Interview

今年だけで出演作15作以上! 『あゝ、荒野』で“役を生きた” と語る山田裕貴が目指す役者像とは?

今年だけで出演作15作以上! 『あゝ、荒野』で“役を生きた” と語る山田裕貴が目指す役者像とは?

岸監督は現場ではキャストの方にまずやってみてもらうというスタイルだそうで、演技を観たいと思う俳優をキャスティングするというお話を伺ったことがあるんですが、山田さんはどのように現場に臨んでいたのでしょうか?

山田 基本的に演技はフィクションの中の“嘘”じゃないですか。でも僕はそれを本物にしたいので、本当に思わないとセリフも言えない。どの現場でも、お芝居ではなく“実際に役を生きる”をモットーにやっているんですけど、岸さんは自由にやらせてもらえるので、動きたくなかったら動かないし、込み上げてきちゃったらその感情のまま動いてもいいんです。後篇に、脚本上ではただ「劉輝さんに頭を下げる」としか書かれていないシーンがあったんですが、そのとき本当に感情が溢れてきてしまったので表情がクシャッとなりました。どの現場でも“本当の感情が生まれる”ということは大事にしたい部分で、(感情が)生まれなかったら動かない方がいいと思っています。心が動いていないのにセリフをそのまま言ったらそれは完全に嘘ですし。自分の中でその嘘は許せない。だから〈裕二〉と同じ状況に自分を追い込むために本気でボクシングをしたし、減量もしたし、試合前に本当にボクサーの方がやるようなグリコーゲンローディング(アスリートが行う食事法の一つ。別名カーボローディング)もしました。

そこまでご自身を追い込んで、まさに身を削って挑んだ作品だと思いますが、クランクアップのときはどんな心境でしたか?

山田 清々しい顔をしていたと思います。お酒も絶っていたので、その後、飲みに行きました(笑)。

どの作品でもそういう覚悟で臨んでいるとお聞きすると、山田さんの身体が心配になります。実際、大変ではないですか?

山田 大変ですね(笑)。でもそうじゃないと俳優じゃないですからね。

『HiGH&LOW』シリーズもありますし、『亜人』も公開されたばかり、ドラマも『僕たちがやりました』や、NHK大河の『おんな城主 直虎』にも出演されていて、出演作が相次いでいますよね。

山田 (芝居は)やりたいことなので、いろいろな現場に行けるというのはありがたいです。でも僕のことを皆さんが知っているかというと全然そんなことないと思うので、「ああ、あの人、いいよね」と思われるような俳優になりたいですね。

『HiGH&LOW』や『亜人』に比べて、『二度めの夏、二度と会えない君』ではガラッと雰囲気が変わって振れ幅の大きさに驚きました。これだけ多作だと撮影が重なってしまうこともあると思うのですが。

山田 よくあります。最近だと『トモダチゲーム』と『亜人』が重なっていました。『トモダチゲーム』はずっと人に嘘を付き続けるという設定だったんですけど、お芝居とはいえ、嘘を付き続けると精神的におかしくなってくるんですよ(笑)。それは僕の「本物でいたい」というモットーもあるから、たぶん本気になっちゃってるんですよね。例えばさっきからずっと「トイレに行きたい」と思っているのに何故か他のことをやってしまったりとか、身体と心がバラバラになっちゃって、プライベートが最悪になります(笑)。何もできなくなるし、役によって人当りも悪くなるし。友達はそんな僕をわかってくれる人しか残ってないです(笑)。だからといって評価されているわけではないので、もっともっと頑張らないといけないなと思っています。

多くの出演作を経て、今後はどのような俳優を目指していきたいのでしょうか?

