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『ファイナルファンタジーXII TZA』絶対プレイすべき3つの魅力

『ファイナルファンタジーXII TZA』絶対プレイすべき3つの魅力

2006年3月の『ファイナルファンタジーXII』(以下、『FFXII』)発売から11年、ハードをPlayStation®2からPlayStation®4に移し、システム面でもグラフィックなどの表現面でも新たに生まれ変わった『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』(以下、『FFXII TZA』)が発売された。本稿では未体験のプレイヤーはもちろん、当時『FFXII』を楽しんだ人でも新たな体験を楽しむことのできる『FFXII TZA』の魅力を2回に分けて追及していく。第1回目は、『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』)シリーズのなかでも異彩を放つ本作のバトルシステム、そしてその魅力を120%引き出す要因になっている4倍速モードを中心としたプレイ環境に着目していく。 

文 / 村田征二朗(SPB15) 


1. コマンド式であってコマンド式でないRPG 

作品ごとに異なる戦闘システムを取り入れた挑戦を重ね続けている『FF』シリーズ。『FFXII』では、システムの独特さは『FF』シリーズだけでなく、全RPG作品の中でも異彩を放っています。

本作の戦闘はターン制で敵と味方が交互に行動するのではなく、アクションを行うのに必要なゲージが溜まったキャラクターから行動していく、『FF』シリーズ伝統のアクティブタイムバトルの要素を含んだコマンドバトルです。アクティブ ディメンションバトルと言い、時間と空間の概念を追加した新たなバトルシステムを採用しています。このバトルシステムがほかの作品と特に違うのは、コマンド選択を含めた戦闘の一切を自動化できるという点です。

自動化と言っても単純に通常攻撃をくり返すだけではなく、“ガンビット”というアクションの対象と内容を組み合わせた簡易プログラムのようなシステムを使うことで、状況に応じたアクションを行わせることができます。このガンビットこそが『FFXII』の醍醐味であり、本作の戦闘を独特のものにしている要です。

▲行動対象と内容を設定するのは複雑そうですが、意外に簡単です

対象を設定する“ターゲット”の項目は、“一番近くの敵”、“HP≧70%の敵”、“「戦闘不能」の仲間”、“もし「くらやみ」なら”などなど、単純に敵の状況に合わせて攻撃するものから味方、自分のHP状況や状態異常を条件としてフォローするものまで種類が豊富で、これらと通常攻撃や魔法、アイテム使用などのアクションを組み合わせることで、戦闘を自動化しつつもその動きかたを細かく設定することができるのです。こちらは実例を挙げて説明したほうがわかりやすいので、ここで試しに筆者のガンビットをご覧ください。

▲味方への行動は青、敵への行動は赤で示され、上に来ている行動ほど優先度が高くなります。なお、設定できるガンビットの数は後述する“ライセンスポイント”を消費して増やすことができます

この設定の場合、味方が猛毒状態になれば一番上に設定してある“「猛毒」の味方に毒消し”が起動して猛毒状態を回復し、つぎにHPが50%以下になっている味方がいればポーションを使ってHP回復を、味方が猛毒状態になっておらずHPも50%より高い場合は攻撃に移ります。そして、自分がくらやみの状態異常を受けている場合は“暗闇殺法”という、くらやみ状態のときだけ発動できる技を使用し、そうでない場合は一番HPが低い敵に通常攻撃を行います。文章にするとちょっとややこしくなりますが、基本的には通常攻撃を行い、状態異常やHPの低下によって、それぞれに対応したアクションを取る、と考えれば、ガンビットを組むことはそこまで難しくありません。

▲ガンビットの数を増やしたりターゲットの種類を増やしたりしていけば、より細かいアクションの設定が可能となります

ガンビットのターゲットは最初から全種類が設定できるわけではなく、商人から購入することで新しいターゲットを設定できるようになっています。ターゲットを買ったからといってキャラクターが強くなるわけではありませんが、より柔軟な対応が可能となるため、レベルアップや武具の購入によるキャラクターの強化とはまた違った成長要素として楽しむことができます。

敵や状況に合わせたガンビットの組み合わせを考えるのが楽しく、それが実際に強敵との戦いでうまく動作したときの快感は本作ならではの体験です。しかしそれ以上にガンビットのメリットは、ダンジョン探索や町から町への移動を非常にお手軽なものにしてくれる点にあります。マップが広ければ広いほど、探索中の戦闘が億劫になりがちなものですが、ガンビットを起動していれば極端な話、コントローラーに触らなくても自動で敵と戦ってくれるのです。プレイヤーは左スティックを使って移動するだけでよく、かなりサクサクと探索を進めることができます。

▲ガンビットによる自動戦闘中でも自分でコマンドを入力することはできるので、攻撃は自動、状態異常回復は手動、といった進めかたもできます

本作はいわゆるランダムエンカウントやシンボルエンカウントによって移動から戦闘へと切り替わるのではなく、マップ上に見えている敵とシームレスに戦闘を始めることができ、逆に戦闘中であっても敵から自由に逃げていくことも可能です。シームレスに発生する戦闘とガンビットによる自動戦闘も相性が良く、マップを歩き回っていれば勝手に敵を倒していくため、RPGでは定番でありながらも作業になりがちなレベル上げもかなり楽に行うことができてしまいます。

ガンビットはオンとオフを切り替えることもできるため、従来のコマンドバトルのようにすべての行動を手動で選択することもできますが、敵の弱点や行動に合わせてガンビットによる戦略を練る楽しさはぜひ体験してほしいところです。