Interview

森川葵・北村匠海・佐藤寛太のトライアングルが魅せる!究極のパートナー選びに揺れる『恋と嘘』の心模様

森川葵・北村匠海・佐藤寛太のトライアングルが魅せる!究極のパートナー選びに揺れる『恋と嘘』の心模様

アプリ「マンガボックス」で連載中、既刊6巻の単行本も160万部を突破したムサヲ作の『恋と嘘』。人気の原作とつながりを持つアナザーストーリーが、青春&ラブストーリーの名手・古澤健監督によって、このほど映画化された。最高の幼なじみと、政府が選んだ最良の結婚相手の間で揺れる主人公。その心模様を織りなした森川葵・北村匠海・佐藤寛太の3人に、撮影を振り返ってもらった。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 森崎純子

撮影現場では古澤健監督が佐藤寛太を〝溺愛〟していたという疑惑が…

映画版『恋と嘘』はラブストーリーにして青春ものやSFの要素もありつつ、「自分の幸せとは自ら選択するもの」というメッセージを投げかける意欲作であると感じました。お三方は、この物語の世界観をどのようにとらえたのでしょうか?

森川 私は、この〝政府通知〟というシステムもいいなって、肯定的にとらえました。だって、ほぼ運命の相手として厳選されているわけじゃないですか。そんな人が、必ず目の前に現れてくれるというのは、ありがたいなって。現実の世界では、どこかに運命の人がいたとしても出逢えるとは限らないし、可能性だってけっして高いとは言えないことを考えると、必ず出逢わせてくれるというのは、ちょっとスゴいことかもしれないと思うんですよね。

佐藤 そうですね。そういう考え方もできますよね。

北村 僕も肯定派です。というか、この作品の撮影を経て肯定派になりました。『恋と嘘』の世界は政府の監視下に置かれて堅いイメージも確かにありますけど、誰もが同等の権利を得られるという制度は恵まれているのかな、とも思います。しかも、最終的にどうするか選択する自由もありますし。一方で、きっかけにすぎないと言いつつ、ちょっと押しつけがましいところも感じますけど…撮影を進めていって、できあがった本編を観た結果、肯定的に捉えらえるようになりました。

佐藤 僕は…2人とは反対に否定派なんです。佐藤寛太としては、そこは自由に選択していきたいなというのがあるんですよね。でも、今回演じた高千穂蒼佑という役があまり人に心を開きたがらない、なるべく1人で生きていこうという役だったので、そういう閉鎖的な人にとっては助かる制度なのかもしれないな、と思ってもいて。実際、蒼佑は劇中で「友だちがいない」と言っていますし(笑)。

©2017『恋と嘘』製作委員会 ©ムサヲ/講談社

でも、実は高千穂ってイイやつなんですよね。

森川 そう! イイやつなんですよ~。

佐藤 でしょ! 本当は素直なんですよ。

北村 実はイイやつだから、何かジェラシーを感じちゃうんだよね(笑)。

佐藤 マジで!? うれしいなぁ(笑)。

北村 男女問わず、高千穂のことを好きになると思うなぁ。

森川 恋するかどうかはともかく、高千穂とは友だちになりたいよね。

佐藤 よし、友だちになろう(笑)!

先ほど北村さんも完成した映画を観て、と触れていましたが、率直に観終えてどのように感じましたか?

森川 登場する2人の男の子がすごく魅力的なので、映画を観た時に「そりゃ、葵(※今作の森川は役名が仁坂葵)も迷うよなぁ」って。演じた身としても、1人の観客としても、葵の気持ちになりながら、グラグラと心を揺らしながら観ていました。2人とも、本当によかったなぁ…。

