Interview

ベリーグッドマン、“自分たちらしさ”にこだわり、辿り着いた『SING SING SING 5』という回答

ベリーグッドマン、“自分たちらしさ”にこだわり、辿り着いた『SING SING SING 5』という回答

2017年年末からホールツアー「“てっぺんとるぞ宣言”ツアー 2017-2018 ~超好感男と貴方~」を控え、ますますパワーアップしているベリーグッドマン。
昨年メジャーデビューと思えない勢いで、彼らが大事にしているコンセプト“リスナーに寄り添う音楽”が浸透してきている。
それは、彼ら自らの発する音楽にある種の説得力があるからに他ならないと思い、その説得力はどうして産まれたのか、アルバムが完成したばかりのRoverとMOCAに話を訊いた。
べリグ流というものへのこだわりが多くのリスナー獲得につながっているのが良くわかる取材となった。

取材・文 / 岡本 明 撮影 / コザイリサ

3人組なので、ダーツでいっぺんに3本投げられる感じです。

1年ぶりに通算5枚目となるアルバム『SING SING SING 5』がリリースされますけれど、この1年に書き溜めた曲ということになるんですか?

MOCA いえ、書き溜めたりはしないです。アルバムが完成したら、全然、曲を作らないので(笑)。

今年に入ってから制作を始めた感じですか?

Rover 4月頃からですね。ペースとしては好調でしたけど、学習しました。今まではカツカツのスケジュールでやっていたので、前倒しでやるのは無理だろうという話をしました。

タイアップの曲が多いので、そのスケジュールもありますよね。

Rover それもあって助かりました。もちろん、クライアントの方の想いとか意図があるので、そこの筋を通しながら自分たちの個性を出すわけですけど、難しいようで僕らは得意なんです。ダメだったら言ってくれるので。今までは何もないところから自分たちがいいだろうと思うものを作っていましたけど、ある程度テーマを決めていただいたほうが作りやすいですね。3人組なので、ダーツでいっぺんに3本投げられる感じです。どれか1本は当たる(笑)。MOCAはラップ寄りで歌って、僕が歌い上げて、HiDEXがハイトーンのパートを歌う。それもミドルテンポで仕上げると、どこかにハマるだろうと。ベリーグッドマンはこれ、というものがまだない分、意外な曲を出せたりするんです。

左:Rover 右:MOCA

でも、そろそろ自分たちらしさも確立しつつあるんじゃないですか?

MOCA アッパーなテンポのライブで使える曲と、メッセージソングと、バラード。この3本はこれからもあまり変わっていかないかなと思っていて。そこに今回の「Pain, Pain Go Away feat.MUTSUKI from Softly」が入ってくることで、サウンド的にも新しいし、Roverのメロディも斬新だし、MUTSUKIちゃんがフィーチャリングで歌うというのも新しいですからね。だから、大きな軸となる方向性は見えているんですけど、ヒット曲と呼べるものが僕らにはまだ実感がないので、何でもやれるということですね。

今の話にもありましたけど、「Pain,~」は初のフィーチャリングというのが意外でした。

MOCA 吹奏楽部(「ライトスタンド」)とか合唱団(「ありがとう~旅立ちの声~」)とはフィーチャリングという形をとらせてもらっていますけど、ゲストボーカルということですね。阿佐ヶ谷姉妹さん(「ありがとう~旅立ちの声~」)をシンガーと捉えないのであれば、初のフィーチャリングです(笑)。僕はそこは気にしているんですけど(笑)。

女性の声が入っていたほうがこの曲に合うということで?

Rover そうですね、男だけで女の人のことは歌えないなとシンプルに思ったので。もちろん、番組(ドラマ「伊藤くん A to E」)のコンセプトもあったし、女心を歌わないといけないので、フィーチャリングの女性ボーカルが必要だなと思いました。

なのにミュージックビデオではMUTSUKIさん本人じゃなくて、尼神インターの誠子さんが出演されているのに驚きましたけど?

MOCA MUTUSKIちゃんもNG出すでしょ。こんな曲、出られませんって(笑)。

Rover どんな顔で演技したらええの?って(笑)。でも、そこは大阪人のノリで、誠子さんにバカになっていただいたわけですけど。

いきなりアップで始まりますけれど。

MOCA あれ、かわいく見えますよね(笑)。しかも同い年だというのが分かって。

アルバムの冒頭から気持ちいい始まり方ですね。

Rover そうですね、初のフィーチャリング曲を最初に持って来て、しかも「痛いの痛いの飛んでいけ」って、ベリーグッドマン、何があったんだ?という驚きからの始まりで新しいと思います。

「Future」はアッパーでメッセージ色のある、濃い曲ですね。

MOCA 僕らのバックDJをしてくれている先輩がいて、その人が持ってきたトラックで。CMタイアップの依頼が来て、それは通らなかったんですけど、いい感じやから出そうと。

攻める曲が続きますね。「ハイライト」は聴き手を元気づける曲だし。

MOCA 僕らの曲は中高生の子たち、特にスポーツ選手を応援している子たちがよく聴いてくれている状況になってきていて。そこにもっと夢や希望を与えられる曲を作ろうと思いました。もちろん、アスリートの方々も僕らの曲を聴いて励まされていると言ってくださっているので、いいバランスのところで作れないかなと。3部作と言われてますけど、「ファンファーレ」という曲が一番最初に作ったアルバムに入っているので、4曲目という感覚ですね。

シリーズ化されてますね。

MOCA 「ライトスタンド」「ライオン」「ハイライト」ときたから、次は何に行く?

Rover 難しいな。自分たちで首を絞めているようなものですね(笑)。振り切った方向に行くのか、確実な路線に行くのか。でも、まずは楽曲優先ですね、タイトルは何でもいいので。「男祭り」でもいいし(笑)。でも、例えば半年後に作るとなったら、半年後に僕らが「ハイライト」を歌えるキャパシティを超えていて、それで次に進めるならいいんですけど、まだ「ハイライト」を歌い込んでいないのに次の曲を出すのは僕たちらしくないというか。そこは悩むところです。「ハイライト」を確実に消化してから次の応援歌を出したいです。

MOCA 「ライオン」も結構、時間かかった。

作った時点ではまだ自分たちのものになりきっていない?

Rover なりきってないですね。

MOCA 「ライオン」を最初に披露したのはMTVのライブで。その時、僕は個人的にこの曲は一生、歌われへんかもって思った。でも、今はメッチャ沁み込んでますね。血流ぐらい、きれいに消化できてます。

Rover MOCAの血流は汚そうやけどな(笑)。

MOCA どす黒いって言われるけどな。…おい!

血流になるまでって、すごいですね。

MOCA 不思議なもので入っていくんです。これがスタジオで練習だけやっていても入っていかないですけど、ライブを経てみんなと育てていくみたいな。