LIVE SHUTTLE  vol. 188

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REBECCA 28年ぶりのツアー・ファイナル。まさにリユニオンの理想と称すべきステージ。“ファンが聴きたい楽曲”と“2017年のREBECCA”を披露

REBECCA 28年ぶりのツアー・ファイナル。まさにリユニオンの理想と称すべきステージ。“ファンが聴きたい楽曲”と“2017年のREBECCA”を披露

『REBECCA LIVE TOUR 2017』
2017年9月1日 日本武道館

REBECCAのライブツアー「REBECCA LIVE TOUR 2017」のファイナル公演が9月1日、東京・日本武道館で開催された。2015年に再結成を果たしたREBECCAがライブツアーを行うのは、「BLOND SAURUSの逆襲」ツアー(1989年11月〜1990年1月)以来、約28年ぶり。7月25日の大阪・フェスティバルホール公演を皮切りにスタートした本ツアーは5会場・9公演で行われ、各地のファンを熱狂させた。この日の日本武道館も当然、超満員(ステージ裏にあたる北ブロック以外は、ぎっしり埋まっていた)のオーディエンスが“2017年のREBECCA”を体感した。

18時30分を少し過ぎた頃、NOKKO(Vo)、土橋安騎夫(Key)、高橋教之(B)、小田原豊(Dr)のメンバー4人、サポートメンバーの中島オバヲ(Per)、是永巧一(G)、真藤敬利(Key)がステージに登場。“R”の文字が赤く染まるなか、ライブは「MOTOR DRIVE」からスタート。ゴージャズでダイナミックなバンドサウンド、そして、繊細な表情と大胆な佇まいを共存させたNOKKOのボーカル。楽曲が始まって数十秒の時点で、現在のREBECCAが完璧にチューンナップされていることが伝わってきて、いきなり感動してしまう。続く「76th Star」では会場全体をミラーボールの光が包み込み、ロマンティックな雰囲気が広がる。全身ゴールドの衣装でステップを踏むNOKKOのパフォーマンスから目が離せない。

「どうもありがとう! 2017年のREBECCAです! 28年ぶりのツアーを回って、今日、最後の日を迎えることができました。今日、ここでみなさんに会えてとっても嬉しいです。ほんとに嬉しいです」「残り少ない夏のなかで愛し合おうじゃないか。…何を言ってるんだ(笑)」(NOKKO)というMCの後も「LONELY BUTTERFLY」、2015年の再結成ライブでは演奏されなかった「LONDON BOY」などの人気曲を次々と披露する。パワー感と華やかさを同時に響かせる小田原のドラム、キャッチ—なフレーズを未来的な音色で奏でる土橋のシンセ、タイトなピッキングで楽曲のボトムをしっかりと支える高橋のベース。ライブが進むにつれて“REBECCAサウンド”としか言いようがない音像が広がっていく。もちろん懐かしさもあるが、このバンドの音楽性は2017年においてもきわめて鮮烈だ。

筆者がREBECCAを知ったのは、1985年にリリースされた3rdシングル「ラヴ イズ Cash」のタイミング。岡山の高校生だった筆者は海外のニューウェイブ、ネオアコなどを聴きまくっていて「日本のバンドなんて…」というタイプの嫌味なガキだったわけだが、「ラブ イズ Cash」の煌びやかなポップネスには一発で惹きつけられてしまった。同時代の洋楽ともリンクした現代的なサウンドもめちゃくちゃ新鮮だったが、その魅力の中心はやはりボーカリストのNOKKOだった。ロックシンガーとしての強さ、10代の少女特有の危うさを同時に感じさせる存在感、そして、キレのいいダンスと圧倒的な歌の上手さ。ロックとポップの垣根を超えたNOKKOの登場は、その後の日本の音楽シーンを大きく変えたといっても過言ではないだろう。

それから30年以上の月日が経ち、筆者は初めてREBECCAのライブを観る機会に恵まれたわけだが、この日のNOKKOのボーカルも本当に素晴らしかった。特に心に残ったのはムービング・ライトを使った演出も印象的だった「MOON」、「会場の廊下に義援金の箱を用意させてもらってるので、気付いた方はご協力お願いします」というMCの後で披露された「Maybe Tomorrow」などのバラード系のナンバー。ひとつひとつの歌詞をリスナーに手渡し、豊かな奥行きを持つメロディを大らかに響かせる歌はまちがいなく、今回のツアーの大きなハイライトだったと思う。

