DREAMS COME TRUEが愛され続けているということ  vol. 3

Review

DREAMS COME TRUEが続けている、その時々の時代の風の“薫り”を備えた自分達の音楽の探求

DREAMS COME TRUEが続けている、その時々の時代の風の“薫り”を備えた自分達の音楽の探求

DREAMS COME TRUEが約3年ぶりにオリジナルアルバムをリリースした。
タイトルは『THE DREAM QUEST』。
ここには様々なタイプの全13曲(+ボーナストラック5曲) が収められている。タイトルが示す通り、今作はまさにロールプレイング的とも言える冒険の世界。スタートボタンを押したら、そこには広大な音楽世界が広がり、我々は驚きと発見の旅にでる。
そんな新しい世界を常に見せてくれているドリカムが愛され続けている理由をこの新作『THE DREAM QUEST』を踏まえて展開していこうと思います。
クエストの隠しアイテムが発見できるヒントを祈って。


「DREAMS COME TRUEが愛され続けているということ」vol.3

別に昔はよかった、という話をするつもりは全くないが、こうしてDREAMS COME TRUEについて書くことになると、どうしてもあのCDがバカみたいに売れていた、どこか狂っていた、いや、いい時代だったともいえる90年代の“風潮”が、強く印象に残っていて、思い出してしまう。それは、当時、ドリカムの新作が出るというアナウンスを耳にすると、周りの、特に女性から「ドリカム新しいアルバム出るんだ、買わなくちゃ!」という声を聞いて、確かに80年代のユーミンもそうだったけど、“買わなくちゃいけない”と世の中的に思わせるアーティストパワーは、当たり前だが凄い。ドリカムの5枚目のアルバム『The Swinging Star』(1992年)は、300万枚というビッグセールスになっているが、“時代の気分”を作り上げ、味方にしなければ、この数字は積みあがらない。もちろんコアファンは買うが、そんな“時代の気分”に乗せられて、最初は興味がなかった人がアルバムを買って、でも満足度が低ければ当然次は買わない。しかしドリカムは、一度その音楽に触れたファンを決して離しはしなかった。

キャリア30年のあるバンドのメンバーが「5年、10年はできるかもしれないけど、30年続いてたらこいつらバカじゃないのって思ってもらえれば」と言っていたが、ドリカムもデビュー28年、間もなく30年。もちろん自分達が音楽を奏でる事を楽しみながら、ドリカムの音楽を待っている多くのファンの声に、期待に応えるべく走り続けていた結果、気が付いたらもうすぐ30年という感覚なのではないだろうか。コンサートツアーを行うといえば、今もそのチケットは入手困難で、これはファンの新規開拓がきちんとできている証拠だ。当時からの熱曲的なファンは、40代~50代だ。しかし30代のファンも多いといわれている。コンサート会場に行くと、10代、20代とおぼしき若いファンも多い。もしかしたら親子で来ているというケースもあるかもしれないが、若い人同士で来ている人も少なくない。

ではなぜこんなにもドリカムとその音楽は、多くの人を、長きに渡り夢中にさせるのだろうか。このテーマについては、これまで色々な人が色々な仮説を立て、唱え、言い尽くされた感もあるが、ドリカムの音楽は、そのルーツでもある、ノーザンソウルやディスコソウルと、日本の情緒的なポップスとをうまく融合させて、洗練された独自のポップスを作り上げたところから始まる。サザンソウルがどちらかというと泥臭くて、アーシーなサウンドであるのに対し、ノーザンソウルは、都会的な洗練されたポップ調のサウンドであることが、洗練されたドリカム流ポップスに大きく影響している。この、時代に左右されない太い“芯”は存在しつつも、吉田美和、中村正人の二人は、その時々の時代の風の“薫り”をどこかに感じつつも、ひたすら自分達の音楽を探求し続けてきた。そんな二人の情熱と革新性とが、一作一作に鮮やかに映し出され、聴き手は常に新鮮さと変わらない安心感、両方を感じている。そしてその作品が持つ本質を、ライブで吉田の生の歌を聴き、再確認し、また熱狂へと繋がっていく。

二人の音楽への飽くなき探求心は、3年ぶりの最新アルバム『THE DREAM QUEST』を聴けば、その熱量がさらに大きくなっている事が伝わってくる。EDM、R&B、あらゆる音楽性を内包する、多彩なサウンドとソウルフルな歌とが作り出す、熱を帯びたポップスがこちらに向かってくる。きっとアルバムを完成させる度に、次に冒険に向かうべき音楽の大陸、エンターテイメントの形を発見し、二人でまたすぐに旅に出る……そんな感覚なのではないだろうか。だから最新アルバムでありながら、次にドリカムが向かう場所のヒントが隠されているはずだ。

生粋のアーティストでありボーカリストである吉田と、アーティストでありプロデューサーある中村の、その絶妙な距離感がドリカムでもあり、そんな二人が切磋琢磨を続けながら旅を続け、時代の扉を開け、道を切り拓いてきた。切り拓いた道は“王道”になり、その道幅は広いところも狭いところもある。だからコアなファンも、グレー層も、老若男女、幅広い層のファンが歩きやすい。

旅を続けてきたのは二人だけではない。ファンも常に一緒だ。毎回長い旅を続けてきて、そのゴールでありスタートでもあるのがライブだとしたら、吉田が毎回ライブで流す涙は、そんな旅の終わりと新たな旅の始まりをファンに告げる、鐘の音なのかもしれない。

文 / 田中久勝

ライブ情報

かんぽ生命 Presents DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2017 / 2018 THE DREAM QUEST
10/21(土)・22(日) さいたまスーパーアリーナ
10/28(土)・29(日) 大阪城ホール
11/3(金・祝)・4(土) マリンメッセ福岡
11/18(土)・19(日) 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
11/25(土)・26(日) サンドーム福井
12/2(土)・3(日) 北海道立総合体育センター北海きたえーる
12/16(土)・17(日) 横浜アリーナ
1/6(土)・7(日) 日本ガイシホール
1/13(土)・14(日) 大阪城ホール
1/20(土)・21(日) 神戸ワールド記念ホール
2/3(土)・4(日) 日本ガイシホール
2/10(土)・11(日) マリンメッセ福岡
2/17(土)・18(日) 広島グリーンアリーナ
3/3(土)・4(日)横浜アリーナ

かんぽ生命 Presents DREAMS COME TRUE CONCERT TOUR 2017 / 2018 THE DREAM QUEST ~ドリカムの夕べ~
12/23(土・祝)・24(日) グランメッセ熊本
3/24(土)・25(日) 沖縄コンベンションセンター展示棟

リンク

ニューアルバム「THE DREAM QUEST」特設サイト
https://ticket.yahoo.co.jp/special/dct/
DREAMS COME TRUE オフィシャルサイト
http://dreamscometrue.com/

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