東京ゲームショウ2017から見るゲーム業界の現在と未来  vol. 3

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東京ゲームショウ2017総括 今後目が離せない10タイトル

東京ゲームショウ2017総括 今後目が離せない10タイトル

ゲームやコンピュータエンターテインメントに関する国内最大級の総合展示会、東京ゲームショウ。2017年9月21日から24日まで開催された東京ゲームショウ2017では、今年もさまざまな新作ゲームが登場しました。今回のゲームショウも昨年に引き続き、VR/ARやインディーゲーム、e-Sportsを中心とした、新たなゲーム系カルチャーの台頭が目立ちました。その一方で、負けじと気を吐くのが大手ゲームメーカー。各社とも人気シリーズの最新作を中心にさまざまなタイトルを用意し、好みの多様化するゲームファンへと猛烈なアピールを仕掛けています。

そんな各社のタイトルを追いかけていたところ、例年とは少し異なる傾向が浮かび上がってきました。それは、長年続編が出ていなかったシリーズの復活です。

本稿では、今年のゲームショウで人気を博し、今後も各メディアなどで目にする機会が増えるであろう注目作をピックアップ。それらを通じて、大手ゲームメーカー各社の“IP”を巡る動きを追いかけます。

文 / 大工廻朝薫(SPB15)


人気シリーズのIPは堅調

まず最初にご紹介するのは、長年続く人気シリーズの最新作。時代に合った作品を継続的に提供し、IPの価値を守り続けている作品です。

IPとはintellectual propertyの略で、日本語では知的財産と言います。ゲームの場合、新規IPは“完全新作”、既存IPは“シリーズブランド”という表現がニュアンスとして近いでしょう。

今年のゲームショウにおいて最大の人気を誇ったシリーズタイトルと言えば、やはり『モンスターハンター:ワールド』。カプコンブースでは、試遊に必要な整理券を求めるファンが、連日開場直後から長蛇の列を作るほどの大人気となりました。

▲開場を待っていた行列が、そのまますべて『モンスターハンター:ワールド』のブースへと移動するかのような勢いで行列が形成されていきました

本作の魅力は、進化したグラフィックと、シームレスなエリア移動による没入感。フィールドを動き回っているだけでも楽しめるほどに、『モンハン』の世界がより魅力的に描かれていました。モンスターもグラフィックの進化により、細部の質感まで伝わってくるように。モンスター同士による縄張り争いなどもあり、実際に生きているかのような存在感を感じられました。

ひとたび試遊してしまうと、発売日の2018年1月26日まで毎日が長く感じられてしまうほどの本作。すべてのPS4ユーザーはもちろん、まだPS4を持っていない人にもオススメしたくなる作品となっています。

▲PS4にフィールドを移し、圧倒的なクオリティで描かれる新たな『モンハン』の世界は、新たなゲーム体験の扉を開くこと間違いなし。今後の続報も要チェックです

また、プレイステーションブースで注目を集めていたのが『グランツーリスモSPORT』。試遊台には、10月19日の発売を待ち切れない大勢のファンが行列を作っていました。

本作最大の注目ポイントは、なんといってもPSVRへの対応。今回のゲームショウでは、ハンドル型のドライビングコントローラーとPSVRによる試遊が可能でした。

▲PSVRコーナーでの試遊。このほか、レーシングカーのコクピットをシートに至るまで再現した試遊台も設けられていました

PSVRを装着してハンドルを握りながらプレイする本作は、もはやゲームの域を超え、完全なドライビングシミュレータ。コースはもちろん、各車両の内装までしっかりと再現されており、憧れのあのクルマに乗っている、という感覚を強く味わうことができます。

筆者は東京エクスプレスウェイという首都高をモチーフにしたコースをプレイしたのですが、そのリアルさはだんだんと「こんなにスピードを出して大丈夫か?」と不安になり、ついつい安全運転を意識してしまうほど。VRが生み出す没入感は、ほかのレースゲームをすべて過去に置き去りにするほどの完成度を感じます。ぜひとも環境をフルに整えた状態でプレイしてみたくなる作品でした。

▲首都高をモチーフにしたコースでは、背景の建物なども非常にリアル。ふだんから高速道路を使用している人なら、見覚えのある景色に出会えるかもしれません

セガブースでは、『メガテン』シリーズの最新作が2作品揃って試遊可能に。10月26日発売予定のニンテンドー3DS用ソフト『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY』(以下、『DSJ』)と、今冬配信予定のスマートフォン用アプリ『D×2 真・女神転生 リベレーション』(以下、『D×2』)です。

『DSJ』は、2009年にニンテンドーDSで発売された『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』のリメイク作品。より遊びやすく調整されているほか、新キャラクターや新悪魔、新たなエンディングルートなど、多数の新要素が盛り込まれています。新シナリオも追加され、なんと旧作の倍近いボリュームになっているとのこと。旧作ファンはもちろん、本作からプレイしても楽しめる作品となりそうです。

▲『DSJ』に登場する新キャラクターのアレックス。追加シナリオの鍵を握る人物です

▲ゾロアスター教やペルシャ神話に登場する女神、アナーヒター。本作のために新しく描き下ろされた悪魔です

一方の『D×2』は、『メガテン』シリーズでは初となるスマートフォン向け完全新作タイトル。今回の出展でプレイできた範囲でも、バトルや3Dダンジョンの探索、悪魔合体、対話システムなど、シリーズでおなじみの要素を網羅。スマートフォン用ゲームでありながらも『メガテン』シリーズらしいプレイ感覚で、安心して遊べる作品となっていました。

▲3DCGで描かれた悪魔たちがくり広げる迫力のバトル。スマートフォンでも、『メガテン』らしさは健在です

また合成では、合体後に作り出せる悪魔を見ながら選ぶことのできる“結果から合成”機能が追加。ダンジョン内の移動でも、3種類の操作方法から自分に合った設定が選べるなど、快適にプレイできる工夫も随所に見られました。未経験者も気軽に遊べる『メガテン』として、シリーズの入り口になることが期待される作品です。

▲シリーズ伝統の3Dダンジョンも健在。移動は回転移動、平行移動、フリック移動の3種から選択可能です

これらの作品に共通していたのは、シリーズタイトルとしての“正統進化”。いずれもシリーズに期待されているものを正確に読み取り、予想を超えるクオリティで提供することで、プレイヤーに驚きと感動、あるいは快適さと安心感を与えていました。長年ゲームメーカーを支えてきたタイトルだけに、どの作品も作り込みは十分。

このほかにもさまざまなビッグタイトルが出展され、多くの来場者を楽しませていました。ゲームファンはこれからの1年もまた、退屈せずに済みそうです。

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