LIVE SHUTTLE  vol. 201

Report

INAZUMA ROCK FES 西川貴教、2年連続の試練の先に見えた確かな「愛」~イナズマロックフェス 2017回想記~

INAZUMA ROCK FES 西川貴教、2年連続の試練の先に見えた確かな「愛」~イナズマロックフェス 2017回想記~

イナズマロックフェス 2017雷神ステージ
9月15日、16日 滋賀:烏丸半島

INAZUMA ROCK FES (以下、IRFと略す)2017の2日目が台風接近のため“中止”と発表されたのは、1日目のライブ・パフォーマンスがすべて終了した9月16日の21時、オフィシャルのホームページにて、であった。
ちょうど、僕ら取材陣が、雨に濡れたポンチョやレインコートをめいめいに畳み、バスに乗り込んだすぐあとのこと。
天候に逆らうことはできないことを充分にわかりつつも、2年連続の中止に、暗い琵琶湖を見つめながら無念さとやりきれなさを感じずにはいられなかった。

 ちょうど1年前の2016年は、台風ではなく激しい雷雨によって、2日目の“3組のバンド”を残して中止が決定された。その3バンドとは、MAN WITH A MISSION、UVERworld、そしてT.M.Revolutionである。

 3組は、昨年の終演後から“再演”を願い・誓いあった。それが、前代未聞のロックフェス、1年越しの振り替え公演“INAZUMA ROCK FES 2016 Returns”となって結実したのは、9月15日の16時からだった。

 個人的に1年ぶりとなった烏丸(からすま)半島の突端から視界に入る琵琶湖面は少なからず波立っていたが、雨は降り出してはいなかった。
予定されたMAN WITH A MISSIONのステージ時間は40分、UVERworldが50分、T.M.Revolutionが60分だったが、それぞれのステージ時間の前に“1年分の時間”が堆積していることを忘れてはいけない。

 つまり、3組は“1年分の気持ちの維持”をしてきたことに匹敵するのだ。
したがって、3バンドはこれまでのIRFで放ってきたパフォーマンスとは、どこか位相の違う、何やら鬼気迫るものを付帯していた(ちなみに僕は、今年で9回目となったIRSを初年度から全日、視察してきている)。

 オーディエンスにしても、おそらくは去年の雷雨の記憶と、今、眼前にあるバンドたちのパフォーマンスを受け止められている幸福感が相乗効果を引き起こし、特別なリアクションを送る。そうすると、会場全体が“一つのライブの塊”になったようで、不思議な全能感を放ち始める。フェスが作り出す祝祭感やフレンドリーな感覚を超越した、神々しい気持ちになった。

 T.M.Revolutionの西川貴教さんは「1年後の再演は、“リベンジ”じゃない。ここが“帰ってこられる場所”“帰ってきたくなる場所”だってことを示したかった。だから“リターンズ”なんだ。それを支えたのは“愛”だ」とMCした。終演後、西川さんに「愛と同時に意地も感じましたよ」と話しかけると、彼は「意地も愛のうちに含まれるんじゃないですかね」と言った。

 IRFを今のところコンプリートしている僕にとっても、烏丸半島は、いつしか毎年帰ってきたくなる場所となった。僕は滋賀県の出身ではないけれども、「水の未来に、声を上げろ」という琵琶湖の環境保全をテーマにしているIRFは、琵琶湖に抱かれながら、音楽を通して、様々なことを考えてみる絶好の場所だ。IRFの琵琶湖を挟んで対岸には、世界遺産である比叡山を仰ぎ見ることができ、大げさに言えば、音楽と歴史の長きに渡る相関関係に思いを馳せることすら可能なのだ。

 IRF 2016 Returnsの最後に湖畔から上がった花火は、昨年の9月18日の夕刻より止まった時間の“再動”を祝福しているように見えたことは、間違いない。

 翌9月16日(正確にはIRF 2017の1日目)は、午前中から雨が降り出し、IRFの会場に着いた時には、厚手のレインコートを着込むことになった。
オープニング・アクトとしてステージに上がった感覚ピエロと本編に登場した04 Limited SazabysやTHE ORAL CIGARETTSには共通点がある。メインステージの「雷神ステージ」ではなく、フリーエリアの「風神ステージ」に出演し、力を認められてからの“ステップアップ出演”となったことだ。
こうした、段階を経たIRFへの参加も、IRFが〜その年だけのブッキングだけではなく〜バンドやアーティストを長い目で見ている現れとして評価してきた。その場所で演るには、何らかの必然性が要ることを、僕はIRFから学んできたのでもある。

