舞台『煉獄に笑う』  vol. 2

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鈴木拡樹・崎山つばさ・前島亜美らのしなやかな殺陣に息を呑む!舞台『煉獄に笑う』稽古場レポート

鈴木拡樹・崎山つばさ・前島亜美らのしなやかな殺陣に息を呑む!舞台『煉獄に笑う』稽古場レポート

8月24日(木)より初日を迎える舞台『煉獄に笑う』。現在『月刊コミックガーデン』(マッグガーデン)にて連載中の、唐々煙による人気漫画が原作。アニメ化や舞台化、実写映画化などのメディアミックスが行われている『曇天に笑う』の前日譚である。
『煉獄に笑う』は、この度が初の舞台化。西田大輔が脚本・演出を手がけ、キャストには鈴木拡樹、崎山つばさ、前島亜美を始めとする人気の舞台俳優が集結した。
初日を2週間後に控え、勢いを増す稽古場に潜入。熱気と笑いに満ちた現場の様子をレポートする。


時は天正、戦国乱世の真っ只中。
300年に一度、日ノ本(ひのもと)最大の湖・琵琶湖に甦るといわれる伝説の化物「大蛇(おろち)」。その「大蛇」には絶大な力が宿るという言い伝えがある―。時の武将たちは、それぞれに、大蛇の絶大なる力を追い求めていた。

 織田家家臣・羽柴秀吉の命を受け、大蛇に繋がる“髑髏(どくろ)鬼灯(ほおずき)”の謎に挑む小姓・石田佐吉(後の石田三成)。大蛇に関わりがあるとされる曇(くもう)神社八代目当主・曇(くもう)芭恋(ばれん)と阿国(おくに)を巻き込んで、織田家の対抗勢力、伊賀・百地家当主・百地(ももち)丹波(たんば)との一戦を向かえる……。

取材陣は、稽古場下手に突き出した中2階のバルコニーから見学することに。真下では、曇芭恋役の崎山つばさが着流しに羽織姿で、優雅に殺陣を返していた。曇阿国役の前島亜美も、花魁風に帯を手前に結んだ着物姿でありながら、組み立てた舞台装置の上を軽々と渡っていく。

石田佐吉役の鈴木拡樹に、脚本・演出の西田大輔が「拡樹は、この位置からスタートだよ」と声を掛けたところから、殺陣の振付が始まった。
こちらから見ていると、振付が始まったのだとすぐには気付けなかったほど、自然体の西田が斬られ役のアンサンブルに声をかけ、するりするりと体を動かしていく。鈴木に向かって動きを説明することはない。西田が動いている間、鈴木は西田の後ろについて、食い入るように西田の動きを見つめていた。

体の進行方向、刀の振り方、交わし方を決めながら、気が付けば数人を倒す殺陣が仕上がっていた。西田が決まった振りを通して見せ、次には鈴木に変わる。一度、ゆっくり。次には少しスピードを早めて。3度目には、通常と同じ速さで振付されたばかりの殺陣を繰り広げる。

殺陣の振付の速さ、覚えの速さにこちらがあっけに取られていると、西田が「(稽古場メイキング撮影中の)映像と、(取材陣の)撮影用に、もう一回やろうか!」と呼びかけ、現場から笑いを起こす。鈴木は、取材陣がカメラを構える中2階を見上げてピースをするサービス精神を発揮。現場の雰囲気が一層明るくなったところで、もう一度、付いたばかりの殺陣シーンを通してくれた。

殺陣の速さには改めて驚かされるが、この現場では当たり前の模様。次に殺陣の振付をされた前島と百地桜花役の山下聖菜も、同様のスピードで殺陣に挑んでいた。

 女子2人の白熱した殺陣を見守るのは、百地海臣役の小野健斗。余裕を湛えながら2人の前に現れるが、その様を周りから「DVDの新作チェック」と評される小野。その後も小野自体が「TSUT○YA」「英国王」と呼ばれるなど、ムードメーカーぶりを発揮していた。

