ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs立海 特集  vol. 3

Interview

加藤将x井澤巧麻、ともに築き上げた〈乾〉と〈柳〉の“4年と2ヶ月と15日”の想い。テニミュ3rd「青学vs立海」東京凱旋公演直前の心境を訊く

加藤将x井澤巧麻、ともに築き上げた〈乾〉と〈柳〉の“4年と2ヶ月と15日”の想い。テニミュ3rd「青学vs立海」東京凱旋公演直前の心境を訊く

約2ヶ月半にわたって全国を駆け抜けてきたミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs立海がいよいよファイナルステージ。9月22日(金)よりTOKYO DOME CITY HALLにて東京凱旋公演の幕が上がる。関東制覇を懸け、激戦を繰り広げてきた青学(せいがく)&立海メンバーも、大千秋楽を前に感慨深い面持ちだ。そこで今回は、データテニス対決で観客を沸かせる〈乾 貞治〉役の加藤 将と、〈柳 蓮二〉役の井澤巧麻に緊急インタビュー。この夏、ふたりが“テニミュ”に捧げた情熱を余すことなくお届けする。

取材・文 / 横川良明 撮影 / 冨田望


“4年と2ヶ月と15日”の想いを一緒に築き上げてきた

Twitterを拝見すると「かとっくま会」と題して、一緒に遊びにも行かれるおふたり。すっかり仲良しのようですが、〈乾〉と〈柳〉の関係をつくる上で、まず取り組んだことは?

井澤巧麻 最初に課題になったのが絆づくりですね。

加藤 将 初めての読み合わせで、演出家の先生から「ふたりの間に全然“4年と2ヶ月と15日”の想いがない」って言われて。それで、その後、ふたりでご飯に行ったんです。

井澤 それからプライベートでも会うようになったり、連絡もこまめにとるようになって。

加藤 稽古が休みの日もいつも一緒でした。ふたりして公園でブツブツ台詞言いながらラケットを振ってましたね、人目を気にしつつ(笑)。

井澤 長身の男がふたりでボールもないのにラケットを振ってると。確かに怪しまれても仕方ないな、と(笑)。

お互いの呼び名は?

加藤 最初に「何て呼び合う?」って話になって。そしたら巧麻が「〈乾〉と〈柳〉だし、博士と教授にしよっか」って言い出したんです。それで最初は博士と教授って呼び合ってたんですけど……

井澤 結局言いづらくて、1日ですぐにやめました(笑)。今は「将くん」って呼んでます。

加藤 僕は「巧麻」と。ただ稽古が続くとだんだんハイになってくるんです。そんなときは「いさわのたっクマ♪」ってリズミカルに呼んだり。

井澤 その替え歌が入ったボイスメモが送られてきたことがありました(笑)。

加藤 そしたら巧麻から「やめてください」って冷たい返事がボイスメモで返ってきた(笑)。

井澤 だってあれ夜中の0時30分くらいだったからね(笑)。

加藤 そうだった(笑)。懐かしいね。

お化け屋敷にも行ってましたね。

井澤 行きました! 僕が誘ったら、将くんがすぐ乗ってくれて。

加藤 巧麻はすごくできる男なんです。普段遊びに行くときも、ご飯どうしようかって流れになったら、2~3店、候補を用意してくれている。お化け屋敷のときも予約とか全部してくれて。絶対最高の旦那さんになると思います(笑)。

吉村(駿作)さんと前田(隆太朗)さんの4人で行かれたんですよね。

加藤 そうです。お化け屋敷と脱出ゲームが合体したみたいなところで、制限時間内にクリアしなくちゃいけないんですけど、あまりに怖すぎて10分くらい最初の部屋から出られませんでした(笑)。

井澤 屋敷の中には殺人鬼がいて。見つからないように隠れたりしなくちゃいけないんですけど。

加藤 僕と隆(前田)が速攻捕まって。そこに巧麻が助けに来てくれました。

井澤 ジョナサン(吉村)を囮にしてね(笑)。そのすきにササッと!

加藤 でも結局クリアはできなかった……。

井澤 またリベンジしたいね。今度は絶対に脱出してみせる!

読めなくなるほど書きこんだ、ふたりだけの練習ノート

そんなふうに同じ時間を過ごしながら絆を育んできたふたりですが、実際に〈乾〉と〈柳〉を演じる上で大変だったことは?

