特集"シド ニューアルバム『NOMAD』リリース記念企画"  vol. 3

Interview

シド ソロインタビュー③ Shinji~ギタリストとしてのやりがい~

シド ソロインタビュー③ Shinji~ギタリストとしてのやりがい~

先日、オリジナルアルバムとしては前作『OUTSIDER』から3年6ヵ月ぶりとなる新作『NOMAD』をドロップしたシド。発売日からデイリー更新を続けているこちらの[シド特集]。本日、ソロインタビューの3人目として登場してくれるのはギターのShinjiだ。シドとしての活動がなかった期間は、1人でスタジオに入って、ひたすらギタリストとしての自分を磨いていたというShinji。彼が、満を持して『NOMAD』で放ったテクニカルなフュージョンサウンド「KILL TIME」の制作秘話を中心に、ギタリストの側面からこのアルバムを語る。

取材・文 / 東條祥恵 撮影 / 今元秀明


やっぱギター入ってる曲、ギターがグイグイくる曲が好きなんで

まず、アルバムが完成してみての手応えから聞かせてください。

わりとギターもけっこう大活躍な感じの曲が多かったんで、やっぱりやり甲斐ありましたよ。どんな曲でも良ければいいじゃないっていうほうなんですけど、やっぱギター入ってる曲、ギターがグイグイくる曲が好きなんで。今回は楽しい曲ばっかでしたね。

アルバム聴いてて改めて思いましたもん。いろんなギター弾けるんだなって。

いやー、いろんなギター弾けないとダメですもん。シドは。シドに入る前なんかはホント「ハードロックしかやんない」とか、そういう感じだったんで。だから、入って最初の頃はいろんな曲がくるたびに「うわー、こんなコードわかんない」とかけっこうあったんですよ。でも、それじゃあもうついていけないんで、すっごいやっぱ――あんまり勉強は好きじゃないですけど、難しいコードとか本買って学んだりとかはしましたよね。

勉強したんですか?

うん。やっぱり学ばないとわからない楽曲とか、シドは多いんで。そうしないと、なかなか出来ないですよ。

今回のアルバムのなかでも、ギタリストとして苦戦した楽曲ってありました?

そうですねえ……なんかやっぱり自分の苦手なものってずっと一緒なんですよね。

どういうものが苦手なんですか?

どちらかというと僕、16分ノリのほうが得意なんですよね。8分ノリのミディアムとか、そういうのって、いまだに一番難しいなと思ってて。今回でいうと「躾」とか。あの辺がやっぱギター的には一番難しかったですね。16分だったら細かいからわりとごまかしがきくんですけど。8分ってキッチリしてないとダメだし。かといってただキッチリしててもロックじゃないというか、つまんなくなっちゃったりするんで。「ノリ」がすっごい大事なんですね。それが一番難しいんですよ。何ていうんですか、言葉では言い表せないんですが。「グルーヴを出す」っていうのはホント難しくて。まあ今後の課題ですね。やっぱ8分ノリをもっと鍛えていきたい。

やっぱギターソロとかって、わりとメンバーからもダメ出しが出たりとかするんですよ

その反面、「スノウ」であったり「KILL TIME」は楽しんでできたんじゃないですか?

そうですね。意外とね、サラッとやれましたよ。まあでも難しいっちゃ難しいですけど。「スノウ」も覚えるまでは大変ですけど。コード展開が難しいんで。

そうなんですか?

はい。これはメチャクチャ難しいです。めまぐるしく変わるんですよ。1小節の中にコードが3回変わったりとか……あ、コードは変わってないか。押さえるところが変わるんですよ。1小節の中で。それが、ローポジションで弾くんだったらまだいいけど、ハイポジションで展開が多いとけっこう難しいんですよ。もう、1度置いていかれたら終わり、みたいな感じになるので。なので、こういうものは覚えるしかないんですよ。覚えちゃえばけっこうノリでいけるんで。

その結果、「スノウ」はオシャレに仕上がりましたね。

オシャレですね。この曲はね、ギターソロが苦労しました。なんてことはないかもしれないんですけど、やっぱギターソロとかって、わりとメンバーからもダメ出しが出たりとかするんですよ。

そうなんですか!?

はい。1曲の中でけっこう大事なポイントだと思うんで。だから、ちょっと雰囲気が違ってたりすると、けっこう作者が言ってきたりとかするんですね。それで二転三転したのが「スノウ」ですね。「もう1回」みたいなのが3回ぐらいあったのかな?

それは多いほうですか?

多いですね。なんでそうなったかっていうと「漂ってる感じ」みたいな作者のオーダーだったんですよ。作者じゃなく他のメンバーからも言われたんですけど。「どういうの? それ」って。

ニュアンスですもんね(笑)。

うん(笑)。それって弾き方のニュアンスもあると思うんですよ。「ちょっとヌルヌルッと弾いた感じ」っていうのかな。自分の手癖だと、どうしてもスタッカート気味に演奏しちゃうことが僕は多いんで。けっこうHOTEI育ちだったりするんで(笑)。

布袋(寅泰)さんリスペクトですもんね。

だからいつも歯切れのいいソロになっちゃったりするんですよ。でも「そうじゃないんだろうな」っていうところで、「漂ってる感じってどんな感じだ?」って。夜なべしました(笑)。

「低温」とかはどうだったんですか? アルバムの中でもかなりエレクトロな音像感でしたけど。

これは、始めにゆうやからデモをもらったときには気付かなかったんですけど、ギターがシンセみたいな感じに鳴ってて。実はずーっと終始後ろで鳴ってるシャカシャカシャカーみたいな音はギターの音なんですね。それが面白いなと思って。

狂って演奏したかったから、狂って入り込んで弾いてると、尺がまったくわかんなくなっちゃって

あの音はシンセじゃなくて、ギターの音なんですか?

そう。ギター弾きでも最初気付かなかったぐらいだから、こうやってインタビューとかで説明しとかないと、誰もわかんないだろうなあと思って。あれはコンピューターのプラグインみたいなのを使って出してるんです。

この曲はそういうギターの音像、音響の部分にぜひ注目して聴いてもらいたいですね。

そうですね。ギターソロとかもすごい適当なことやってるんですけど、これはすげぇ時間かかったんですよ。すっごくここでは狂いたかったんですね。狂って演奏したかったから、狂って入り込んで弾いてると、尺がまったくわかんなくなっちゃって。こっちはまだ弾いてるのに「もう曲終わってるよ?」みたいになっちゃって(笑)。なかなか着地が難しかったです。

その「狂って演奏したかった」というイメージはどこから出てきたんですか?

デモの時点で打ち込みか何かでギターが入ってたんですけど。それがすごい狂った感じだったんですよ。それをもっと生々しく狂った感じにしたかったんですよね。で、頭の中でリズムを数えちゃうと予定通りになっちゃう。それがすごいイヤだったので、ホントにそこは考えずに、何回もビュンビュンビュンビュンやってたら、ここ(弦を押さえる指)が赤くなりました。ギュンギュンやり過ぎて(笑)。

ライブでもこの曲はそういう狂ったShinjiさんを見てみたい気もしますけど(微笑)。

それで、もしかしたらライブでも着地がわかんなくなって(笑)。

1人だけはみ出しちゃって(笑)。

ま、それはそれでライブバージョンとしてね。

新しいバージョンが生まれるかもしれないですしね。

そうですね。

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