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『探偵 神宮寺三郎 GOD』秋の夜長にハードボイルドADVを

『探偵 神宮寺三郎 GOD』秋の夜長にハードボイルドADVを

ディープな人間模様を描く本編

以下では、本作のメインシナリオとして収録されている“GOD“のあらすじとともに、このシナリオの魅力を紹介していきます。物語のボリューム、展開の意外性、そしてその結末、いずれもレベルが高く、まさにシリーズ30周年を記念するにふさわしいシナリオです。

▲作品全体のタイトル画面にもなっている“GOD“のイメージイラスト。青白い月に照らされた猛犬の姿が事件を感じさせます

――神宮寺は些細なきっかけから、とある屋敷で死亡したホームレスの男性を発見する。一見何の変哲もない現場の様子に違和感を覚えた神宮寺は、旧友・熊野警部の助けも借り、ホームレスの死が事故ではないことを見抜き、その命を奪った真犯人を突き止める。この事件をきっかけに、ホームレスの遺体が見つかった屋敷の主・矢上は神宮寺の腕を見込んでひとつの依頼を持ちかける。「またすぐに連絡する」、そう言った矢上と別れた神宮寺だったが、翌日になって事件は思わぬ展開を迎える――

これが、本シナリオで描かれる物語、その序盤のあらすじとなります。屋敷の主・矢上と知り合ったことから神宮寺はその屋敷に隠された秘密、そしてタイトルに“GHOST OF THE DUSK=夕闇の亡霊“とあるように、ひとりの“亡霊と呼ばれる男“の正体に迫っていくこととなります。

▲神宮寺を演じるベテラン声優・小杉十郎太さんのダンディボイスが響き渡るオープニングムービーも、待ち構える事件の大きさを感じさせます

▲意味深な発言をする矢上。「屋敷が呪われている」という言葉が意味するのは……?

ひとつの謎をたどっていくことで新たな謎がつぎつぎと明らかになっていくテンポ感、事件が進むにつれて神宮寺の身にも危険が迫っていく緊迫感、それらが『神宮寺』シリーズのハードボイルドな空気と混ざりあうことで物語の展開に本格探偵小説のようなリアリティが生まれており、テキストの読みやすさも相まって一度プレイを始めるとなかなか止めどきを見つけることができません。事件の規模は次第に大きくなっていき、それでいて最後は見事に収束していくため、シナリオを読み終えたあとは登場人物たちの思いや物語の結末に少ししんみりとしつつも、非常にすっきりとしているのもポイントです。

ネタバレになってしまうので細かく触れることはできませんが、“GOD“では複雑に絡み合う登場人物同士の感情も非常に魅力的なのです。葛藤、苦悩、愛情、そして友情とも呼べる絆、それらが混ざり合った人間模様が物語の鍵を握る屋敷を中心にしてディープに描かれ、終盤に各登場人物の秘められた関係が明らかになっていくさまは、ベストセラーのミステリー小説顔負けの衝撃と感慨を与えてくれます。

「誰が事件の犯人なのか」という大きな謎が二転三転し、その謎を追うなかで展開していく人間関係が味わい深いこのシナリオだけでも、探偵ものが好きな人であれば十分に満足できることでしょう。『神宮寺』シリーズに初めて触れる人であれば、先ほども述べた通り、最初は短めの携帯アプリ版のシナリオをプレイし、キャラクターたちに愛着が湧いたころに“GOD“をプレイすればより一層物語を楽しむことができるはずです!

次回は、シナリオごとに大きくルックスが変わることにも定評のある優秀な美人助手・御苑洋子、さまざまな事件で神宮寺と協力し合う警部・熊野参造など、探偵・神宮寺三郎を取り巻くキャラクターの魅力、そして“GOD“とともに収録されている携帯アプリ版のシナリオの魅力などを紹介していきます。助手の洋子が見せる七変化っぷりには誰もが驚かされること間違いなし!

『探偵 神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK』公式サイト
http://www.arcsystemworks.jp/jinguji-god/

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