東京ゲームショウ2017から見るゲーム業界の現在と未来  vol. 4

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東京ゲームショウ2017総括 ゲームの本質を忘れない、インディーゲームの面白さ

東京ゲームショウ2017総括 ゲームの本質を忘れない、インディーゲームの面白さ

ジョン氏の見るインディーゲーム業界

ここで、DANGENに所属するジョン氏に話を聞いてみる。ジョン氏は10年間ゲーム業界に携わっており、かつてはGrasshopper Manufacture やQ-Gamesに所属し、日本のインディーゲーム開発の現場をその目で見てきた。そして現在は、海外インディーゲーム専門のパブリッシャーであるDANGENで活動し、インディーゲームイベントを主催するなど業界に多大な影響を与え続けている。そのジョン氏の目に、インディーゲーム業界の今後はどう映っているのだろうか?

▲笑顔が優しげなジョン・デイビス氏

ジョン氏はインディーゲームもコンシューマーゲームも好きだとお聞きしましたが、現在インディーゲーム専門のパブリッシャーに所属されている理由をお聞かせください。

ジョン インディーゲームは、ゲーム開発者と直接やりとりができて距離感を近く感じられ、コミュニティを築きやすいです。また、インディーゲームのほうが開発のサイクルが短く、一度に複数のゲームを取り扱いやすい。そういった理由で、インディーゲームは自分に合っていると思っています。 

インディーゲームを日本に定着させるために、どういった活動をされていますか? 

ジョン 日本はSteamを利用するユーザーがまだ少なく、Steamでゲームをリリースしても反響が多くない現状です。ただ、DANGENでSteamをアピールして普及させる、という働きは難しいので、すでに多くの人がプレイしているPlayStation®4やNintendo Switchでゲームをリリースして、インディーゲームに触ってもらえる機会を増やそうとしています。“indie MEGASHOW Tokyo”などのイベントを開催しているのも、同じようにインディーゲームに触ってもらう機会を増やす目的です。 

インディーゲームがビジネスとして発展していく可能性や勝算については、どのようにお考えでしょうか?

ジョン いまSteamで配信されているゲームの多くがインディーゲームであり、海外でのSteamの普及率を見る限り、すでに大きな市場が確立されています。また、インディーゲームはコンシューマーゲームに比べると開発コストが低く、大ヒットとならなくても、つぎのゲームの開発資金を得ることが可能です。開発者がそれをビジネスとして捉えているかどうかはともかく、私としてはビジネスとして成立していると思います。 

インディーゲームをビジネスとして取り扱ううえで、ディベロッパーとの交渉や広報活動で心がけていること、難しいことはありますか?

ジョン インディーゲーム開発者はフレキシブルに対応してくれることが多いのですが、ゲームに対するこだわりが強いので、何かを強制することがないように気をつけています。ローカライズの方法にしても、お互いのビジョンをしっかりと共有して、提案するようにしていますね。 

今後のインディーゲーム業界に期待することは何でしょうか?

ジョン 最初に“BitSummit”を開催したときは、認知度が低くサポートも多くありませんでした。それが毎年開催するうちにサポートが増えていって現在にいたるので、今後もそういった交流を継続していければと思います。 

ジョン氏のこれからの活動について教えてください 。

ジョン 自分の活動としては、世界中の開発会社同士をつなげて協力していくことができればと思います。“BitSummit”以外にもインディーゲームのイベントは増えつつあり、インディーゲームの市場が少しずつ広がっているので、それを発展させてインディーゲーム業界にいい影響を与えていきたいです。 

海外のインディーゲーム業界と比べると日本はまだまだこれから、としながら、ジョン氏も日本での盛り上がりを確かに感じている様子だった。今後もDANGENでは海外インディーゲームを日本に紹介しながら、イベント開催などを活発に行い、日本のインディーゲームシーンに貢献していくようだ。また、詳細は不明だが、日本のインディーゲームを海外に向けて紹介することも考えているとのこと。インディーゲーム業界において、日本と世界の架け橋になるキーパーソンとして、ジョン氏のさらなる活躍が期待される。

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