ライブ中のMCも印象的だった。NOKKOは今回のツアーを振り返りながら「短いと言えば短いツアーだったんですが、28年ぶりの人々にとっては果てしない道のりだったんですよ」「目の前でみるみる若返っていくお客さんから本当に勇気をいただきました」「勇気をもって行こうじゃないかと思いました」とコメント。さらに高橋は「武道館に初めて来たのは1975年4月、高校1年のときでした。クイーンを観に来たんだけど、なんて広いところなんだろうと思って。その後にグランド・ファンク・レイルロードを観に来て“俺もここでやってみたいな”と思って。それから時を経て、このメンバーで30年近く前にやることができて、また昨日今日とやることができて。ファンのみなさんのおかげです」と感謝の気持ちを表明。土橋は「武道館でやるのは約27年半ぶりなんですね。なんでこんなことを言うかというと、初日に大阪でやったとき、NOKKOから『前にフェスティバルホールで演ったのいつだっけ?』と質問されまして、これは調べておかなきゃと思って調べたんですけど、それ以降NOKKOが言わなくなって…」というエピソードで会場を和ませる。そして小田原は「みんなで新幹線に乗って大阪に行ったんだけど、車中がすごく楽しくて。楽屋もすごく楽しいんです、冗談言い合って。NOKKOの笑顔、ノリさんの笑顔、コレちゃん(是永巧一)、(中島)オバヲさん、土橋さん、みんなの笑顔を見ていると本当に幸せになります。それとここに集まってくれたお客さんの笑顔、本当に幸せになります。ありがとうございます」と感謝を伝えた。

今回のツアーのもうひとつの目玉は、新曲「恋に堕ちたら」(11月1日リリース)が演奏されたこと。心地よい高揚感に溢れたサウンドと色彩豊かなメロディがひとつになったこの曲は、まさに最新版のREBECCAそのものだった。そして「OLIVE」からライブはクライマックスへ向かう。圧巻は「プライベイト・ヒロイン」。疾走感に貫かれたバンド・グルーヴ、起伏に富んだメロディに乗って踊りまくるNOKKOの姿に、満員のオーディエンスが大歓声で応える。このロックチューンはファンの間で“伝説”とされていた1986年11月の早生大学シークレットライブでも披露されたナンバー。この映像は7月に発売されたライブDVD2『REBECCA LIVE ‘85-‘86 -Maybe Tomorrow & Secret Gig Complete Edition-』に完全収録されているので、ぜひチェックしてほしい(当時、テレビ(たぶん『ミュージックトマトJAPAN』)でこの映像を観た筆者は“やっぱり何が何でも東京に行かねば”と決意しました/笑)。

本編ラストは会場の照明をつけた状態で披露された「ラブ イズ Cash」。アンコールではエレクトロ・ファンク的なテイストを取り入れた「HOT SPICE」、初期の名曲「ヴァージニティー」、そして名曲「RASPBERRY DREAM」。NOKKOが客席にマイクを向けると、会場全体が震えるような大合唱が生まれた。ファンが聴きたい楽曲を(当時のイメージをしっかり保ったまま)“2017年のREBECCA”として表現する、まさにリユニオンの理想と称すべきステージだったと思う。活動の継続を切に願う。

文 / 森朋之 撮影 / HAJIME KAMIIISAKA

『REBECCA LIVE TOUR 2017』
2017年9月1日 日本武道館
セットリスト

1. MOTOR DRIVE
2. 76th Star
3. LONELY BUTTERFLY
4. London Boy
5. Cotton Time
6. CHEAP HIPPIES
7. MOON
8. フレンズ
9. Maybe Tomorrow
10. 光と影の誘惑
11. 恋に堕ちたら(新曲)
12. MONOTONE BOY
13. 真夏の雨
14. OLIVE
15. プライベイト・ヒロイン
16. ラブ イズ Cash アンコール
17. Hot Spice
18. ヴァージニティー
19. RASPBERRY DREAM

REBECCA

NOKKO (Vocal)、土橋安騎夫 (Keyboards)、高橋教之 (Bass)、小田原豊 (Drums)。
1984年メジャーデビュー。紅一点ヴォーカルNOKKOのキュートでパワフルなヴォーカルやファッションが話題を呼び大ブレイク。4枚目のシングル「フレンズ」が大ヒット。アルバムもミリオンヒットに。
人気絶頂の中、91年突然の解散。解散までにアルバム11枚をリリースし、計700万枚を売り上げた。
1995年、阪神淡路大震災の復興のため5月26日、28日 2日間限りのライブを横浜アリーナで行う。
2015年、デビュー日である4月21日に、20年振りの再結成ライブ「Yesterday, Today, Maybe Tomorrow」を電撃発表。豊洲PIT[7月28日※Preview Live]、横浜アリーナ[8月12日,13日]、さいたまスーパーアリーナ[11月29日※追加公演]で開催し、全公演完売。夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」、「RISING SUN ROCK FESTIVAL」にも出演し、大きな話題となった。
ファンを公言するアーティストも多く、現在も多数のフォロワーを生み続けている。

オフィシャルサイトhttp://rebecca0421.com/

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