LIVE SHUTTLE  vol. 195

Report

BUMP OF CHICKENツアーがスタート! 探検者、開拓者を意味するツアータイトル通り、バンドの本質を浮き彫りにしたステージは、2018年2月まで続く

BUMP OF CHICKENツアーがスタート! 探検者、開拓者を意味するツアータイトル通り、バンドの本質を浮き彫りにしたステージは、2018年2月まで続く

BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER
2017年9月16日 幕張メッセ国際展示場1~3ホール

BUMP OF CHICKENの全国ツアー「BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER」が9月16日(土)、幕張メッセ国際展示場1〜3ホールでスタートした。9月から来年2月にかけて全29公演、約30万人を動員する今回のツアー。その出発地点となるこの日のライブでメンバーの4人(藤原基央/V&G、増川弘明/G、直井由文/Ba、升秀夫/Dr)は、探検者、開拓者を意味するツアータイトル通り、自らの表現をさらに深く追求し、これからバンドが進む道を体現してみせた。

今回のツアーの最大の特徴は、21年のキャリアのなかで発表してきたディスコグラフィから満遍なく選曲されていることだろう。しかもヒットソングやシングルに偏るのではなく、いわゆる“隠れた名曲”だったり、これまであまりライブで演奏されなかった楽曲を含めながら、ライブ全体を通して壮大な物語を描き出すような構成になっているのだ。BUMP OF CHICKENには神話的、童話的な世界観の曲もあれば、日常的な風景を切り取った楽曲もあるが、その根底にあるのは“君(たち)と僕(たち)”という切実な関係性、そして、与えられた命をしっかりと完うしたいという意思。楽曲が重ねられるたびにBUMP OF CHICKENというバンドの本質が浮き彫りになるようなステージはまさに圧巻だった。ライブ中のMCで直井は、「今回は昔の曲もけっこうやっていて。“何?この曲?”という曲もあるかもしれないけど、まわりの人に合わせて盛り上がって(笑)」と言っていたが、イントロが始まるたびに「おお!」という歓声——驚きと感激が入り混じった——が上がっていたのも印象的だった。ライブ後、SNS上では「とにかくセトリが最高」「好きな曲ばかりで泣いた」といったコメントが数多く見られたが、今回のツアーの意図はオーディエンスにもしっかりと届いているようだ。

来場者全員に配布されたリストバンド型ライトをはじめ、随所に派手な演出や仕掛けが施されていたが、“音楽を真っ直ぐに伝える”ことを中心に置いたオーソドックスな構成も最高だった。当然、バンドの演奏力、表現力が問われるわけだが、彼らはこの夜、ツアー初日とは思えないような質の高いパフォーマンスを見せてくれた。表面的なギミックに頼ることなく、一つ一つの音を丁寧に届ける姿勢を貫くことで、豊かな奥行きを持った歌を際立たせる——20年以上に渡って培ってきた、このバンドでしか味わえないアンサンブルが確かにそこには存在していた。また、様々な年代の楽曲をつなげることで、ギターロック、ブルース、アイリッシュ、フォークロア、エレクトロなどを吸収したバンドサウンドをシームレスに体感できることも、このツアーの大きなポイントだろう。

さらに特筆すべきは、この1年のなかで配信リリースされてきた楽曲が披露されたことだ。美しいギターのアルペジオ、シンプルに抑えられたリズム、躍動感のあるメロディがひとつになった「記念撮影」(カップヌードル2017年新CM「HUNGRY DAYS」タイアップソング)、EDMを取り入れた華やかなサウンドのなかで、生きる理由を掴み取りながら進むことの決意を描いた歌が広がる「アンサー」(NHK総合テレビアニメ「3月のライオン」オープニングテーマ)、“嵐の中をここまで来たんだ”というフレーズと繊細なギターから始まり、有機的かつダイナミックなバンドグルーヴへとつながる「リボン」(スマートフォン「Galaxy」CMソング)。これらの楽曲が加わることで、BUMP OF CHICKENのライブはさらに幅を広げていたのだ。2016年のスタジアムツアー「BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016“BFLY”」以来、約1年ぶりとなる今回のツアーで彼らは、アルバム「Butterflies」(2016年)以降の音楽観を明確に示すことになりそうだ。

終盤のMCで藤原は「ツアーはキャリアのなかで何回もやってるけど、初日というのは全然慣れなくて。こうやってステージに立って、(自分たちが)ワーッとやったら、(観客が)ワーッと言ってくれるじゃん。言葉を選ばず言うと、めちゃくちゃ嬉しいんだよね」「これまでの準備は全部、この人たちに聴いてもらうためだったんだなって。これからツアーはじまって、いろんな土地に回ってくるんだけど、代え難いパワーをもらってます。初日が君たちの前で迎えることができて、本当に良かった」と語った。この後BUMP OF CHICKENは、全国各地を回り、2018年2月11日(日・祝)のさいたまスーパーアリーナ公演でファイナルを迎える。そのとき彼らがどんな音楽を奏で、どんな景色を見せてくれるのか。今から楽しみでしょうがない。

文 / 森朋之 撮影 / 古溪一道

ライブ情報

http://www.bumpofchicken.com/live/

BUMP OF CHICKEN

藤原基央、増川弘明、直井由文、升秀夫の幼馴染4人によるバンド。1996年2月に現在の編成で初めてのステージを踏む。2000年シングル「ダイヤモンド」でメジャーデビュー。2002年リリースのメジャー1stアルバム「jupiter」は、オリコン初登場第1位を獲得、累計出荷枚数が90万枚を越える大ヒットとなる。2015年2月にはライブドキュメンタリーDVD
& Blu-ray『BUMP OF CHICKEN「WILLPOLIS 2014」』を、4月22日には映画『寄生獣
完結編』の主題歌「コロニー」とTVアニメ「血界戦線」のオープニング・テーマ「Hello,world!」2曲を収録した両A面シングル「Hello,world! /
コロニー」をリリース。2016年2月に発売した通算8枚目のフルアルバム「Butterflies」は前作「RAY」を超える初動ポイントを獲得し大ヒットを記録。メジャーデビュー17年目にしてなおリスナー層を拡大し続け、若者を中心に男女問わず幅広い年齢層に支持される稀有なバンドである。

オフィシャルサイトhttp://www.bumpofchicken.com/

vol.194
vol.195
vol.196