 “どこか爽やかな8ビート”を得意とするKEY TALKや、サウンドと振り付けの融合を目指すFear,and Loathing in Las Vegasも、降りしきる雨の中、自分たちのカラーを全力で出すことに力を傾注していた。

もはや圧巻の領域に達していると言っても過言ではないUVERworldのステージングと、煎じ詰められたダンス&パフォーマンスを披露したEXILE THE SECONDは、ある意味で対照的に見えて、とても興味深かった。

アンコールでは、その日、トップバッターとして出演した西川さんも加わり、かの有名な「Choo Choo TRAIN」を披露。最後は、EXILE THE SECONDに西川さんが胴上げされる形で、大団円を迎えた。

そして、終演後発表された“2日目公演の中止”。
僕は、観客の安全を第一義として中止を決定したことを高く評価するし、琵琶湖に降り続いた雨は、“見えない悔し涙”となって、出演者やオーディエンスの心に残存するだろう。

 そして、来年は記念すべきIRFの10周年である。
おそらく、ほぼ間違いなく、今まで築き上げてきたこのフェスの魅力と意味を全開示するものとなると断言できる。

 文 / 佐伯明

イナズマロックフェス 2017雷神ステージ
滋賀:烏丸半島

9/15(金)SETLIST

MAN WITH AMISSION
1.Emotions
2.Get Off of My Way
3.database
4.Seven Deadly Sins
5.Dog Days
6.Dead End in Tokyo
7.Raise your flag
8.FLY AGAIN

UVERworld
1.7th Trigger
2.DECIDED
3.WE ARE GO
4.PRAYING RUN
5.ALL ALONE
6.Q.E.D
7.IMPACT
8.7日目の決意

T.M.Revolution
1.独裁-monopolize-
2.LEVEL4
3.HIGH PRESSURE
4.WHITE BREATH
5.HOT LIMIT
6.HEAT CAPACITY
7.THUNDERBIRD
8.RAIMEI
9.Inherit the Force
10.HEART OF SWORD

9/16(土)SETLIST

感覚ピエロ
1.CHALLENGER
2.疑問疑答
3.A BANANA
4.拝啓、いつかの君へ

T.M.Revolution
1.AMAKAZE -天風-
2.Pearl in the Shell
3.ウルワシキセカイ
4.Juggling
5.Goin’
6.Pied Piper
7.Wheel of fortune

KEYTALK
1.黄昏シンフォニー
2.YURAMEKI SUMMER
3.summer Venus
4.セツナユメミシ
5.MATSURI MAYASHI 6.MONSTER DANCE

04 Limited Sazabys
1.swim
2.Warp
3.Chicken race
4.Remember
5.fiction
6.escape
7.Squall
8.manolith

THE ORAL CIGARETTES
1.Shala La
2.きづけよBaby
3.DIP-BAP
4.カンタンナコト
5.BLACK MEMORY
6狂乱 Hey Kids!!

Fear, and Loathing in Las Vegas
1.Rave-Up Tonight
2.Jump Around
3.Return to Zero
4Party Boys
5.Virtue and Vice
6.Love at First Sight

UVERworld
1.ナノ・セカンド(short ver)
2.DECIDED(short ver)
3.WE ARE GO
4.PRAYING RUN
5.ALL ALONE
6.Q.E.D
7.零HERE
8.IMPACT
9.Ø choir

EXILE THE SECOND
1.HERE WE GO
2.ASOBO! feat. Far East
3.24/7 Cruisin’feat.LL BROTHERS
4.Mo Bounce feat. Far East Movement
5.Dirty Secret
6.Interlude
7.Body
8.SUPER FLY
9.YEAH!! YEAH!! YEAH!!
10Going Crazy
11Summer Lover
ENCORE
12Choo Choo TRAIN

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T.M.Revolution 

KEYTALK 

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THE ORAL CIGARETTES 

Fear, and Loathing in Las Vegas 

UVERworld 

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