Interview

ベリーグッドマン、“自分たちらしさ”にこだわり、辿り着いた『SING SING SING 5』という回答

ベリーグッドマン、“自分たちらしさ”にこだわり、辿り着いた『SING SING SING 5』という回答

世間のほとんどの恋愛はうまくいってないんだよ、片想いの恋愛ソングを作れって言われて

「大切なもの」はRoverさんが今までで一番悩んだ曲だそうですけど?

Rover そうなんです。ディレクターとMOCAとスタジオにこもって作業してて、宿題的にディレクターから、こういう感じの曲が合うんじゃないかと鍵盤でフレーズを提示していただいたんですけど、そのコード進行が複雑すぎて。自分の能力がついていかなくて、そのテクニカルな感じも気に入らなかったんですね。3回スタジオに入ったんですけど、1~2回目は僕、スルーしてて。家で考えてたんですけど、なかなかメロディが出ないんですよ。出てきたのはツアーの初日の前々日だったんです。スタジオに入っていて、夜11時ぐらいにできて。でも一回帳消しにして、もう一回12時ごろにできたんですけど。それで録ったんです、ガラガラの声で(笑)。マネージャーからは、大丈夫か?この曲、ベリグの曲じゃないよねっていう空気感があったんですけど。でも、ディレクターは興奮してて(笑)。しかも、中部電力のコンペに出したらタイアップが決まって、デモの状態から録り直したら、意外にハマったんです。奇跡ってこれなんだと思いました。これはないだろうと思った曲なのに。いや、いい曲なんですけど、らしくないというか、かゆくなるような曲だったので(笑)。でもいい感じに仕上がったというか、いいポップソングですね。

帳消しにした時点できれいにリセットされて、新しい気持ちで作れたんでしょうね?

Rover 正直、早く帰りたかったんです、メッチャ疲れていたので(笑)。なんでメロディが出てこないのかと思ったら、好みじゃないコード進行だったんです。でも、そこで標準点をとれるメロディを書こうと思ってできたのがこの曲ですね。同じことをもう一回やれと言われてもできないと思いますけど。

そうやって生まれることってあるんですね。「ずっと」はきれいなバラードで、一般のリスナーにも響く普遍的な曲ですね。

Rover 僕がソロでギターを弾きながら歌っていた時はこういうメロディをよく書いていて。僕がサビを歌うならやりたい、これをやらせてくれるなら頑張るけどなって思っていたら、先にタイアップが決まりました。

「片想いの恋」は『恋んトス』のオープニング曲ですね。

Rover 3シーズン目ですね、今回はシーズン6のオープニングに使っていただいています。最初に何も考えずに出したのが「君に恋をしています」でしたけど、次の「はじまりの恋」は難しかったですね。しかも、今回は3連続だし、番組を知ってしまっているからよけい難しくて。そんな中でMOCAが救世主で、めちゃくちゃ切ないサビを持ってきたんですよ。この「片想いの恋」はMOCAの手柄というか、アイデアがあったおかげです。

MOCA 六本木で飲んだ友達がアイデアをくれましたね。ベリーグッドマンはハッピーな曲が多いけど、世間のほとんどの恋愛はうまくいってないんだよ、結婚して幸せなのはお前だけじゃないか、片想いの恋愛ソングを作れって言われて。それで、サビを考えてRoverに歌って聴かせたんです。そこから原型をとどめないぐらい変わってますけどね(笑)。

Rover 元は何これ?歌かな?雄たけびかな?っていう感じでしたけど(笑)。トラック流しながら歌ってくれたですけど、その瞬間、いいやん!ってなりました。

MOCA 僕は音のどこが気持ちいいとか分からなくて、定番の気持ちいいところしか聴こえてこないんですけど。Roverがここはこうしたらかっこええでって、そこからどんどん色づいていきました。

そして「One Love」」はかなり前からあった曲だそうですけど?

