特集"シド ニューアルバム『NOMAD』リリース記念企画"  vol. 1

Interview

シド ソロインタビュー① 明希〜3年半ぶりに吹いたバンドの風〜

シド ソロインタビュー① 明希〜3年半ぶりに吹いたバンドの風〜

オリジナルアルバムとしては、前作『OUTSIDER』からじつに3年6ヶ月ぶり。シドのメジャー5枚目のアルバム『NOMAD』完成を記念して、[シド特集]を敢行。本日からデイリー更新でメンバー1人ずつのソロインタビューでニューアルバムを紐解いていき、最終日には4人が楽しく打ち上がったわくわくインタビューも掲載!! まず初日は、シドが稼働していない間、“AKi”名義でソロとして音楽活動を続けていたベースの明希が登場。アルバム『NOMAD』の大半の曲を書いたコンポーザー明希の視点から、本作、現在のシドを分析してもらおう

取材・文 / 東條祥恵 撮影 / 今元秀明


ある種今までのシドっていうのを振り切って、新しく1枚作れたかなって

『NOMAD』完成、おめでとうございます。明希さんの手応えから聞かせてもらえますか?

何回も何回も聴きたくなってしまうアルバムかなって思いましたね。実際に車でずーっと聴いてたりするし。いろんなことが思うようにいって。だから、そういうところではある種今までのシドっていうのを振り切って、新しく1枚作れたかなっていうのは感じますね。

ではさっそくアルバム収録曲について伺っていきます。まずオープニングナンバーの「NOMAD」。これはアルバムの1曲目を想定して書かれたんですか?

ううん。そういうわけではなくて、出来た曲の中のひとつ。出来たとき、自分の中では核になる楽曲になりそうだな、パワーあるなあっていうのが作ったときの手応えでしたね。

どんなところで核になる楽曲だと確信しました?

まずは、1回聴いて入ってくるメロディのシンプルさ。あとは、バンドのテンション感がずっと変わらないあのコード展開とかアレンジ。表面的には聴かせる曲なんだけど、じつはライブ向きな曲なんじゃないかなあっていうのはすごい思いましたね。

あー、ライブのど頭とかにも使えそうですもんね。だからアルバムでも1曲目に?

自分では1曲目っていう想像はしてなかったですね。それで、曲が出揃ったときに「これ1曲目だったらいいよね」っていうふうにみんなでなっていきました。

ハードロックにストリングスっていう、80〜90年代のあの王道の感じが好きなんですよ

この曲のテーマとなっているストリングスとギターがユニゾンで奏でているフレーズがあるじゃないですか? あれが、今回のアルバムに冒頭からシドが再び動き出すぞという強い意思、生命力を発していっている気がしました。

ああー。強さにはなるかもしれません。あれはもともとデモテープからあったアイディアなんですよ。

明希さんってこういう風にストリングスとギターのフレーズをユニゾンさせて入れるアレンジ、好きですよね?

好きですね(微笑)。ハードロック好きなので。ハードロックにストリングスっていう、80〜90年代のあの王道の感じが好きなんですよ。

続く「XYZ」はかなりアッパーのロックチューンでした。

そうですね。地元のライブハウスでかかってるイメージで。10〜20代の頃、俺の地元のライブハウスではこういうハードロックばっかかかってたんで。

ああー。だから曲調もちょっと懐かしい感じなんですね?

ちょっとどころじゃなくて、超懐かしくないですか? もう、ザ・ハードロックしてて。

うん。昔の匂いがします(微笑)。そういうものが溢れ出てきちゃったんですか?

出てきたっていうか、なんかこう……うん、「俺はこうだな」……っていう感じ?

「ルーツはここだな」っていう。

そう。「これが好きだよね、俺は」、「俺といえばこうでしょ」みたいな感じの曲だよね。

じゃあこれに対して4曲目の「スノウ」。このおしゃれソウル感。こういう曲調の要素も明希さんのルーツにはあるということ?

ううん。「作れ」って言われたから作った(笑)。

あははは!(笑)

嘘だけど(笑)。これはジャズでもなくフュージョンでもなく、ちょっとなんかシャッフルのスウィングするのでもなく、みたいなのを想像して作った。俺、本当にロックばっか聴いてたからあんまりこういう引き出しないんだけど。さっき言ったキーワードを想像しながら作ったら「スノウ」みたいな曲が出来たっていう。「ジャズとかフュージョンとかってよくわかんねぇけどこんな感じなんじゃね?」っていうのをロック好きの人が作る。そういうジャンルの曲かな。

ははは。なのに、メチャクチャいいんですけど、この曲(笑)。

いいッスよね? なんか、マオくんがとってもメロディを気に入ってくれたみたいで。

「こういう曲は隙間だろ?」みたいな(笑)。なんつーの? 肌触り。それだけなんですよ

よく作れますよね? こんな感じ? ぐらいのニュアンスだけで。

そこは、ほら「こういう曲は隙間だろ?」みたいな(笑)。なんつーの? 肌触り。それだけなんですよ。深く知らないんです、こういうジャンル。知ろうとも思ってないし。「なんとなくこうじゃない?」って。例えて言うと、洋服でも、別にスタイリストじゃないけど「ドレッシーな服ね」って言われたら「こうコーディネートするよな」っていうのが想像できるじゃない? それと同じ。「フュージョン、ジャズとか、そういうのってこんな感じだろ?」みたいな。だから、メロディはすげえ歌謡ですよ、これ。

そこ、サウンドがオシャレすぎて全然気づかなかった!!

超王道コードにメロディが乗ってるだけだから。それを隙間を生かしたアレンジにどんどんしてって、そうするとメロディも隙間だらけになって、「隙間にじゃあこんなピアノ入れとく?」みたいな。「半音で動いてく“トゥルルルル”っていうジャズのランニングコードみたいなの入れとく?」みたいな(微笑)。そんな感じで作りました。

面白いなー。「ミルク」なんかもそういう風に作っていったんですか?

「ミルク」はメロディから先でしたね、完全に。あれは風景だった。ヨーロッパかどっかに連れてってもらって。歩いてるときに「なんかこんなメロディ聞こえてきたらいいなあ」「こんな曲が流れてきたらいいなあ」と思いながら歩いてて。10年ぐらい前かな? それで出来た曲。「ミルク」はね。

コンポーザーとして、明希さんは自分の中からメロディやコードが生まれてきて作る曲もあれば、「スノウ」みたいに曲調に対してのキーワードが先にあって。それをイメージしながら曲を作ることも出来るということ?

そう。「スノウ」のキーワードも、「こういう感じの曲があったらいいね」って誰かが言ったんだよね。それで「じゃあ俺も作ってみよう」と思って、作ってみたらみんなが「いい」って言ってくれて通った(笑)。

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