LIVE SHUTTLE  vol. 207

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25年の軌跡が一夜に凝縮された、accessアニバーサリーツアーのファイナルをレポート!

25年の軌跡が一夜に凝縮された、accessアニバーサリーツアーのファイナルをレポート!

access 25th Anniversary TOUR 2017 double decades+half
2017年10月1日 中野サンプラザ

デビュー25周年だ。一般的には、それに専念しそうだが、浅倉大介も貴水博之も、それぞれ多忙を極めるスケジュールを駆け抜け、怒涛の勢いでaccess 25th Anniversary TOUR 2017 double decades + halfへ突入した。

浅倉は、全国20公演以上のクラブイベントを行いながらも、重鎮・小室哲哉とのユニットPANDORA(パンドラ)を立ち上げた。貴水は、『仮面ライダーエグゼイド』出演で新境地を開拓する一方、3年連続のソロツアーも実施。

しかし、これもまたaccessらしい。なぜなら、デビュー当時から、1+1=∞がaccessの法則なのだから。つまり、それぞれの1を磨かねばならない。おのおのの1のポテンシャルを増幅しなければならない。そうでなければ、∞にならない。だから、各自の活動が忙しければ忙しいほど、広がれば広がるほど、二人揃ったときの爆発力が高まるのがaccessだ。

その法則がデビューから25年経ってもブレていないことを証明したのが10月1日の中野サンプラザでのツアーファイナルだった。

会場に流れる、オリジナルのプレリュード。デビュー以来、ツアーごとに浅倉は、コンサートのための新しいプレリュードを書き下ろしてきた。このことは、あまり喧伝されてこなかったが、25年が経った今、その一つひとつの足跡は、長い旅路をつづる軌跡となっている。たぶんJ-POPの中に、この軌跡をたどっているアーティストやバンドはいないだろう。唯一無二のキャリアだ。

が、このツアー25周年記念。あえての『FAST ACCESS』からの「PERFECT TIMING」だったのだろう。そのプレリュードが流れる中、紗幕で覆われた舞台で光が破裂した。光と音がシンクロする。次の瞬間、紗幕が振り落とされると、舞台中央の階段の上、純白の衣装のaccessがいた。すべてのライトが彼らに注がれる。満員の大歓声も彼らに注がれた。コンサートのオープニングが劇的なのもaccessらしさだ。

1曲目は、浅倉と貴水の出会いの曲「COSMIC RUNAWAY」。92年発売の、浅倉の2ndソロアルバム『D-Trick』に収録されているナンバーだ。浅倉と、レコーディングにゲストボーカルとして参加した貴水は、すぐに意気投合。同年9月に行われた、浅倉初のソロコンサートにも貴水が出演し、access結成をファンに直接報告した。

浅倉いわく、25周年記念ツアーのテーマはオリジナル・リスペクトとのこと。楽曲の原形に敬意を払い、でき得る限り原形のまま演奏することを心がけたという。この意識と、モニュメンタルな「COSMIC RUNAWAY」で幕を開ける構成は、同じ根を持っているのだろう。その根とは……。

続く「FIND NEW WAY」「CAN-DEE GRAFFITI」「DISTANCE」もオリジナル・リスペクト路線。原曲に忠実だが、懐古とも回帰とも違う空気に包まれる。もちろん懐かしさは漂う。が、デビュー当時にはなかった、柔らかな暖かさが会場に広がる。たとえば大人になってから卒業アルバムを開いたときの微笑みや、大人になってからフラリと校庭に足を踏み入れたときの郷愁に近い。それはもしかしたら、精神的にも表現者としても器が大きくなった貴水によるところが大きいのかもしれない。

そして、accessが90年代に残した傑作といっていい三部作へ。「DRASTIC MERMAID」「SCANDALOUS BLUE」「TEAR’S LIBERATION」。が、三部作の前奏曲のように演奏された、浅倉のキーボードソロも素晴らしかった。時の流れに竿を指し、先へ先へと駆けてきたaccessがまるでひと時立ち止まったような…。振り返り、時の流れの岸辺に置き忘れたものを探すような…。曲名も歌詞もない短い旋律だったが、濁りのない、ひんやりとした音色で奏でられ、場面を一気に転換した。

ステージでは、BL系のストーリー仕立てになっていた、三部作のミュージックビデオが流れた。LEDには、90年代当時の初々しい浅倉と貴水。ステージ上には、実人生でも音楽人生でも多くの経験を重ね、泣き笑い歌い、逞しくなった浅倉と貴水。時空を超えた共演だ。「SCANDALOUS BLUE」のラストで、貴水が浅倉を抱きしめ、唇を奪うかのようなアクションも、女性ファンの悲鳴も、あの頃のまま。これもオリジナル・リスペクトならでは。

しかし、やはりaccessaccessだった。新しい試みも忘れなかったから。鋭意制作中の新曲をバンド・アレンジで本邦初公開。ただし、あくまでも10月1日現在の姿だから、完成したときには、アレンジのみならず、メロディーや歌詞すらも変わっている可能性があるという。だから、この日この場所にいないと聴くことのできない1曲だ。

今までの、25年前ならなおさらだが、音楽業界は、詞も曲も完成してから発表するものだと思い込んでいた。そんな古い常識に縛られている音楽人もまだまだ多いが、accessは常識に惑わされない。自由だ。自由とは新しさだ。これも彼らが25年間ブレずに貫いてきたスピリットである。access魂だ。