Rover 僕が24歳の頃に作った、ソロの手作りCD『パワー』に入ってます(笑)。それが5~6年前ですけど、そこから何かやろうと思っていたら、HiDEXがやろうやろうって言ってくれて。いつのタイミングでやろうか先延ばしになっていたんですけど、夏フェスが決まり始めて、こういうサンセットでも昼間でも似合うテンポ感で、お酒片手に揺れていられる曲がいいねっていうことで決めて。

ボサノバっぽい感じですね。

Rover そうです、夏に似合いそうな使い道があるのでやっちゃおうかというノリだったんですけど、実際に録ってみたら気持ちよくて。ボサノバのリズムもこれまでになかったから新しいなと思います。気持ちいいし、3人の個性も出ているし。

3人で別のパートを歌ってますよね。

Rover 歌ってます。実はサビが2つあるんですけど、それも独特な感じでいいかなと。

「Anniversary」は3周年を迎えた、あべのハルカスのイメージソング。

Rover まさに「Anniversary」ですけど、誕生日だけに特化しないでおこうと思ったんです。でも、冒頭に“Happy birthday~”と言っていたり、ライブでサプライズできるようにという感じですね。

歌詞の“今日も世界のどこかでアニバーサリー”が効いてますね。

Rover 今日だって、ありますよ。メチャクチャでかいテーマで書きすぎました(笑)。

「飲みニケーション」はタイトル通りの曲ですけれど。

MOCA これに苦しめられたアルバムだったかもしれません。オケはあったけれど、最後までできなくて。僕が担当みたいな空気になっていたんですけど、辞めました。全然メロディが出てこない。

Rover 僕がアッパーな曲が苦手なので、お願いするわって。でも、3か月ぐらい出てこなくて地獄を見ました。

MOCA もう、オケを聴きたくなかったですもん。

何がきっかけでできたんですか?

Rover 納期が迫ってきたからです(笑)。

MOCA 最初はかっこよくいこうと思ってたんです、オケをHiDEXが作ってくれたのでリスペクトして。でも、パチンコのフィーバーみたいなイメージしか思い浮かばなくて(笑)。

Rover 下町ローテーションみたいなことを歌おうとしたんです、朝は何時にどこの喫茶店に行ってとか。MOCAが先にバースを書いてきたんですけど、それでも僕はできなくて。その時点でもう諦めたんです。アルバムは12曲入りでもいいと思ったんですけど、最後にHiDEXがライブ(向け)の曲だからやろうって。下町ローテーションで書いたサビが使われたので、そこからは行けたんですけど。なぜかライブ曲はいつも後回しにして。

MOCA それで痛い目に合うんです。

ピースを上に、ピースを下に、というのも印象的ですね。

MOCA あれは新潟のライブで突然生まれたんです。HiDEXがなぜか一番気に入ってくれているメロディで、これを入れようと。

ライブの絵が浮かびますね。「You」はスケールの大きな曲に仕上がっていて。

MOCA これはHiDEXがメロディもオケも上げてきて。みんなが感動して泣くような曲を歌える自分たちになってきたなというか、今の環境だったら歌えると思えたので。

初のホールツアー、表現者として身体と喉で伝えないといけない

ピンポイントで音楽の力を歌っていますね。

Rover そうですね。優しい歌という仮タイトルだったんですけど、今回のツアーのサブタイトルが~超好感男と貴方~なので、Youにしちゃえよ。

MOCA 僕たちの初のホールツアーが決まったんですけど、規模が大きくなってベリーグッドマンが有名になるのは嬉しいけど寂しい、みたいなSNSのつぶやきとか見ていると、そう思ってくれる人がいるんだというところにリンクしますね。ベリーグッドマンは一人ずつ目を見て一対一で歌いますという気持ちとリンクしているというか。なので、アンコール近くで歌いたい曲です。ステージに桜が降るかもしれないです(笑)。

「とにかくこの瞬間だけはアイドルになりたくて」は異色作ですね。

MOCA 問題作ですね。これからの音楽人生を左右するような。

Rover と言ってますけど、タイトルだけ決めて、全部僕に作らせたんですよ(笑)。

MOCA:タイトルだけ決めて、僕は何もしてないです(笑)。メッセージソングで真面目な曲を書いている僕たちだからこそ、見た目もパッとしない子もこの瞬間だけはアイドルになりたいっていう気持ちに共感するんですよ。何とも切なく笑える曲なんじゃないかなと、俯瞰で見てますね。デモが来た時、笑い死にしそうでしたけど(笑)。

Rover アイドルをいじるというのは良くないですけど、アイドルと同じクオリティで作るというのは難しいんですよ。この曲も悩みました。サビも一回変えてますし。でも、もっといけたなという想いもあるんです。次は、このタイトルじゃなくてマジのタイトルつけようかなと。

