黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 15

Column

レースゲーム進化論 ハングオンからリッジ、マリカー、GT最新作まで

レースゲーム進化論 ハングオンからリッジ、マリカー、GT最新作まで

CGのナムコ!面目躍如の「リッジレーサー」

ナムコ(現バンダイナムコ)レースゲームの代表といえば、『リッジレーサー』をおいて他にはないでしょう。『リッジレーサー』は現実寄りのリアルな挙動というより、ゲームとしての面白さを追求したことにより、簡単な独自の操作によるドリフトを可能にしたゲームです。実在する車は登場せず、オリジナルのレーシングカーのみが登場します。

『リッジレーサー』シリーズは1993年にアーケードゲーム『リッジレーサー』がシリーズ第1作目として登場したところからスタートしました。その翌年1994年12月3日にはプレイステーション本体と同時発売のローンチタイトルとして『リッジレーサー』(PS版)が発売されました。

当時のナムコは、日本で最初のCGスタジオ、JCGL(ジャパン・コンピューター・グラフィックス・ラボ)を吸収していて、CG技術に関して他社よりも優位性がありました。当時はまだ珍しかった3DCGのレースゲームでしたが、『リッジレーサー』の9か月前にメガドライブで発売された『バーチャレーシング』や、その3か月後にスーパーファミコンで発売された『ワイルドトラックス』などと比較された結果、『リッジレーサー』のグラフィックスがずば抜けていました。プレイステーションの高性能ぶりをよくアピールできている…言わばプレイステーションの顔とも言えるものとなり、プレイステーションの購入者がほぼ必ずセットで購入するソフトとして大ヒットに繋がりました。

その1年後の1995年12月3日には、『リッジレーサーレボリューション』が、アーケードからの移植ではなく、プレイステーションのオリジナル版として発売されました。新コースなどが増え、なんと当時画期的な通信対戦が可能になりました。

さらに1年後、1996年12月3日に『レイジレーサー』が、従来の枠を越えた、完全に家庭向けに制作された新作として発売されました。家庭用でしか出来ない新モードとして、今ではレースゲームお馴染みとなったグランプリモードが追加されました。グランプリを勝ち抜き賞金を稼いで車を購入したり、チューンナップしてより車を速くするといった、一人のレーサーになりきれる画期的な遊び方でした。また、『レイジレーサー』から架空の車メーカーといった概念が登場するようになりました。

その2年後、1998年12月3日には『R4 -RIDGE RACER TYPE4-』が発売されました。初代プレイステーションの中で4作目の「リッジレーサーシリーズ」となる本作では、グーローシェーディングという技術を採用しています。3DCGに光と色のシミュレートをすることで、同じハードでありながら過去3作品の『リッジレーサー』はもちろん、他のソフトと比較してもかなり美しいグラフィックを可能にしました。

『R4 -RIDGE RACER TYPE4-』にはおまけとして『リッジレーサーハイスペックVer. 』というゲームが付属しています。これは4年前に発売された『リッジレーサー』を30fps(秒間30コマ)から60fps(秒間60コマ)にパワーアップさせたものです。(その代わりに敵の車は1台になります。)比較用にオリジナル版も付属しているので、4年間の技術の進化がはっきりわかるようになっています。

ここまでの4作品が全て初代プレイステーションの作品になります。ここからPS2、PSP、Xbox360、PS3、3DS、PSVitaのローンチタイトルでそれぞれ『リッジレーサーV』、『リッジレーサーズ』、『リッジレーサー6』、『リッジレーサー7』、『リッジレーサー3D』、『リッジレーサー』が発売されています。

PSPの『リッジレーサーズ』からは新要素としてニトロシステムが搭載されました。ドリフト走行をすることでニトロゲージをチャージすることが可能になり、ゲージを使用して車の最高速度を一定時間あげられるようになりました。これによりレース中にニトロをいつ使うかなどの駆け引きが生まれ、より白熱したレースができるようになりました。

PSVitaの『リッジレーサー』のダウンロードコンテンツでは、『デイトナUSA』とのコラボによるホーネット号が使用できるようになりました。ほぼ当時のモデルのままの姿で、現代の美しくなった車と競い合う姿はかなりシュールですが、懐かしさを感じさせてくれるナムコ(現バンダイナムコ)とセガのコラボレーションという貴重なものになっています。

「リッジレーサー」シリーズのほとんどの作品は新ハードのローンチタイトルとしてリリースされています。これにより、新しいハードが発売される度に『リッジレーサー』をプレイすることでそのハードのだいたいの性能がわかるといった位置付けのソフトになりました。新作がリリースされる度に進化を続ける「リッジレーサー」シリーズには根強いファンも多く、常に新しいことにチャレンジしていく姿勢が人気の要因ではないでしょうか。

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