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「今日は俺の戦いを見て」──ミュージカル『刀剣乱舞』加州清光 単騎出陣!妖艶なパフォーマンスで魅了する佐藤流司の男らしさと愛らしさ

「今日は俺の戦いを見て」──ミュージカル『刀剣乱舞』加州清光 単騎出陣!妖艶なパフォーマンスで魅了する佐藤流司の男らしさと愛らしさ

「ミュージカル『刀剣乱舞』加州清光 単騎出陣2017」が10月5日より15日まで天王洲 銀河劇場にて上演された。2.5次元の世界では様々なビッグタイトルがひしきめき合っているが、単一キャラクターによるソロライヴは異例中の異例。満席の観客を釘付けにした、加州清光のたった一振りの戦いをここに完全レポートする。

取材・文・撮影 / 横川良明

背徳のマスカレード。妖しく、艶やかに、単騎出陣の幕が上がる

ソロライヴとは、ステージに上がる者にとって相当の勇気を要する。観客の視線も期待も、すべて矛先は自分だけ。もちろん頼れるバックダンサーの支えはあるものの、普段の舞台のように共演者に助けを求めることはできない。約75分、自分のパフォーマンスで観客を惹きつける。そこには、その板に立った者にしかわからないプレッシャーと恐怖がある。

そんな孤独な出陣を果たした加州清光は、結論から言うと、ただただ美しかった。一心に注がれる視線も、加州清光にとっては我が身を着飾る装飾品のひとつ。主の愛を独り占めできることに、むしろ喜びを感じているようでさえあった。

開幕とともに、舞台上方に浮かび上がったのは、巨大なベネチアンマスク。その下には、豪奢なソファで足を組む加州清光と、従者のような男たち。加州清光の目元は、赤い羽根付きマスクで隠されている。さしずめ背徳のマスカレードの始まりか。いつになく淫靡でミステリアスなムードをまとい、単騎出陣はスタートした。

前半戦は、仮面舞踏会の雰囲気そのままに、ドラマチックなナンバーで盛り上げる。加州清光は中世貴族を彷彿とさせる黒のジュストコールに革手袋。さらにシルクハットをかぶって、ちょっとダークな正装スタイル。そこから帽子と手袋をはずすと、チャームポイントである赤のマニキュアが。今日はこの赤のマニキュアがどの振りにもよく映えて、一層艶めかしさを引き立てていた。

「俺、加州清光。川の下の子、河原の子ってね」とおなじみの口上で挨拶を述べると、「今日は俺の戦いを見てってよね」と余裕の笑み。さらにそこからこの日初披露の新曲へ続く。幽霊屋敷のようなホラーテイストのメロディラインから、サビは一転して突き抜け感のあるアップチューンに。まさに、このゴシックな世界観を象徴したような良曲だ。

さらに、加州清光の背中から白い大きな羽根が広がる場面は、堕天使そのもの。射抜くような加州清光の目力もあって、神々しいのにどこか恐ろしいという、中世ヨーロッパの宗教画のような一場面となった。

その直後の、加州清光が目隠しをされる場面も、実にエロティックだ。赤いロープに自由を奪われ、拘束具をはめられる加州清光の姿は、禁忌的で、何かいけないものを見ているような気分に。そこから加州清光は身を抱くようにして狂おしく歌い上げる。最後に椅子に身を預け、天を仰ぐ光景は、降り注ぐ光の煌めきも相まって、このまま大聖堂の壁画にしてしまいたいくらい。その美しさ、世界遺産級である。

セクシーで、キュートで、カッコいい。加州清光の魅力が詰まった75分

ジュストコールを脱いで、軽装になった加州清光は、ここからアッパーなダンスチューンで一気に観客を盛り上げていく。前半はシリアスな表情が多かったが、曲調に合わせ徐々に明るい笑顔が見られるように。つい先ほどまでは退廃的な色気で観客を酔わせていた男が、一転して今度は少年のような無防備な笑顔で心を鷲掴みにする。そんな反則めいた二面性も、加州清光の魅力のひとつだろう。