山田 カメレオン俳優と呼ばれるようになりたいんですよね。『レオン』を観てゲイリー・オールドマンが大好きになったんですけど、別の作品に出ていたゲイリーに気付かなかったことがあったんです。エンドロールを見て、初めてゲイリーが出ていたことに気付いて、「え、どこにいた!?」ってすごく衝撃を受けたんです。そのとき、俳優とはこういうことだなと感じたので、僕も作品ごとにガラッと変わりたいです。もっと知られなくちゃいけないとは思っているんですけど……その反面、「どこに出てたの?」って気づかれないのも嬉しいっていう。矛盾しているかもしれませんね(笑)。

スタイリスト / 小田優士(Creative GUILD)
ヘアメイク / 仲田須加

衣装協力 / H>FRACTAL
LECHOPPE

山田裕貴

1990年生まれ、愛知県出身。2011年に「海賊戦隊ゴーカイジャー」(EX)にて俳優デビュー。その後、「GTO」(12/KTV)、『ライヴ』(14/井口昇 監督)、『ストロボ・エッジ』(15/廣木隆一 監督)、『ふきげんな過去』(16/前田司郎 監督)、『青空エール』(16/三木孝浩 監督)などに出演し、数々のドラマや映画、舞台で活躍中。2017年は、「ガキ☆ロック~浅草六区純情物語~」(Amazonプライム)、「3人のパパ」(TBS)、「おんな城主 直虎」(NHK)、「僕たちがやりました」(KTV)、「伊藤くん A to E」(MBS)、『闇金ドッグス5~7』(元木隆史 監督)、『HiGH&LOW THE MOVIE2/END OF SKY』(久保茂昭 監督・中茎強 監督)、『破裏拳ポリマー』(坂本浩一 監督)、『トモダチゲーム』『トモダチゲーム劇場版FINAL』(永江二朗 監督)、『二度めの夏、二度と会えない君』(中西健二 監督)、『亜人』(本広克行 監督)など多数の作品に出演。待機作に『HiGH& LOW THE MOVIE 3 THE FINAL MISSION』(11月11日公開/久保茂昭 監督・中茎強 監督)、『デメキン』(12月2日公開/山口義高 監督)がある。

オフィシャルサイト
http://www.watanabepro.co.jp/mypage/10000042/

オフィシャルTwitter
@00_yuki_Y

オフィシャルInstagram
@00_yuki_y

映画『あゝ、荒野』

前篇:2017年10月7日(土)公開
後篇:2017年10月21日(土)公開

【STORY】
2021年、東京・新宿。振り込め詐欺に手を染めて逮捕され、少年院にいた〈沢村新次〉(菅田将暉)が出所して久しぶりに古巣・新宿に戻ってきた。かつての仲間で、自分を裏切った〈山本裕二〉(山田裕貴)に復讐しようとした〈新次〉だったが、〈裕二〉は今は更生してプロボクサーとして生きていた。〈裕二〉に立ち向うも全く相手にならなかったことにショックを受けた〈新次〉は、ふとしたきっかけで知り合った〈二木建二〉(ヤン・イクチュン)と共に、“片目”こと〈堀口〉(ユースケ・サンタマリア)がトレーナーを務めるボロボロのボクシングジムに住み込むことになる。〈新次〉は幼い頃に母親に捨てられ、〈建二〉は父親とコミュニケーションが取れない。見た目も性格も正反対の二人だが孤独に生きてきたことは共通しており、お互いを想う深い絆と友情を育みながら、リングネーム〈新宿新次〉と〈バリカン建二〉として、それぞれプロボクサーを目指す。

【原作】寺山修司『あゝ、荒野』(角川文庫)
【監督】岸 善幸
【脚本】港 岳彦 岸 善幸
【出演】菅田将暉 ヤン・イクチュン
木下あかり モロ師岡 高橋和也 今野杏南 山田裕貴
河井青葉 前原 滉 萩原利久 小林且弥 川口 覚 山本浩司 鈴木卓爾 山中 崇
でんでん 木村多江 ユースケ・サンタマリア
【音楽】岩代太郎
【主題歌】BRAHMAN「今夜」
(NOFRAMES recordings / TOY’S FACTORY / TACTICS RECORDS)
【配給】スターサンズ

オフィシャルサイトhttp://kouya-film.jp/

©2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ

『あゝ、荒野』原作

あゝ、荒野
寺山修司(著) / 角川文庫

『あゝ、荒野』主題歌

【BRAHMAN】
今夜 / ナミノウタゲ

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