森川葵

北村 褒めても何も出ないよ(笑)。

森川 え~っ、何かチョコとかでいいから(笑)。

佐藤 ねだるんかい(笑)。

森川 でも真面目な話、司馬(北村)も高千穂(佐藤)もそれぞれの良さがあるから、選べないんだよね。どっちも優しいし、葵のことを思いやっていて、自分の気持ちを押しつけてこないのが、いいなぁって。どっちも魅力的で困りました(笑)。しかも、政府通知の〝運命の相手〟と幼なじみの間で揺れるっていうシチュエーションが、実生活ではないから、「明日の16歳の誕生日、政府通知の相手が知らされる!」というドキドキ感も想像でしかなくて。どうやって演じていこうかな、と思ったのも確かなんですよね。

北村 『恋と嘘』の世界では、政府通知の相手と結婚するのが当たり前になっているからね。親もそうやって結婚したわけで。でも、僕からしても仁坂葵という女の子は魅力的に映ったんですよ。さっき寛太くんとも話したんですけど、目から伝わってくるものがあるよね、と。

佐藤 そう、目が素敵だよねって。

森川 わ~い、うれしー!

北村匠海

北村 演じようによっては、同性から疎まれるタイプだと思うんですよ、仁坂葵は。でも、映画を観ていて、いっさい嫌味に感じなかったんです。さすが“森川葵”だと思いました。

森川 いま言ってくれたように、本当に難しかったのね、葵っていう子は。一歩間違えると、すごく嫌味に映ってしまうから。

北村 しかも、仁坂葵が嫌味な女の子に見えたら、この物語って成立しないから。

森川 だから、そこは古澤(健)監督とも話しながら、芝居を固めていって。

佐藤 うん、そこに関しては結構話していたよね。

森川 でも監督、寛太くんとすぐ2人でどこかへ行っちゃうんですよ(笑)。

佐藤 芝居と関係ない話とかもしていたからね。生まれたばかりの監督のお子さんの動画を観たりして。あれは癒やされた…。

森川 私と寛太くんの2人のシーンなのに、なぜか監督と寛太くんで消えちゃうんですよ。なので、私だけポツーンと残されるっていう。

佐藤 いやいやいや…そういうつもりでは全然なかったんですけど(笑)。

©2017『恋と嘘』製作委員会 ©ムサヲ/講談社

森川 何か仲良しでした。っていうか、古澤監督、絶対に寛太くんのこと好きだよね! 愛がダダ漏れしてたもん。

佐藤 違うんですよ! 葵ちゃんとのシーンの時に、高千穂としてサプライズ的な動きをしたいなと思ったことが結構あって、それで監督に相談をしていたんですけど、葵ちゃんに話が聞こえないところへ行こうということになって…ってことなんですよ。

森川 あ、そうだったんだ~。ということは、私がちゃんと寛太くんのアイデアを受け止め切れてなかったんだ…(笑)。

佐藤 いや、そういうわけじゃなくって~。

北村 僕から見ても、古澤監督は寛太くんのことを溺愛してましたね(笑)。寛太くんの話をする時、すごく楽しそうな顔をされるんです。

森川 そうそう、すごく楽しそうだった!

大きな意味を持つ3回のキスから、恋と嘘の関係性が見えてくる。

古澤監督はユニークでいらっしゃると、これまでの監督の作品の取材で耳にしているんですが、「恋と嘘」の現場ではどうでしたか?

北村 はい、とても面白かったです!

佐藤 いつもニコちゃんマークのついたキャップをかぶっていたのが印象的で(笑)。

北村 常に役者の僕たちと同じ目線で話してくださる監督さんでした。

佐藤 「一緒につくっていこう!」って言ってくださるんです。

北村 僕たちに「俺はこう思うけど、どう思う?」って必ず問いかけてくださるんです。

佐藤 それがすごくうれしいんですよ。

北村 役者として信頼されているんだなってモチベーションを上げてくださるんです。

佐藤 その分、プレッシャーもあるんですけど…やっぱりうれしくて。

佐藤寛太

北村 カットを掛ける時、いい芝居だったかどうかがわかりやすいんです。いい時は、「カット~!」って(笑)。

佐藤 今イチの時は「ん~」って(笑)。

森川 あと、現場ではモニターじゃなくて、カメラの横にいて私たちのお芝居を見てくださっているんですよ。なので、しっかり見てくれているんだというのが伝わってくるんです。モニターを通して見ている監督が役者の芝居を見ていない、というわけじゃないんですけど、すぐ近くで見てくれているから、現場の空気の微妙な変化も察知して、素早く対応して、いろいろとお話してくださったのが印象的でした。

