2017年 第74回ヴェネチア国際映画祭レポート  vol. 1

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アレクサンダー・ペイン×マット・デイモン主演の『ダウンサイジング』でヴェネチア開幕!

アレクサンダー・ペイン×マット・デイモン主演の『ダウンサイジング』でヴェネチア開幕!
フランスのカンヌ、ドイツのベルリンと並ぶ世界三大映画祭の1つ『ヴェネチア国際映画祭』が開幕。最優秀賞の「金獅子賞」を競うコンペティション部門21作品の中に、日本からは是枝裕和監督の「三度目の殺人」がノミネートされていたり、クロージング作品として北野武監督の最新作「アウトレイジ最終章」が上映されたりと日本作品の話題も多い。そんなヴェネチア国際映画祭の現地レポートを随時お伝えしていきます。

取材・文 / 立田敦子


第74回目を迎えたヴェネチア国際映画際(8/30(水)~9/9(土))が開幕しました!

オープニング作品は、『サイドウェイ』(04年)、『ファミリー・ツリー』(12年)で2度アカデミー賞脚色賞を受賞しているアレキサンダー・ペイン監督の『ダウンサイジング』(原題)。 限りある資源を節約するために、ミニチュアサイズの大きさに“ダウンサイジング”して生きることが可能になった近未来。そこに理想郷を見出した主人公のポールの幸せ探しの旅を描くコメディ。ペインと長年にわたる相棒である脚本家のジム・テイラーが『サイドウェイ』の後に2年半かけて書いた脚本が10年の時を経て映画化されたまさにドリーム・プロジェクト。

Red Carpet – Downsizing – Matt Damon © La Biennale di Venezia – foto ASAC (1)

Photocall – Downsizing – Matt Damon – Kristen Wiig – Hong Chau – Alexander Payne © La Biennale di Venezia – foto ASAC

開会セレモニーのレッドカーペットには、ペイン監督、脚本家のジム・テイラー、主演のマット・デイモン、妻役のクリステン・ウィグ、ヒロイン役に抜擢されたホン・チャウらが登場した。

Red Carpet – Downsizing – Alberto Barbera – Venezia 74 Jury © La Biennale di Venezia – foto ASAC

今年のコンペ部門は、21作品。このペイン監督をはじめ、『レスラー』でヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞しているダーレン・アロノフスキーやハリウッドで活躍するメキシコの巨匠ギレルモ・デル・トロ、監督としても実力を高く評価されているジョージ・クルーニー、『アデル、ブルーは熱い色』(13年)でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞しているアブデラティフ・ケシシュなどのビックネームが並ぶ一方、初監督作品でコンペにピックアップされたグザヴィエ・ルグランをはじめとする三大映画祭のコンペには初参加となるフレッシュな監督も。 加えて、ドキュメンタリーの巨匠フレデリック・ワイズマンや難民問題をテーマにしたドキュメンタリーで、映画祭に初登場となる現代アーティスト、アイ・ウェイウェイなど多彩な顔ぶれに期待感が高まります。

Left to right: Julianne Moore as Margaret and Matt Damon as Gardner in SUBURBICON, from Paramount Pictures and Black Bear Pictures.

日本からは、是枝裕和監督の『三度目の殺人』がコンペに選出されています。デビュー作『幻の光』で金のオゼッラ賞(脚本賞)を受賞して以来、22年ぶりのヴェネチア映画祭となる是枝監督。福山雅治主演、役所広司、広瀬すず共演のある裁判をめぐる心理サスペンスは、ヴェネチア受けしそうな題材だけに受賞の可能性も少なくありません。

Photocall – Juries – Rebecca Hall – Annette Bening – Anna Mouglalis – Jasmine Trinca © La Biennale di Venezia – foto ASAC (1)

審査員は、レベッカ・ホール(英)、アナ・ムグラリス(仏)、ジャスミン・トリンカ(伊)の女優陣に、ミッシェル・フランコ(メキシコ)、エドガー・ライト(英)、ヨン・ファン(台湾)、イルディゴ・エンエディ(ハンガリー)の監督陣、そしてオーストラリアの評論家、デヴィット・ストラートンの8人に審査員長のアネット・ベニング。11年ぶりの女性審査員長としても話題ですが、この審査員団がこのバラエティ豊かな作品群をどう評価するのか楽しみです。

© La Biennale di Venezia – foto ASAC

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