MOCA 僕らとしてはギャグ、ネタというエッセンスを含んでいるんですけど、そう聴いてもらえなくて。一生懸命歌ってると思われて、うまい笑いにつながらないんです。そこは、かえって恥ずかしいんですけど。

Rover これをアイドルの人に歌ってもらうのが夢ですね。地方のアイドルとか、無名のアイドルとか。佐賀で地下アイドルをやっている7人組とかにカバーしてもらいたいですけど。

MOCA ライブではあえて口パクにしようと思っているんです。ギャグなんですけど、これで泣いている人がいたら責任問題なので。

Rover 音楽の力ってそうですよ、いくらふざけていてもふざけきれない。

応援歌と捉える人もいるでしょうね、

MOCA 来年の甲子園でこの曲が使われていたり(笑)。

Rover これで爆笑しましたってなったら、アイドルをいじっていることになるから、それはダサいと思うので。分かる人だけクスッと笑ってもらえたらいいかな。

最後は「はじまり恋」のリミックスで終わりますね。

Rover これは「はじまりの恋」でベリーグッドマンを知ってくれた人が多いので、秋口にちょっとムーディーなアレンジにして出そうと。ロングセールにしたいとレーベルと話し合って決めたんです。HiDEXのお兄さんがトラックメーカーなんですけど、お願いしたら予想以上のムーディーさで返ってきたので良かったです。楽曲の力もあるかもしれないけれど、9割はアレンジの力ですね。

先ほどの話にもありましたけれど、年末には12月29日からホールツアーが始まりますね?

MOCA 今まで僕ら、1時間半から2時間ぐらいのセットリストで、ライブハウスでやっていたんですけど。そのキャパをホールに持ち上げることができて、小さい子から年配の方まで来てもらえるチャンスなので動員を頑張りたいですね。着席できるので、座ったり立ってもらったり、今までと変えていったほうが面白いかなと思います。ホールならではのアイデアを今考えているところです。ライブハウスだとスタンディングで詰め詰めなこともあって、バラードとかあまり歌ってなかったんですけど、RoverとHiDEXの強みはバラードだと思っているので、「ずっと」の置きどころとかポイントになってくると思ってます。

Rover 緊張しますね、ホールツアーは初めてなので。音の返りも違うし、不安もあります。しかも新しいタイプの曲が生まれているので、これを表現者として身体と喉で伝えないといけない。そうとうな訓練と準備が必要ですね。でも、これをクリアしたら多少は一人前になれるのかなという想いもあるんです。成長した姿を思うと楽しみですね。

ベリーグッドマンさん画像ギャラリー

ライブ情報

”てっぺんとるぞ宣言”ツアー 2017-2018 ~超好感男と貴方~
12月29日(金) 大阪:オリックス劇場
12月30日(土) 大阪:オリックス劇場
01月08日(月・祝) 福岡:福岡市民会館
01月14日(日) 名古屋:愛知県芸術劇場大ホール
01月27日(土) 東京:中野サンプラザ

ベリーグッドマン (BERRY GOODMAN)

Rover(ロバー) [Vo, Gt, Tp]:1988年5月29日生
MOCA (モカ) [Vo, MC]:1988年4月24日生
HiDEX (ヒデックス) [Vo, TrackMaker, Pf, Gt, Perc]:1988年11月18日生
2013年11月に結成した「Rover」「MOCA」「HiDEX」からなる大阪出身の3人組ボーカルユニット。
2016年3月に「ありがとう〜旅立ちの声〜」でユニバーサルミュージックからメジャーデビュー。10月5日にはメジャー1stアルバム「SING SING SING 4」をリリース。
3声の美しすぎるハーモニーとラップ、秀逸なトラック、リリックが世代を越えた共感を呼んでおり、次世代を牽引するアーティストの呼び声が高い。
2016年秋の全国ツアーでは大阪なんばHatchを、そして2017年春の全国ツアーではZepp Osaka Bayside をSOLD OUT!
元広島カープの前田健太投手や鈴木誠也選手、オリックス・バッファローズのT-岡田選手、西武ライオンズの増田達至投手など、プロ野球選手の登場曲などで彼らの楽曲が使用されている。またオリンピック体操金メダリストの白井健三選手がテレビ番組で自分自身の応援ソングとして「ライトスタンド」を紹介するなど多くのスポーツ選手に愛されている。
今後更に黄金トリニティを築き、オンリーワンでナンバーワンを目指すアーティスト。
オフィシャルファンサイトhttps://berrygoodman.com/

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