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『イースⅧ』はなぜ傑作なのか?アクションRPGの3大要素を検証

『イースⅧ』はなぜ傑作なのか?アクションRPGの3大要素を検証

2.愛着を湧かせるキャラクターと豊富なやり込み

ゲームプレイにさらなる厚みを持たせ、キャラクターへの感情移入をより強くしてくれるのがクエストの存在です。村を整備するための資材集めから危険な獣の討伐、はたまたお宝探しなど多岐に渡るクエストは、クリア報酬としてさまざまなアイテムが手に入るだけでなく、依頼主とのちょっとしたやりとりを通じてキャラクターのコミカルな面や真面目な性格、普段とは違った一面などが楽しめます。

また、一部のクエストをクリアしたり、特定のアイテムをプレゼントしたりすることで各キャラクターの好感度を上げることもでき、好感度を最大まで上げればキャラクターごとの個別イベントを見ることもできます。好感度イベントと呼ばれるこのイベントでは、キャラクターが無人島生活を振り返ったり、漂流者たちを集めて引っ張ってきたアドルへの感謝をしたり、あるいは自分自身の過去について話したりするのですが、これがじつにしんみりしてしまう内容になっています。

▲クールなイケメンながら面白要素も豊富に持っている“ヒュンメル・トラバルト”。彼が話す過去のエピソードが予想以上にいい話で、個人的には一番印象に残っています

好感度を上げることでそのキャラクターのパラメータが上昇することもあるため、攻略に役立つ要素でもあるのですが、本作の場合はそれよりもキャラクターとのやり取りが見たくてクエストを進めてしまいます。アドルたちの大きな目的はセイレン島からの脱出であり、ゲームをクリアすれば晴れて脱出をすることになりますが、それは同時に漂流者たち、仲間たちとの別れでもあります。本編やクエスト、好感度イベントを通してすっかり愛着が湧いてしまった後となってはこの別れが寂しいのです。

ゲームに限らず、名作と呼ばれる作品ではキャラクターたちの“その後”が気になってしまうものですが、『イースⅧ』もまさにそのパターンです。キャラクター性をこれでもかと押し出しているわけでもないのに、いつの間にか非常に深くプレイヤーの印象に残っており、それぞれが島を脱出した後にどうしているのか、物語の続きが気になって仕方がありません。

ところで、拠点に集まるのは人間ばかりではなく、ハシビロコウなどのセイレン島に棲んでいる動物もキャラクターとして存在し、しっかり好感度イベントも用意されていたりします。

▲鳥類が仲間になるというまさかの展開ですが、ある程度人語を解する“リトル・パロ”は伝令役として活躍する以外にも重要なポジションを担っていたりします

ハシビロコウに一定数の魚をプレゼントすると好感度が上がっていくのですが、魚を調達するための釣りもミニゲーム的に楽しむことができます。基本的には○ボタンを連打するだけのシンプルなものですが、獲物が大きくなってくると連打中にスティック操作やL1ボタンとR1ボタンの同時押しなどの操作も要求されるようになり、意外と燃えるミニゲームになっているのです。場所によって釣れる魚の種類は変化し、釣った魚はサイズも含めて記録されていきます。ゲーム進行上は必要ありませんが、釣りの楽しさにハマってしまうとついつい全種の魚を釣り上げたくなってしまうのです。

▲大物は要求される連打スピードも速く、下手をすると本編のボス戦よりも苦戦しますが、そのぶん釣り上げたときの達成感はかなりのものです

▲たまに魚でなくアイテムや敵などが釣れることもあり、レベルが低い序盤に高レベルの強敵が釣れてしまうと一気に全滅の危機に陥ります

ミニゲームとして遊ぶのは釣りだけですが、襲い来る獣たちから拠点を守る迎撃戦に獣たちの巣を襲撃する制圧戦といった特殊な戦闘、ほかにも各種料理のレシピ集めや各地を歩き回って地図を少しずつ埋めていくなど、寄り道要素、やり込み要素は豊富に用意されています。また、ゲームをクリアすることで、決められたレベルや装備でボスの撃破時間を競うタイムアタックや、敵のレベルが大幅に上昇した超高難度で周回プレイを楽しむことのできる“インフィニティモード”、2周目以降限定の隠しダンジョンなど、さらなるやり込み要素が開放されます。

『イースⅧ』はプレイの快適さもあって周回プレイを何度行っても楽しめてしまう作品ですから、2周目もノーマル難度にしてまったりと楽しむのもいいですし、それでは簡単すぎるという人はインフィニティモードでの高難度プレイに挑戦してみるのもいいでしょう。1週目からでも超鬼畜な最高難度“ナイトメア”で始めることはできるので、カジュアルに楽しみたい人だけでなく、どっぷりハードに挑みたい人でも十二分に楽しめる作品です。

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