LIVE SHUTTLE  vol. 205

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UVERworld、通算13回目の日本武道館ライヴ~次なる“過程”へ進むためのツアーファイナル

UVERworld、通算13回目の日本武道館ライヴ~次なる“過程”へ進むためのツアーファイナル

約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『TYCOON』をドロップしたその2日後の2017年8月4日、山形県・シェルターなんようホール 大ホールを皮切りにホールツアーがスタートしたUVERworld。アルバムに収録されている渾身の楽曲「IDEAL REALITY」を冠した本ツアーは、普段なかなかライヴで訪れることができない場所を選択し、夏フェスなども挟みながら、2ヵ月間で全国14箇所22公演を成功させてきた。
そしてツアーファイナルとなる23・24公演目の舞台は東京 日本武道館。定番となっている〈X’mas LIVE〉など彼らにとっては、もはや“HOME”と言っても過言ではない会場でのパフォーマンスは、観る者の想像をはるかに越える熱量を放っていた。

取材・文 / 本間夕子

彼らは全身全霊、剥き出しでオーディエンスに挑みかかり、その世界に巻き込んで途方もない一体感を生み出した

UVERworldが3年ぶりにリリースした9作目のオリジナルアルバム『TYCOON』は“大物”“巨頭”といった意味を持つそのタイトルが示すように文字どおりの超大作だ。なにせ収録曲は全18曲、しかもそれをすべてCD一枚にぶち込み、結果、78分59秒というCD容量の限界ギリギリまでを1秒も余さず使い切っているという時点ですでに振り切れている。だが、何より驚くべきはこの3年間、コンスタントにシングルをリリースしながら今作を粘り強く制作し続けたという彼らの音楽に対する執念のすごさだろう。妥協を一切許さず、決してルーティーンに呑み込まれないストイックな姿勢が今作を超大作にした。全18曲中9曲が新曲であるという事実もそれを物語っている。

一方でライヴを疎かにすることなく、制作との両輪で毎年ツアーを行なってきたことも大きく作用しているだろう。信じて待っていてくれるファンやリスナーに恥じない作品を、という想いは今作に向かうために欠かせない原動力となっていたはずだ。だから彼らは新曲が出来ると惜しみなくライヴで披露してもきた。ゆえに「LONE WOLF」など未発表ながらセットリストに欠かせないものとして育った曲もあったりする。この期間にリリースされたシングルはカップリングも含めてほとんど全曲がすでにライヴの鉄板曲だ。そうした意味では『TYCOON』は既知と未知とがグラデーションを描いて共存する巨大な“過程”のアルバムだと言ってもいい。

では、その“過程”を引っ提げて彼らはどんなステージを見せてくれるのだろうか。ホールツアー〈UVERworld IDEAL REALITY TOUR〉の最終日、10月4日の日本武道館2days公演2日目を前にそんなことを思っていた。

結論から書けば、実にUVERworldらしく素晴らしいライヴだった。8月4日にスタートして全国15都市24公演を走り抜いた今ツアー、さらにはこのホールツアーに向けたウォーミングアップとして行なわれたライヴハウスツアー〈GROVEST GIG ~toward IDEAL REALITY~〉も含めた一連のステージの集大成と呼んでふさわしいステージだったと思う。

表題曲にしてアルバムの導入を担うSE曲「TYCOON」に始まり「7日目の決意」で締め括った全24曲、一瞬たりともテンションを途切れさせることなく、彼らは全身全霊、剥き出しでオーディエンスに挑みかかり、その世界に巻き込んで途方もない一体感を生み出した。ステージの6人と客席の1万人、両者を結ぶ絆をリアルに体感させる空間に包まれながら、心の中で何度「これぞUVERworld!」と快哉を叫んだことだろう。ちなみに2008年12月5日の初ワンマン以来、UVERworldが日本武道館で単独公演を行なうのは今回で13回目となる。10年間、立ち続けてきたまさにホームと言うべきステージに6人の勇姿は目に心地好く映えた。

とにかくオープニングから揮っていた。「TYCOON」が鳴りわたり、先んじて登場した真太郎に場内が沸き返るなか、ステージ下からスーッと姿を現わし、ギターを高々と掲げる彰。直後、チャキーン、と甲高いギターの音が空を裂き、ダンダンダン!と追いかけるドラムを合図に誠果、TAKUYA∞、信人、克哉が揃ってこれまた床下から勢いよく飛び出してくるというダイナミックさだ。今年2月のさいたまスーパーアリーナ公演にて初挑戦、見事にオーディエンスの度肝を抜いたポップアップ登場の進化版に場内の興奮も途端に頂点へと上り詰める。そのまま最新シングル曲「DECIDED」に突入、のっけからステージも客席もガチンコで互いの本気をぶつけ合い、瞬く間に日本武道館を熱の塊に変えた。

「さあ、行こうぜ。ライヴハウスツアーも、ホールツアーも、いくつもの夏フェスも越えて、この武道館に辿り着いたぞ!」

TAKUYA∞のシャウトに応えて1万人が「We are」と声を揃えて歌い吼えた「WE ARE GO」。「Don’t Think.Feel」ではオーディエンスの凄まじい盛り上がりっぷりにテンションが上がりすぎたTAKUYA∞が情熱のお返しとばかりに履いていた靴を客席に飛ばし、しかも、それがなんと無事戻ってくるというミラクルで互いの信頼を深める場面や(なお今ツアー中、この靴飛ばしでTAKUYA∞は4足を失ったそうだ)、武道館初日の前日はちょっと失敗してしまったという「誰が言った」のエンディング、信人とのワルツもこの日は完璧にキメてやんやの喝采を浴びる一幕、あるいはツアー中にも関わらず親知らずを抜き、当然のごとく顔がパンパンに腫れたというエピソードをはじめとした誠果の暴挙を明かしては「12月に反省しよう。次は俺たちが反省する12月にしか見えない星をタイトルにした曲!」と強引に「シリウス」へとなだれ込み、盤石のアンサンブルと弾ける銀テープでオーディエンスの爆笑モードをまんまと感動に塗り替えるという力技を披露するなど、カッコつけずにカッコいい見どころ満載のステージ展開はさすがのひと言に尽きる。

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