黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 15

Column

レースゲーム進化論 ハングオンからリッジ、マリカー、GT最新作まで

レースゲーム進化論 ハングオンからリッジ、マリカー、GT最新作まで

もはや実車!? 新作「グランツーリスモ SPORT」への期待

レースゲームについて書く上で、外せないのが「グランツーリスモ」シリーズです。今まで各章で紹介してきたレースゲームは、遊びやすいゲームとしての面白さを追求したものですが、「グランツーリスモ」シリーズは、車は元々操りやすくて面白いものだからリアルに近づければ近づけるほど面白くなるというコンセプトで、リアリティを徹底的に追求したドライビング・シミュレーションです。そのリアルな挙動は、自動車メーカーが自動運転AIの開発に利用したり、日産と提携して「グランツーリスモ」を極めた者を本物のプロレーサーにしようとするGTアカデミーという試みが行われるほどです。

今年の10月19日には家庭用レースゲームの金字塔、「グランツーリスモ」シリーズの新作、『グランツーリスモSPORT』が発売されます。本作は、「リアルだからこそ運転しやすい」と言う挙動シミュレーションを掲げており、今までの『グランツーリスモ』を超越した新しい試みも多く搭載されています。

特に注目したいのは、PSVRを使用することでプレイできる「VRドライブ」モードです。現在はまだ詳しくは明かされておりませんが、1対1のレースが可能とのことです。VRならではの憧れのレーシングカーに実際に乗っているのとまるで変わらない感覚でレースを楽しめると言うことで、通常のレースゲームにはない全く新しい体験になることが期待できます。

さらに今作ではFIA(国際自動車連盟)と提携し、本物のモータースポーツライセンス「FIAグランツーリスモ デジタル ライセンス」が取得できるようになります。初心者が運転やコースの走り方、レーシングエチケットなどを一から学べるモードも存在するので、『グランツーリスモ』を通じて車の初心者がライセンスを取得するという、今まででは考えられないチャレンジも可能になります。日本はまだこのプログラムに参加していませんが、いずれ参加できるようになることを期待したいですね。

『グランツーリスモSPORT』の目玉となる「スポーツモード」では、FIAとのパートナーシップにより開催される、「ネイションズカップ」と「マニュファクチャラーファンカップ」という大会に参加することができます。「ネイションズカップ」は、プレイヤーが国の代表として競い合い、国ごとのトップランカーが世界の三地区で行われる大会を勝ち抜いてワールドファイナルを目指すというものです。一方「マニュファクチャラー・ファン・カップ」は、自分の好きな自動車メーカーの代表として競い合い、メーカーごとのトップランカーはいきなりワールドファイナルに出場することができます。さらにワールドファイナルを勝ち抜いたプレイヤーは、FIAが開催する年間表彰セレモニーに招待されて、本物のレーサー達と同じ扱いで表彰を受けることができます。

もはやビデオゲームの枠を超えて、どんどん広がっていく『グランツーリスモSPORT』の世界に大きな期待をして、来るべき発売日10月19日を待ちたいと思います。

それではよい週末をお過ごしください。SeeYou

文 / 黒川文雄 イラスト / みかみ


著者プロフィール:黒川文雄(くろかわ・ふみお)

1960年、東京都生まれ。
音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。
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