加藤 いちばん苦労したのは、やっぱりラリーです。僕たちのラリーって難しくて、覚えるのが大変でした。どうしようかなと考えたんですけど、〈乾〉と〈柳〉と言えばデータテニス。ふたりらしい覚え方ということで、事前に2ndシーズンの映像をチェックして、全ての動きを稽古用に用意した〈乾ノート〉に書き起こすことにしました。カウントとか全部まとめてたら、ものすごく汚くなっちゃって。ノートを見せた瞬間、巧麻が「………」って顔してた(笑)。

井澤 最初渡されたときは何書いてるか読めなくて……(笑)。それを僕も自分の〈蓮二ノート〉に書き写したんですけど、おかげで実際にラリー稽古に入ったとき、スムーズに動きを覚えられました。振り返ってみれば、この稽古期間中、ずっとそうやって将くんにリードしてもらってた気がする。

〈乾〉と〈柳〉になれたと思えたのはいつ頃ですか?

加藤 稽古中は必死すぎて、実感がなかったかもしれないです。もちろん本番までにお客さんに見せられるよう仕上げていくんですけど、やっぱり本番の舞台は空気感が全然違う。お客さんの反応があって、初めてやっと〈乾〉と〈柳〉になれたのかなって思います。

井澤 初日のことはすごく覚えています。一幕が立海の歌で終わるんですけど、幕が閉まった瞬間、お客さんの沸き立つような声が聞こえてきて。その瞬間、感動で鳥肌が立った。幕の裏側で、みんなで「やったぜ!」ってガッツポーズをしましたね。そこから二幕で〈乾〉と〈柳〉のシングルス3が始まって。稽古のとき以上に集中できたし、入りこめた。すごく夢中になってやれた感覚がありましたね。

加藤 僕は六角公演で試合がなかったので、今回試合できるのがすごく嬉しかったです。もともと原作の『テニスの王子様』が好きだったし、テニミュの舞台に立つことが、憧れのひとつでもあった。だから舞台でラリーをしているときは信じられない気持ちでいっぱいで。しかも〈乾〉VS〈柳〉のシングルス3は、歴代〈乾〉キャストの誰もがいちばんやりたい試合だと思うんですよ。それをやらせていただけるありがたさを忘れずに挑もうと、毎公演自分に言い聞かせています。

ふたりでつくる、命を懸けた試合

公演中のふたりのルーティンは何かありますか?

井澤 必ず公演が終わるごとに反省会をします。

加藤 「ここはもっとこうした方が良かったよね」とか「次はもっとこうしよう」とか、そういう話は毎日必ずやってます。とにかくすべて出し切りたい。原作の熱や僕らの想いとか、そういうものを全部お客さんに届けたい。パンフレットに原作の許斐(剛)先生が「関東立海の鍵は〈乾〉だ」って書いてくださって。許斐先生がそれだけ想いをこめてくださった役。出し切れないと絶対に後悔する。もちろんメインは〈リョーマ〉だけど、この関東立海だけは主役は〈乾〉と〈柳〉なんだって気持ちで臨んでます。

井澤 〈乾〉と〈柳〉の試合は、無敗の王者が崩れるきっかけというか、大会の決勝戦の流れが変わる大事な一戦。だからどれだけ公演を重ねても全然満足できない。まだ僕らが思い描いている最高の試合には辿り着けていないと思っています。

加藤 ふたりの間にある“4年と2ヶ月と15日”の想いももっとちゃんと表現したいし、青学(せいがく)としてはここで〈乾〉が負けたらそれで終わり。立海も負けてはいけないという掟を背負って戦っている。そういうものを全部舞台上にぶつけたいし、最高のかたちで〈不二〉、そして〈リョーマ〉にバトンを渡したい。今の僕らの目標は、毎日の公演を凌駕していくこと。(井澤を見て)それくらい命懸けてるもんな、俺たち。

井澤 うん。最初からずっとふたりでこの試合に命を懸けようって言ってここまでやってきた。1日1個目標を決めて、「今日はここができなかった」「明日はもっとこうしよう」って毎日毎日話をして。だから、あともう少しで終わりなんだと思うと、やっぱりちょっと寂しいです。

加藤 凱旋公演が始まったら、残りはあと12公演。残り12公演しかもう〈柳〉と試合ができないっていうのが本当に悲しくて。(涙ぐみながら)もっとやりたいなっていう気持ちはありますね。

井澤 まだ泣くのは早いよ。最後までとっとこう!