ところが、その一方では、ファンとの古い約束は頑なに守り続ける。新曲に続いて演奏された「LOVING YOU」がそれ。ライブでしか演奏しない(レコーディングしてCDなどに収録しない)と、ファンと交わした古い約束をいまだに守り続けている。だから、これもまた、この日この場所にいないと聴くことのできない1曲。

と、音楽では、一本も二本も芯が通っているのに、MCになると、いきなり柔らかくなるのもaccessらしさ。この日も、発売になったばかりの4枚組ベストアルバム『access BEST ~double decades + half~』に触れたはいいが……。

浅倉「バラードが1枚にまとまっているのがお気に入りなんだよね」(Disc3のBEST Balladsのこと)

貴水「いいよね。バラードだけを(CD)1枚にまとめるのは、accessでは初…。初?」(浅倉に確認)

浅倉「初?」(観客に尋ねる)

貴水「初かな?」(キョロキョロする)

浅倉「……」(黙る)

貴水「初……だよね」(独り言のようにいう)

何を喋るか、MCのネタ合わせを一切しないのも、長年続くaccessスタイルだ。

25年間で変わったことのひとつがコンサートの二部構成。ここ数年、一部と二部の間は、ビデオコーナー「access channel」が恒例となっている。今回はジェスチャー大会。タイトルは「アニバーサリーアタックどうして25」。あの『パネルクイズ アタック25』とは縁もゆかりもない内容だが、貴水がお題に出た「稀勢の里」をまったく知らなかったりと、爆笑の出来栄えだった。

二部の8曲は、会場ごとに曲を替えたセットリスト。ツアー初日の三郷公演は90年代の楽曲、大阪は活動再開から20周年頃までの楽曲、名古屋では直近の楽曲と、時代に沿ってセレクトされた。

かくしてファイナルのこの日は、いわばオールタイムベスト。デビュー曲の「Virgin Emotion」、accessの方向性を決定づけた「MOONSHINE DANCE」、活動再開の第一弾シングル曲「Only the love survive」、名曲「EDGE」、会場中でタオルが回る「永遠dive」などが連なった。そのすべてをオリジナルキーで歌い、かつ喉がまったくヘタらない貴水。苦しそうな顔は一瞬も見せない。楽しくてどうしようもない表情で歌い踊り、腰も振る。驚異のエンタテイナーだ。

本編を締めたのは、最新シングル曲「Knock beautiful smile」と、『ACCESS Ⅱ』収録曲「S-MILE GENERATION」。スマイルつながり。25年の時を超えても変わらず、accessが目指すものが、この2曲に託されていたのではないだろうか。

上着を脱ぎ、嬉々として鍵盤を叩き、ツマミを回す浅倉。シンセサイザーを投げ上げ、ショルダーキーボードでステージを駆け回る。貴水は、デビュー当時よりも鳴りが増した喉を駆使する。客席の一人ひとりに歌いかける。一人ひとりに愛を伝えているようだ。客席は笑顔満開。

二人の心の声が聴こえてきた。──君の笑顔がボクらを笑顔してくれるよ──。思い起こせば、25年前、彼らは言った。accessとは2WAYだと。一方通行の音楽ではなく、一方通行の関係でもないから、観客、リスナー、ファンからも自分たちにアクセスして欲しいと。それはつまり“笑顔を交わそう”ということだったんだと、客席に咲き誇る笑顔が教えてくれた。

アンコールは、25年前にリリースされたデビューアルバム『FAST ACCESS』収録曲「AGAINST THE RULES」と「LOOK-A-HEAD」。accessコンサートの定番中の定番曲。会場の笑顔レベルがさらにグンと上がったのがわかる。

オリジナル・リスペクトも、「COSMIC RUNAWAY」で始まる構成も、完成前の新曲を披露するのも、ツアー全会場でセットリストを替えるのも、すべては同じ根に咲く花だ。君の笑顔が見たい、それがaccessの根。25年経っても変質することなく、枯れることもなく、さらに広く深く強く心の土を掴む根なんだ。まぶしい笑顔しかない会場に響く「LOOK-A-HEAD」を聴きながら、そう確信した。

※本記事中に事実と異なる部分があったため、一部修正いたしました。ご了承ください。

取材・文 / 藤井徹貫 撮影 / 田中和子(CAPS)

access 25th Anniversary TOUR 2017 double decades+half
2017年10月1日 中野サンプラザ

SET LIST
01. COSMIC RUNAWAY
02. FIND NEW WAY
03. CAN-DEE GRAFFITI
04. DISTANCE
~key solo~
05. DRASTIC MERMAID
06. SCANDALOUS BLUE’07. TEAR’S LIBERATION
08. 新曲
09. LOVING YOU
10. Virgin Emotion
11. MOONSHINE DANCE
12. 夢を見たいから
13. Only the love survive
~key solo~
14. EDGE
~key solo~
15. 瞳ノ翼
16. 永遠dive
17. Vertical Innocence
18. Knock beautiful smile
19. S-MILE GENERATION
Encore
01. AGAINST THE RULES
02. LOOK-A-HEAD

ライブ情報

access 25th Anniversary LIVE
11月25日(土)  千葉:舞浜アンフィシアター
11月26日(日)  千葉:舞浜アンフィシアター

double decades+half Christmas Special Live
12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。さらに11月25、26日には舞浜アンフィシアターでのアニバーサリーライブが決定している。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバムをリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


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1992年、鮮烈なデビューを果たしてから今年で25周年を迎えるスーパーユニット「access」。その記念すべきスペシャルイヤーに、歴代ツアーパンフレット22種類の完全復刻が緊急決定。デジタル・リマスタリングを施した状態でお届けします。いまここに「access」25年の歴史が鮮明に甦ります!!

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