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『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』FFの本流を越えた最高の完成度とは

『ファイナルファンタジーXII ザ ゾディアック エイジ』FFの本流を越えた最高の完成度とは

新たなビジュアルと旋律が描く世界

本稿で掲載しているスクリーンショットを見てもらえば一目瞭然ですが、本作はHDリマスター版というだけあって、ビジュアル面の進化も見逃せないポイントです。近年の最新ゲームのような超フォトリアルのグラフィックとは異なりますが、ほどよくデフォルメの効いた、全体的に落ち着いた配色で構成されている本作のグラフィックは、キャラクターデザインを担当された吉田明彦氏のテイストを見事に3D化していると言えます。

▲パッケージ画像にも使用されている『FFXII TZA』のために描き下ろされた新イメージイラスト。肖像画のような存在感と幻想的な雰囲気を併せ持つタッチ、中間色で描かれる淡い温かみがたまりません
© 2006,2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

▲個人的な感想ですが、肌の色味や目のタッチに吉田氏のテイストがよく出ているように感じます

当時、グラフィックのクオリティに衝撃を受けた作品であっても、いまPlayStation®2を引っ張り出して遊んでみると「あれ、もっと綺麗じゃなかったっけ?」と別の意味で衝撃を受けることは珍しくありません(当時のグラフィックも味があると言えば味がありますが)。『FFXII』と『FFXII TZA』の画面を見比べてみると、ハードの世代がふたつ違うだけあって、キャラクターやマップはもちろん、HPを示す数字や文字の見た目にもかなりの差があり、HD化による画面の変化は時代が大きく変わったことを実感させてくれます。11年前のプレイで訪れた街やダンジョンも、まったく新しい感動を与えてくれることでしょう。

また、HD化によって生まれ変わったのはグラフィックだけでなく、本作ではBGMも全楽曲が生演奏で再レコーディング、さらに7.1chサラウンドにも対応という豪華な変更が加わっており、音楽がもたらす緊張感や安心感も新次元に進化しています。オプションで新録のBGMにするかオリジナル版のBGMにするかを選択することもできるため、耳でも懐かしさを味わいたいという人にも安心です。生演奏が生み出す音の広がりをひたすら堪能するか、場面ごとに新録版とオリジナル版とを聞き比べてその違いを楽しむか、どのように楽しむとしても、たまにはプレイ中も足を止めて安心と信頼の『FF』クオリティを誇る音楽に耳を傾けてみるのもいいでしょう。

▲新しいビジュアルと新しいBGM、しかしいろいろな意味でプレイヤーの壁となる難敵“デモンズウォール”の恐ろしさは変わりません。本当に何度全滅したことか……!

目で見ても耳で聞いても美しく仕上がった本作、1回目の記事でも述べたようにプレイの手触りもかなり快適なものに変わっているので、未プレイの人でも既プレイの人でも十分に楽しめることでしょう。

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