LIVE SHUTTLE  vol. 185

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SKY-HI × SALU ヒップホップシーンを牽引する存在になったふたりの“新しい基準”が生まれた夜

SKY-HI × SALU ヒップホップシーンを牽引する存在になったふたりの“新しい基準”が生まれた夜

SKY-HI×SALU【Say Goodbye to My Business】
2017年8月10日 東京・Shibuya O-EAST

SKY-HIとSALUによるコラボレーションライブ「SKY-HI×SALU【Say Goodbye to My Business】」が2017年8月10日(木)、東京・Shibuya O-EASTで行われた。昨年10月に発表された“SKY-HY×SALU”名義のアルバム『Say Hello to My Minions』のリリースライブとして開催されたこのライブで彼らは“これこそ、2017年の日本のヒップホップの新しい基準だ!”快哉を叫びたくなるような、本気で素晴らしいステージを見せてくれた。

会場に入って最初に聴こえてきたのは「Slide」(Calvin Harris,Frank Ocean Migos)。夏らしいグルーヴに合わせて、超満員の観客も気持ち良さそうに体を揺らす。アルバム『Say Hello to My Minions』のリリースから約10カ月が経ち、ようやく実現したSKY-HI×SALUのライブに対する期待感が会場全体に広がっている。

19時30分を少し過ぎた頃、まずはDJがステージに登場し、アルバム『Say Hello to My Minions』のタイトルトラック「Say Hallo to My Minions」が放たれる。SKY-HI、SALUはステージに上がらず、ラップだけが響き渡る。
“まずは自分たちの声だけをしっかりと受け止めてほしい”という意志を感じるオープニングだが、2人のラップがあまりにも素晴らしく、観客のテンションも一気に上がっていく。
続いて「Purple Haze」が始まると上手からSKY-HI、下手側からSALUが登場。全身ブラックのSKY-HI、全身ホワイトのSALUがステージ上にクールなコントラストを作るなか、「No Chill」「威風堂々」とアルバムの曲順通りにライブは進んでいく。GAIUS OKAMOTO、JIGG(O.Y.W.M.)の先鋭的なトラック、2人の思考とスキルを駆使したリリック、そして、現在のシーンにおいて間違いなくトップレベルにあるラップが炸裂し、フロアの興奮も瞬く間にピークに達した。とにかく踊りまくる男性、2人の名前を叫んでいる女の子。
楽しみ方は人それぞれだが、ここにいる全員が初めて目にする“SKY-HI×SALU”のステージに激しく魅了されていたことは間違いない。
ちなみに筆者は、その音楽的な質の高さに圧倒されていた。
現行のUSヒップホップとリンクしたトラックメイク、メロディや歌に逃げることなくラップだけで勝負するスタンス、そして、言葉のリズムと連なりの圧倒的な新しさとそれを生で体現できる技術の高さ。すべてを見ているわけではないので断言はできないが、少なくとも筆者にとって彼らのパフォーマンスは、日本のヒップホップの最高峰だった。

SKY-HI「アルバムは聴いてくれた? 今日のライブを楽しみにしててくれたか?」

SALU「伝説」

SKY-HI「伝説」

SALU「伝説は言い過ぎでしょ」

SKY-HI「おまえが言ったんだろ」

SALU「すいませんでした」

SKY-HI「そういう所あるよ SALU」

SKY-HI「えーと、アルバムは9曲入りなんだけど」

SALU「究極のね」

SKY-HI「(しばらくSALUを凝視した後)せっかくのライブが9曲で終わったらもったいないので、ちょっと寄り道しようぜ」

というやりとりの後は、SKY-HIの「WHIPLASH feat. SALU」、さらに「これは俺らの生き方の話。この生き方、何て言うんだっけ? H,I,P,H,O…P!」(SALU)という言葉からSALUの「LIFE STYLE feat. SKY-HI」を披露。音源では別のラッパーをフィーチャーしていた楽曲を”SKY-HI×SALU”バージョンで体感できる貴重なシーンが実現した。

その後も「ライトセイバー」「H.Y.P.E」「Sleep Walking」などアルバムの楽曲を中心にしたステージを展開した2人。余計な演出、MCはまったくなく、トラックとラップだけでライブを進行し、観客を一瞬たりとも飽きさせないパフォーマンスはまさにストイック。それは同時に“音楽だけで十分だ”という自信の表れでもあったと思う。

ライブ直前に配信されたデジタルシングル「RAPSTA」と“誰も知らない未来を/ペンで書いてみせるのがMy Job”というラインを持つ「運命論」で本編は終了。アンコールではまずJP The Wavyが登場し「Cho Wavy De Gomenne」(JP The Wavy feat. SKY-HI×SALU)が始まる。そこにSALU、SKY-HIも加わり超レアなコラボレーションが実現した。ラストソングは、この日2度目の「RAPSTA」。スマフォで撮影することを許可し、「“#RAPSTA”“#ヘリで来た”でInstagramにアップ。その映像を繋いでMVが作成される」という試みが行われるなかでSKY-HIとSALUは、驚くほどにエモーショナルなパフォーマンスを見せてくれた。

まさに“伝説”と言っても過言ではないステージを体現しつつ、「ずっとラップをやめなかった2人。今後もいろんなことをやれたらいいなと思ってます」とコメントした彼ら。いまやヒップホップシーンを牽引する存在になったSKY-HI、SALUの動向を今後もしっかりと注視したいと思う。

文 / 森朋之 撮影 / Kenji Kitazato

SKY-HI×SALU【Say Goodbye to My Business】
2017年8月10日 東京・Shibuya O-EAST

セットリスト

01. Say Hello to My Minions
02. Purple Haze
03. No Chill
04. 威風堂々
05. WHIPLASH feat. SALU
06. LIFE STYLE feat. SKY-HI
07. ライトセイバー
08. H.Y.P.E.
09. Walking on Water feat. SALU
10. Gogh Walking
11. Sleep Walking
12. STAND HARD feat. SKY-HI
13. RAPSTA
14. 運命論
E-1 Cho Wavy De Gomenne Remix / JP The Wavy feat. SKY-HI×SALU
E-2 RAPSTA

その他のSKY-HI × SALUの作品はこちらへ


SKY-HI オフィシャルサイトhttp://avex.jp/skyhi/
SALU オフィシャルサイトhttps://www.salu-inmyshoes.com/

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