しかし、百地丹波役の吉野圭吾・角川裕明(Wキャスト)が登場するシーンでは空気が一変。得体の知れない百地丹波を体現する吉野と角川に、稽古場全体が引き締まる。

シーンを通す際には、刀を交わす音や斬られる音のSEと音楽も付くため、本番さながらにムードが高まる。このシーンの最後に、西田が「この場面の転換は暗転にはならずに、ちょっと変わった手法でやります」と宣言。含んだ様子に一層舞台の開幕が楽しみになった。

予定されていた公開稽古はここでタイムアップだったのだが、西田からの「ここから良いシーンやりますから、よろしければ」との好意により、前半の場面の通し稽古も取材させてもらえることになった。

和やかなムードの中、前半のシーンの通しが始まった。

羽柴秀吉役の村田洋二郎と佐吉役の鈴木が、ストーリーの要となる“髑髏鬼灯”について語り合う。その鍵を握る芭恋役の崎山と阿国役の前島が後ろから登場。双子の役だけあって、セリフも動きも息ピッタリだ。

双子の住む曇神社の元に、居候を決め込む佐吉。それに反発する双子たち。その間のやり取りに、軽快にアドリブのセリフを入れ込む崎山。本番まではまだ2週間あるが、既にキャラクターを体に入れ込んでいる様子だ。ひとつひとつの仕草、背中まで“芭恋”そのものだった崎山について特筆しておきたい。

伊賀・百地家の中でも最強の力を誇る“八它烏(やたがらす)”と呼ばれるメンバー、百地海臣役の小野、百地一波役の納谷健、百地獅々丸役の碕理人、百地鈴太郎役の林田航平、百地亜瑚役の釣本南、百地桜花役の山下、百地浯衛門役の平塚真介、百地秋水役の東慶介らの殺陣シーンは、独特の武器もあって見応えたっぷり。

舞台装置は可動式だが、不安定な足場をアンサンブルメンバーがしっかり押さえて移動させている。カンパニーが一丸となっている様子がそこからも伝わってきた。

チケット完売続出につき、大千穐楽のライブビューイング&CSテレ朝チャンネル1で生中継が決定した舞台『煉獄に笑う』。劇場はもちろん、映画館またはTVでも、本作を堪能してほしい。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 竹下力

舞台『煉獄に笑う』

2017年8月24日(木)~9月3日(日)
東京・サンシャイン劇場
2017年9月8日(金)~9月10日(日)
大阪・森ノ宮ピロティホール

【原作】「煉獄に笑う」唐々煙(掲載「月刊コミック ガーデン」/WEBコミック「MAGCOMI」)
【脚本・演出】西田大輔
【テーマソング】和楽器バンド「雪よ舞い散れ其方に向けて」(エイベックス・エンタテインメント)

【出演】
石田佐吉 役・鈴木拡樹/曇芭恋 役・崎山つばさ/曇阿国 役・前島亜美/百地海臣(八它烏)役・小野健斗 百地一波(八它烏)役・納谷 健 百地獅々丸(八它烏)役・碕 理人 百地鈴太郎(八它烏)役・林田航平 百地亜瑚(八它烏)役・釣本 南/百地桜花(八它烏)役・山下聖菜 羽柴秀吉 役・村田洋二郎 百地浯衛門(八它烏)役・平塚真介 百地秋水(八它烏)役・東 慶介/島 左近役・中村誠治郎/芦屋弓月 役・浅田舞/百地丹波 役・吉野圭吾、角川裕明(Wキャスト)

オフィシャルサイトhttp://www.rengoku-stage.com

ライブビューイング

2017年9月10日(日)17:00開演
全国各地の映画館
http://liveviewing.jp/contents/rengoku-stage/

CSテレ朝チャンネル1生中継

2017年9月10日(日)17:00より放送
http://www.tv-asahi.co.jp/ch/contents/variety/0197/

原作コミック 「煉獄に笑う」

煉獄に笑う

著者:唐々煙
出版社:マッグガーデン

「曇天に笑う」から遡ること、300年。大蛇の器を巡る物語、再び。

テーマソング

和楽器バンド
「雪よ舞い散れ其方に向けて」

エイベックス・エンタテインメント

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