二度目のMCでは「ここに来る前に(大和守)安定にお見送りしてもらったんだけど、安定がずーっとこっちを見てて、心配してくれてるんだなと思ったんだけど、よくよく考えたら羨ましいだけだと思う」と喧嘩仲間らしいエピソードを披露。「ひとりだからって俺が見劣りするような戦い方するわけないだろ」と自信たっぷりに宣言すると、奥から和太鼓が登場。意気揚々とジャケットを脱ぎ捨て、上腕二頭筋をあらわに。これだけ美しい顔をしていながらも、腕まわりにも胸にもほどよく筋肉がついているのが見て取れる。そんな肉体美を惜しげもなくさらし、勇壮にバチをふるう。雷鳴のような太鼓の音と、眩しく光る透明な汗。最後は「主、褒めて」と言わんばかりの笑顔で決めポーズ。その男らしさと愛らしさのギャップに、全主が撃沈するに違いない。

そして最後はいつもの加州清光ルックに着替え、時間遡行軍と鮮やかな斬り合いを披露。もちろんどの加州清光も素敵だけれど、やっぱりこうして刀を構え、敵を討つ姿がいちばんカッコいい。そう再確認するような堂々たる立ち回りだった。打刀を天に掲げる姿は凛々しく、刀先を肘の内側で拭うように振るう仕草は、いかにも好戦的で勇ましい。定番のナンバーに乗せて加州清光が戦う場面は、ファンならずとも心躍る最大のハイライトだ。

若干のMCはあるものの、基本的には約75分、ほぼ切れ目なく歌とダンスと殺陣で攻めまくる。これをひとりですべてこなすのだから、加州清光役の佐藤流司にかかる負荷は相当ハードだ。だが、佐藤は6人のバックダンサーと力を合わせ、その高い壁を堂々と乗り越えた。時折盛り込まれるファルセットは心地良い清涼感があり、ビブラートも伸びやかだ。激しいダンスが多いにもかかわらず終盤になっても疲れはまるで見せない。数多の舞台で鍛え上げられた証だろう。今や“2.5次元界のプリンス”の呼び声高い佐藤だが、そのポテンシャルの高さを改めて証明したステージだった。ミュージカル『刀剣乱舞』のさらなる進化とともに、佐藤流司のこれからにますます期待したい。

ミュージカル『刀剣乱舞』加州清光 単騎出陣2017

2017年10月5日(木)~10月15日(日)天王洲 銀河劇場 

2原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus)
構成・演出・振付:本山新之助
出演:
加州清光 役 佐藤流司
バックダンサー 金子直行 KOUKI Show-Me 南條良輔 村上雅貴 青木 謙

★“刀剣男士 加州清光”として初のソロCDリリース決定!詳細は後日発表!!

ミュージカル『刀剣乱舞』2017年秋 新作公演

【東京】2017年11月4日(土)~11月12日(日) TOKYO DOME CITY HALL
【京都】2017年11月17日(金)~11月19日(日) 京都劇場
【東京凱旋】2018年1月6日(土)~1月14日(日) 日本青年館ホール
【大阪】2018年1月26日(金)~1月30日(火) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ 

原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus)
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付・ステージング:本山新之助 

出演:
三日月宗近 役 黒羽麻璃央
小狐丸 役 北園 涼
岩融 役 佐伯大地
今剣 役 大平峻也
髭切 役 三浦宏規
膝丸 役 高野 洸 

武蔵坊弁慶 役 田中しげ美
源義経 役 荒木健太朗
源頼朝 役 奥野正明
藤原泰衡 役 加古臨王
ほか 

ミュージカル『刀剣乱舞』 ~真剣乱舞祭2017~

【東京】2017年12月8日(金)~12月9日(土) 日本武道館
【大阪】2017年12月12日(火)~12月13日(水)大阪城ホール
【埼玉】2017年12月19日(火)~12月20日(水) さいたまスーパーアリーナ 

原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus)
総合演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付・ステージング:本山新之助
振付:TETSUHARU 

出演:
三日月宗近 役 黒羽麻璃央
小狐丸 役 北園 涼
石切丸 役 崎山つばさ
岩融 役 佐伯大地
今剣 役 大平峻也
加州清光 役 佐藤流司
和泉守兼定 役 有澤樟太郎
蜂須賀虎徹 役 高橋健介
長曽祢虎徹 役 伊万里 有
にっかり青江 役 荒木宏文
千子村正 役 太田基裕
蜻蛉切 役 spi
物吉貞宗 役 横田龍儀
大倶利伽羅 役 財木琢磨
髭切 役 三浦宏規
膝丸 役 高野 洸
ほか

主催:ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM.com ユークリッド・エージェンシー)

ミュージカル『刀剣乱舞』オフィシャルサイト