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拳で愛を語れ!『喧嘩番長 乙女』が色んな意味で魅力的すぎ

拳で愛を語れ!『喧嘩番長 乙女』が色んな意味で魅力的すぎ

2016年5月にリリースされたPlayStation®Vita用の乙女ゲーム『喧嘩番長 乙女』。一見ミスマッチな『喧嘩番長』シリーズと乙女ゲームを見事に融合させて生まれた本作は、それぞれのファンに大きな衝撃を与えました。その後、2017年4月にはアニメが放送、2017年7月には待望のファンディスク『喧嘩番長 乙女~完全無欠のマイハニー~』が発売され、いまなお高い人気を誇っています。本稿では、男性目線でプレイして感じた本作品の魅力をご紹介。喧嘩を通して生まれる熱い友情と甘い恋愛は、ほかのゲームでは味わえないものでした。

文 / 辻良太郎


『喧嘩番長』の遺伝子を受け継ぐ乙女ゲーム

本作品は、ひょんなことからヤンキーだらけの男子校に通うこととなった女子高生・中山ひなこを主人公とした女性向けの恋愛アドベンチャー。男装して学校に通い、女性だとバレないように振る舞いながらイケメンヤンキーたちと交流を深める、という一風変わった乙女ゲームです。ここで、『喧嘩番長』というゲームをご存知の方は、シリーズ作品の名前を借りただけで中身は全くの別物だろう、と考えるかもしれません。従来の『喧嘩番長』といえば、ツッパリとなってトップを目指し、青春をひた走るツッパリライフアドベンチャーゲーム。登場キャラクターはコワモテ、リーゼントが当たり前で、主人公は喧嘩三昧。乙女ゲームとは無縁な要素ばかりですから、そう考えるのも無理のないことです。しかし、本作はしっかりと『喧嘩番長』の流れを汲んだ作品となっています。言葉で説明するよりも、まずはゲーム画面からご覧ください。

▲ピンク色の髪の学生が主人公のひなこ。女性でも『喧嘩番長』おなじみの“メンチビーム”を飛ばしてガチで喧嘩します

▲啖呵を切って相手を威圧。『喧嘩番長』のタンカバトルも受け継がれています

▲啖呵を切ったら喧嘩バトルに突入。喧嘩バトルはタイミングよくボタンを押すだけでアクション要素はなく、誰でも楽しめます

ご覧の通り、メンチビームやタンカバトルといった『喧嘩番長』らしさが随所に盛り込まれ、主人公のひなこも歴代主人公の例に漏れず、喧嘩に明け暮れる日々となります。なにしろ小・中学校時代から格闘技全般を修めてきたひなこの腕っ節は超一流。その拳と女子力でヤンキーたちの心を掴んでいきます。また、こういった表面的にわかりやすいシステム面以外に、ストーリーの雰囲気やテーマからも『喧嘩番長』らしさを感じられるのが本作。友情、青春といったシリーズ作品に織り込まれたキーワードに、甘い恋愛要素を加えたストーリーが本作独自の魅力となっています。

5人の個性派ヤンキーたち

本作で、攻略対象となるメインキャラクターは5人。もちろん、全員が喧嘩に強いヤンキーですが、乙女ゲームらしくイケメン揃い。やはりメインキャラクターのビジュアルは重要な部分なので、ひとりひとりご紹介していきます。

▲男性でも見惚れる美しさと凛々しさを備えた5人

まずは、箕輪斗々丸(みのわ ととまる / CV:KENN)。曲がったことが嫌いで正義感が強いヤンキーです。喧嘩でトップになるために獅子吼学園に入学しましたが、初日でひなこに完敗。それからはダチ(友達)として、トップを目指すひなこを身近で支えてくれる存在となります。実は成績優秀で、全国模試でも上位に入るほどの秀才というギャップもよし。

▲純粋で、感情表現もストレート。裏表がなくどこまでもまっすぐな、いいヤツです

金春貴之(こんぱる たかゆき / CV:蒼井翔太)は、ストイックにトレーニングに励む1年生最強ヤンキー。興味のないことにはトコトン無関心ですが、ある出来事をきっかけに拳で語り合ったひなこたちとダチになります。ひとたび心を開いた相手には面倒見がよく、頼もしい存在です。5人兄弟の長男であり、家族思いなところも魅力。

▲喧嘩の強い主人公を男性だと思っているため普通に接しています。女性が苦手という一面を持っています

孤高の雰囲気を漂わせる吉良麟太郎(きら りんたろう / CV:細谷佳正)は、ひとつ上の先輩。2年生では実質的にトップの地位に立っており、周りにも認められていますが、本人はそのことに興味ナシ。つねにクールな姿勢を崩さないですが、訳あって主人公のひなこに対しては特別な感情を抱いています。

▲一人暮らしのため、年齢よりもかなり大人びた性格。バイト姿も16歳とは思えないほどセクシー

未良子裕太(みらこ ゆうた / CV:柿原徹也)は、人気アイドルグループで活躍している先輩。吉良と並んで2年生のトップとされますが、こちらもトップの座には興味がなく、アイドルとしてファンの子たちに囲まれた生活をしています。女慣れしているだけに、ひなこの男装を見抜くような洞察力があり、事あるごとにひなこにちょっかいを仕掛けてきます。

▲一見すると軟派な性格に見えますが、その本心は……

最後に3年生の先輩となる鬼ヶ島鳳凰(おにがしま ほうおう / CV:前野智昭)。学園のトップに君臨するヤンキーであり、豪快で仁義に篤い、絵に描いたような漢。喧嘩の強さもズバ抜けており、入学してわずか1ヵ月で学園をまとめた伝説の人物です。

▲ひとりだけマンガの世界から飛び出してきたかのような、異常な強さの持ち主です

以上の5人がメインキャラクター。全員個性的ながら友情に篤く、喧嘩でも遊びでも一致団結。誰一人仲間を見捨てるようなヤツはおらず、男性目線で見ても気持ちのいい連中です。また、メインキャラクター同士の絡みにも注目。1年生コンビの斗々丸と金春、2年生コンビの吉良と未良子など、ひなこ以外の面々も熱い友情で結ばれており、未良子のピンチに吉良が駆けつけるといった胸が熱くなる展開も見逃せません。激アツ少年マンガの世界でもあります。

▲キャラクター同士の友情も本作品の魅力。アツい友情に男女の垣根はありません