北村 なので、さっきは寛太くんのことをちょっといじりましたけど、現場では僕たちも常に古澤監督からの愛を感じていました。愛されてるな~って。

森川 あと、監督は1テイク目が好きなんだろうな、って現場で思った。

北村 それから、僕たち役者の中からポッと出た動きや仕草も好きだったみたいです。「お芝居は何が起こるかわからないからね」と、常々おっしゃっていて。単に言われたことだけをやるんじゃなくて、僕たちからも発信していこうという強い気持ちを起こさせてくださったのは、監督の〝演出〟のおかげだったと思います。

©2017『恋と嘘』製作委員会 ©ムサヲ/講談社

では、作品に話を戻しまして…『恋と嘘』という、背中合わせでもあり表裏一体なこの2つの関係性を、それぞれどのようにとらえていらっしゃいますか?

北村 誤解を恐れずに言うと、恋に嘘はつきものなのかな、必要な嘘もあると思います。そこに(北村の演じた)司馬優翔の優しさがあった、と僕は思ってもいるので。彼の嘘は葵のことを思って、何もかも優しさで包み隠してしまうもので、見方によっては不器用にも映るんですけど、素敵な嘘じゃないかなって。

森川 私も同じ考え方ですね。この映画では何回かキスシーンが出てくるんですけど、大きな意味を持つキスシーンは3回なんですよ。ストーリーの流れとして、恋のキスをして、嘘のキスをして、愛のキスをするんですね、仁坂葵は。そうやって考えると、恋と嘘の関係性って、結構わかりやすいものなのかなと思ったりもしますね。

複雑そうに見えるけど、意外と単純なのかもしれないという…。

森川 そう、意外とシンプルなのかなって。

佐藤 相手のことを思うからこそ、つく嘘もあるしね。そう考えると、難しくとらえることもないのかなって。もちろん、時と場合によってですけど。

©2017『恋と嘘』製作委員会 ©ムサヲ/講談社

なるほど。では、それぞれに印象的なシーンを挙げていただけるでしょうか?

森川 京都の街中でロケしたシーンですね。

佐藤 うん、あのロケは楽しかったですね。

森川 実は、元々は京都に行く予定がなかったんですけど、ロケができることになって。しかもクランクアップの日に、みんなで行って撮ったんです。映画を観た時、京都に行ったことで高千穂と葵の距離が縮まったのが、すごく伝わってきたんですよ。セリフがあるわけでもなくて、点描みたいな感じなんですけど、2人の距離が縮まっていっているのがわかるシーンになっていると思うので、観ていただきたいですね。

北村 僕が印象的なのは…高千穂と司馬が対立するシーンですね。というのは、事前にすごく話し合ったからなんです。あのロケ場所が絶妙な傾斜になっていて、最初は寛太くんが高いところに立って、僕が見上げるような感じだったんです。でも、何となくお互いに違和感を抱いていたので、監督とお話をして、立ち位置を変えようとなって。そういうディスカッションを一番したということで、思い出深いシーンですね。

佐藤 感覚的なものなんですけど、「何かしっくり来ないよね」って話していて。

北村 それで立ち位置を変えてみたら、僕から詰め寄っている感じが出たんです。

佐藤 見え方としてはそんなに変わらないのかもしれないんですけど、演じている側としては、より緊迫感が出た感があって。

北村 しかも、司馬優翔にとってはすごく大事なシーンでもあるので、注目していただければと思います。

佐藤 僕はどこだろうな…あ、終盤のイベントシーンです。高千穂の〝男前〟なところを、ぜひ見てください。

最後に…余談ですけど、森川さんはご自身の名前と役名が同じというのは、どんな感覚なんですか?