加藤 (目を赤らめつつ)もっともっとやりたいです。試合中はどんなにしんどくても、足がもげても走るぞっていう気持ちでやってるんで。

井澤 だからこそ悔いが残るような試合にはしたくない。休みの日も、ずっと本番のビデオとか見返して、研究しています。

加藤 そうだよな。泣いてられないな、もっとやることがいっぱいあるもんな。(と、涙を拭く)

井澤 こんなに大きい舞台に立てて、これだけたくさんのお客さんが来てくれて。こんな機会、なかなかないと思う。僕らにとっては、ここが勝負どころ。この公演次第でこれからの自分たちの未来が決まってくると思う。だから死ぬ気で頑張りたい。『テニミュ』は、勉強になるし、カンパニーの人たちも仲が良くて、最高の現場です。将くんもそうだけど、他のみんなも作品を良くするためなら何でも言い合える。本当に恵まれているなと思うので、もっともっと成長して、ファンのみなさんに喜んでもらえる〈乾〉と〈柳〉を演じたいです。

最後に、お互いにかけたい言葉はありますか。

井澤 (真剣に考えて)……僕は、将くんとこの試合ができて本当に良かったなと思ってて。別に歴代の先輩方と比べるわけではないですけど、このふたりは最高のペアだってお客さんに言われたいし、僕たちもそう思えるようになりたい。そのためにも、僕に足りないことがあったらもっとガンガン言ってきてほしいし、僕もちゃんと言っていきたい。絶対まだまだ上にいけると思うから、満足しないで、高みを目指して、一緒に最後まで頑張ろう!

加藤 頑張ろう……! 俺はもう、巧麻には「ありがとう」という気持ちだけです。稽古のはじめからずっと俺のやり方についてきてくれて、たぶんやりづらいところもあったと思うけど、それでも付き合ってくれて。ふたりでひたすらラリーの練習をして、どっちかがミスしたら、また一緒にそこから練習して。絶対巧麻じゃなかったら無理だったと思う。巧麻が〈柳〉で良かったです。もう、それだけです。

左から 井澤巧麻、加藤将


加藤 将

9月21日生まれ、兵庫県出身。2016年12月よりミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンの青学・乾貞治役を務める。2017年10月にはTEAM Party SEIGAKU・ROKKAKU、12月よりミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs比嘉への出演が控えている。

井澤巧麻

3月28日生まれ、宮城県出身。2015年3月に開業した東京ワンピースタワーの「ONE PIECE LIVE ATTRACTION」でサンジ役を務める。2016年9月パルコ・プロデュース「露出狂」に出演。2017年12月にはミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs比嘉への出演が決定している。

フォトギャラリー

【募集終了】抽選で3名様に取材時に撮影させて頂いた加藤 将さん、井澤巧麻さんの直筆サイン入りチェキをプレゼント!

応募期間

※募集期間は終了致しました。

9月21日(木)~10月1日(日)23:59

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs立海

<東京公演>2017年7月14日(金)~23日(日)TOKYO DOME CITY HALL
<大阪公演>2017年8月3日(木)~13日(日)大阪メルパルクホール
<愛知公演>2017年8月26日(土)~27日(日)名古屋国際会議場 センチュリーホール
<福岡公演>2017年9月2日(土)~3日(日)福岡サンパレス ホテル&ホール
<宮城公演>2017年9月9日(土)~10日(日)多賀城市民会館 大ホール
<上海公演>2017年9月15日(金)~17日(日)虹橋芸術中心
<東京凱旋公演>2017年9月22日(金)~10月1日(日)TOKYO DOME CITY HALL

【原作】許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
【オリジナル演出】上島雪夫
【演出補佐】三浦 香
【脚本/作詞】三ツ矢雄二
【振付】本山新之助/上島雪夫

【出演】
<青学(せいがく)>越前リョーマ 役/阿久津仁愛 手塚国光 役/宇野結也 大石秀一郎 役/松村 優 不二周助 役/定本楓馬 菊丸英二 役/永田聖一朗 乾 貞治 役/加藤 将 河村 隆 役/鈴木雅也 桃城 武 役/吉村駿作 海堂 薫 役/牧島 輝 堀尾聡史 役/相馬眞太 加藤勝郎 役/奥井那我人 水野カツオ 役/畠山紫音

<立海>幸村精市 役/立石俊樹 真田弦一郎 役/田鶴翔吾 柳 蓮二 役/井澤巧麻 仁王雅治 役/後藤 大 柳生比呂士 役/大隅勇太 丸井ブン太 役/大薮 丘 ジャッカル桑原 役/川﨑優作 切原赤也 役/前田隆太朗

<六角>葵 剣太郎 役/矢代卓也 佐伯虎次郎 役/二葉 要 黒羽春風 役/陽向謙斗 天根ヒカル 役/坂垣怜次 樹 希彦 役/高木眞之介 木更津 亮 役/佐藤祐吾 首藤 聡 役/千葉冴太

【主催】テニミュ製作委員会
オフィシャルサイト
©許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト
©許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会

原作コミック『テニスの王子様』

『テニスの王子様』25巻

著者:許斐 剛
出版社:集英社 ジャンプ コミックス

かつてのダブルスコンビ、青学・乾と立海大・柳がシングルスで大激突! データテニスVSデータテニスの息の詰まる攻防を制したのは!? そして、勝利以外許されぬ実力者、天才・不二VSエース・切原戦、始まる!

vol.2
vol.3