な感じで一緒にいられるのがいいな、と思っています。

役を超えた絆があったから、“向島電機最後の日”の豊子の立てこもり(第9週)のシーンが真に迫るものになったんでしょうね。

そうだと思います。あのシーンはリハーサルの時点でみんな、ボロボロ泣いていたので、本番を撮ったときはすごく不思議な感覚でした。「これで、みんなとはもう会えなくなる」という気持ちを共有していたのと、それぞれが自分の役を愛していて、自分たちなりにいい旅立ちにしようと準備をしてきたということも合わさって、あの涙の別れになったんじゃないかなと感じています。

ちなみに、松本さんが選ぶ「乙女寮」篇ベストシーンは……?

やっぱり、工場での最後の日のシーンですね。本当に涙が止まらなくて、一日中グズグズしていました(笑)。それくらい、乙女寮のみんなが大切な存在で、自分自身にとっても澄子という役、そして「ひよっこ」という作品がすごく大きなものだということを実感できたという意味でも、ずっと忘れないワンシーンになりました。

乙女寮の面々はそれぞれ女優として活躍していますが、共演したことでいい刺激を受けたと思います。その辺りはどうでしょう?

はい、本当に毎日が刺激的でした。1人ひとり全然役どころも性格も違うんですけど、お芝居が大好きだというところで共通していて、まっすぐな人たちだったので、一緒にお芝居ができて本当に幸せでした。6人でご飯に行きたいね、という話もしているんですけど、まだ実現できていなくて。時子役の佐久間(由衣)さんとは時々お茶したりするんですけど、クランクアップしないと有村(架純)さんの時間が空かないので、みんなでのご飯はもう少し先になりそうですね。あと、(藤野)涼子ちゃんと(八木)優希ちゃんがまだ高校生なので、夜ご飯ではなくてランチ会みたいな感じになると思います(笑)。

でも、クランクアップが近づくにつれ、淋しさも募っているのでは?

本当、そうなんですよね……。「ひよっこ」の撮影が終わってしまったら、もう澄子を二度と演じることができなくなるじゃないですか。そのことを考えると、「ひよっこ」ロスになりそうで……。

ただ、ここ何年か、朝ドラのスピンオフがつくられているじゃないですか。そこを狙っていたりは……?

そこで乙女寮のメンバーを取りあげてもらえたら、うれしいですけど……。ただ、「ひよっこ」は登場人物がみんな魅力的なので、どのキャラクターでも特別編がつくれそうなんですよね(笑)。あかね荘の早苗さん(シシド・カフカ)だったり、三男くん(泉澤祐希)とさおりちゃん(伊藤沙莉)の話とか、面白そうじゃないですか。でも、乙女寮のみんなのその後もたぶん濃い話になると思うので、実現したらいいなぁと思っています。

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