LIVE SHUTTLE  vol. 186

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声優・小松未可子、歌声とバンドのパワーだけで20曲を完走!“Blooming Maps”ツアーファイナル濃密レポート

声優・小松未可子、歌声とバンドのパワーだけで20曲を完走!“Blooming Maps”ツアーファイナル濃密レポート

「小松未可子TOUR 2017 “Blooming Maps”」が、2017年8月12日(土)東京・恵比寿 LIQUIDROOMで行われた追加公演でファイナルを迎えた。実に3年ぶりとなる、声優・小松未可子のライブツアー。それは昨年、Q-MHzのプロデュースによって再出発した“アーティスト・小松未可子”の新しい姿――ツアータイトルになぞらえて言うならば“新しい地図”をファンと共に作り上げていく旅でもあった。その終着点が今回のツアーファイナル。彼女がたどり着いたのは、そしてこれから向かおうとしているのは、どんな場所なのだろうか。

取材・文 / 金子光晴 撮影 / 森 久


このライブについて語る前に、小松未可子のここまでの歩みを少し振り返っておきたい。

2012年でTVアニメ『モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)』でヒロイン・加藤茉莉香役を務め、同作品のイメージソングでアーティストとしてデビュー。その後も数々の作品に出演した彼女は、アーティストとしても実力を高く評価され、明るいキャラクターと機転の利くトークでも親しまれて人気声優となっていく。

2016年からはTOY’S FACTORYに所属して、Q-MHzの全面プロデュースを受けてアーティスト活動をリスタートさせる。ご存知の方も多いと思うが、Q-MHzは畑 亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)からなるプロデュースチーム。数え切れないほどの名曲を生み出してきたクリエイターたちによるいわばドリームチームで、これ以上ないほどの楽曲を得て“アーティスト・小松未可子”は新たな一歩を踏み出したわけである。

今年5月には3年ぶりとなるアルバム『Blooming Maps』をリリース。このアルバムももちろんQ-MHzが全楽曲を手掛けている。今回のツアーはこのアルバムを引っ提げて行われたものだ。

近年も単発のライブイベントは行っていたが、本格的なツアーは3年ぶり。つまりはそれだけの長い時間、ファンは彼女を待っていたわけだ。満を持して行われたツアーは東京から始まって名古屋・大阪と回り、この追加公演で東京へと帰ってきた。「Blooming Maps」という“地図”を手に、これまでとは違った装いで、でもやっぱりこれこそが小松未可子なんだなという姿で。

まずアルバムの1曲目でもある「また、はじまりの地図」でライブはスタート。まるでこのツアーのプロローグとして作られたかのような短めの楽曲で、「Blooming Maps」という地図のはじまりを演出する。

すると2曲目の「Imagine day, Imagine life!」で一気にエンジンがかかり、会場も待ってましたとばかりにヒートアップ。

この日の会場であるLIQUIDROOMはオールスタンディングのライブハウスで、会場内は立錐の余地もない大入り。2曲目にして早くも熱気に包まれている。そんな観客に対して、彼女はお立ち台に立って煽ったりしつつも、どこまでもケレン味なく、まっすぐに歌声をぶつけていく。

続く「エンジェルナンバー」は彼女が作詞として名を連ねた曲で、「Happy Birthday!!」というコールが定番となっている誕生日ソング。ツアーファイナルならではの仕上がったレスポンスで、ファンとの息もぴったりだ。ここで初めて「小松未可子です!」と短い挨拶が入るが、休む間もなく「Infinity Sky」、「純真エチュード」を熱唱する。

そして6曲目からは「ランダムメトロノーム」「硝子の地球儀」「ふれてよ」というスローテンポな曲で聴かせるゾーンへ。緩急をつけながら、かといって会場の熱を冷ますこともなく、自分の世界へと引き込んでいく。

次は「新曲やってもいいですか!?」と言って、「Maybe the next waltz」のカップリング曲「Tornado voice」を初披露。これがまたとんでもなくハイテンションな曲で、本人以上にバンドメンバーの上がりっぷりがすごい。観客の反応もばっちりで、これからライブの定番曲へと育っていくかもしれない。

10曲目「short hair EGOIST」は、Q-MHzの初のアルバムである「Q-MHz」に収録された楽曲。彼女はこの曲にゲストボーカルとして参加していて、いわばQ-MHzとの出会いの曲である。こうして一度、原点に立ち戻りながらも、再び「だから返事はいらない」「流れ星じゃないから」といったアルバムの曲を続けて歌っていった。

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