森川 やっぱり、そわそわします。匠海くんと寛太くんは、ふだん「葵ちゃん」と私を呼ぶんですけど、お芝居では「葵」って呼ぶから、何だかドキッとしました(笑)。

映画『恋と嘘』

2017年10月14日(土) 全国ロードショー

キャスト:
森川葵
北村匠海 佐藤寛太
浅川梨奈 田辺桃子 / 遠藤章造 眞島秀和 温水洋一
中島ひろ子 三浦理恵子 木下ほうか / 徳井義実

監督:古澤健(『ReLIFE リライフ』)
脚本:吉田恵里香(『ヒロイン失格』)
原作:『恋と嘘』ムサヲ(講談社)
主題歌:阪本奨悟「HELLO」(A-Sketch)
制作プロダクション:The icon
配給:ショウゲート

少子化が進んだ未来の日本では“政府”が国民の遺伝子情報を分析し最良の結婚相手を“通知”する「超・少子化対策法」が施行されていた。“政府通知”が来ると自由恋愛は禁止となるものの、遺伝子レベルでのマッチングシステムは功を奏し、“科学の赤い糸”と呼ばれ、幸せな結婚のかたちとして定着していた。人よりちょっと優柔不断な仁坂葵は、通知が教えてくれる相手をずっと心待ちにしている女子高生。そんな葵は、誕生日前日、幼なじみの司馬優翔に突然「好きだ」と告白される。小さな頃からいつもそばにいてくれる心優しい優翔の気持ちに戸惑う葵のもとに、無口でミステリアスな高千穂蒼佑が政府通知の相手として現れる。葵は蒼佑に心惹かれていくのだが…。

©2017『恋と嘘』製作委員会 ©ムサヲ/講談社
オフィシャルサイトhttp://koiuso.jp/

森川葵

1995年6月17日生まれ。愛知県出身。2010年、「Seventeen」のオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリに選ばれ、モデルデビュー。女優としては2012年より活動をスタートさせ、2016年4月からは「A-Studio」の8代目アシスタントを務めるなど活躍の幅は広い。主な出演作品は『転校生』(12)、『スクールガール・コンプレックス 放送部篇』(13)、『渇き。』(14)、『おんなのこきらい』(15)、『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(16)など話題作に出演。今年は『花戦さ』(17)、さらに『先生!』(10/28公開予定)、2018年にも既に3作品の公開が控えている。

北村匠海

1997年11月3日生まれ。東京都出身。ダンスロックバンド「DISH//(ディッシュ)」のメインボーカル・ギターとして活躍。その他多くのTV、PV、CMなどに出演する。映画デビュー作は『DIVE!!』(08)。以降『重力ピエロ』(09)、『沈まぬ太陽』(09)、『鈴木先生』(13)、『陽だまりの彼女』(13)といった話題作に出演し、旬の若手俳優として注目を浴びる。その他の出演作は『信長協奏曲』(16)、『セーラー服と機関銃-卒業-』(16)、『あやしい彼女』(16)、『ディストラクション・ベイビーズ』(16)など。今年に入ってからは、話題作『君の膵臓をたべたい』(17)にて堂々の主演、さらに『勝手にふるえてろ』(12/23公開予定)が控える。

佐藤寛太

1996年6月16日生まれ。福岡県出身。2015年より劇団EXILEメンバーとして活躍している。大ヒット映画『HiGH&LOW THE MOVIE』に出演し、『イタズラなKiss THE MOVIE』シリーズでは初主演を務めている。さらに今年8/19に『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』、11/11に『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』の公開が控えており、さらなる活躍が期待されている。

原作コミック

恋と嘘 1巻

ムサヲ(著)
マンガボックス

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