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SMEのインディーゲームレーベル“UNTIES” キックオフパーティーをリポート

SMEのインディーゲームレーベル“UNTIES” キックオフパーティーをリポート

2017年10月17日、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)はインディーゲームを中心とするゲームパブリッシュレーベル“UNTIES”(アンティーズ)の発足を発表した。同日、SME本社屋にてキックオフパーティーを開催。本稿ではその様子をリポートし、昨今、世界的に流行しているインディーゲームの分野に、SMEが本格参戦することの意味に迫る。

取材・文 / 辻良太郎、高城彰(SPB15)


SMEがインディーゲームを本気で応援する

ゲーム開発環境の発展や、デジタルパブリッシングの浸透により、昨今では小規模なディベロッパーでも良質なインディーゲームを世界中に配信することが可能となっている。その反面、市場競争が激しくなったことで、ユニークで個性的なインディーゲームがユーザーに気づかれないまま埋もれてしまうケースが増えつつあるのも事実。そういったタイトルやディベロッパーの発掘・サポート、情報拡散を目的として立ち上げられたのが、今回キックオフパーティーを開催した“UNTIES”だ。

インディーゲームが世界的なトレンドとなっており、日本でも発展しつつあるこのタイミングで、SMEがインディーゲームを中心とするゲームレーベルを立ち上げるという大きなアクションを見せた。その反響は大きく、パーティーには数多くのゲーム業界関係者が足を運んでいた。

▲業界関係者のみが参加できるイベントだったが、会場は満員。“UNTIES”への期待や注目が伺えた

▲パーティーではまず、SMEのCFO兼コーポレートEVPを務める今野敏博氏が登壇。『天誅』や『クーロンズゲート』など、かつてリリースしていたタイトル以降、直接ゲームをリリースするのは、じつに13年半ぶりだと語った

続いて、“UNTIES”のプロジェクトメンバーである、伊東章成氏、伊藤雅哉氏、ジョン・デイビス氏が登壇。“UNTIES”がリリースする4タイトルを紹介した。

▲11月22日に発売予定の『TINY METAL』。開発スタジオ「AREA35」プロデューサーの由良浩明氏が登壇し、「現在、発売に向けて絶賛ロットチェック中なので大変です」と現状報告

▲SNSを介してプレイヤーの深層心理から武器を創造する“サイコダイブシステム”が特徴の『Last Standard』。制作しているI From Japan CEO兼プログラマーの中道慶謙氏は、「VRを超えたパラレルリアリティの世界をゲームで表現したい」と語った

▲『Merkava Avalanche』を開発するWinter Crown WORKSの石濃潤一郎氏。開発進捗はまだ17%程度とのことだが、伊東氏が「マシンディティールが格好良すぎて、惚れ込んでいる」とコメントする期待作だ

▲『DEEMO』、『Cytus』などで知られる台湾のチームディベロッパー、Rayark。3D化とVR化を実現した『DEEMO –reborn-(仮)』の制作開始が発表され、ムービーも公開された

最初にCFO(最高財務責任者)の今野氏が登壇するなど、SMEの本気が感じられる“UNTIES”の発足。紹介されたタイトルは、いずれも“UNTIES”が自信を持って送り出すことが感じられた。現在発表できる段階のタイトルは4つとのことだが、今後の展開にも期待が高まる。

ゲーム業界からも注目される“UNTIES”

パーティーには各種メディアのほか、多くのディベロッパーやゲーム業界関係者が参加。なかには、任天堂やメディアスケープといった競争相手とも呼べる企業も参列していたが、その誰もが口を揃えて“UNTIES”を応援するコメントを残していた。

▲任天堂業務部の副島佑介氏。“UNTIES”の伊藤氏が京都で仕事をしていたときから交流があり、「Nintendo Switchでもよいインディーゲームを出して成功してほしい」とエールを送っていた

▲Play,Doujin!プロジェクトを推進するメディアスケープ代表取締役の江崎望氏。「お互いによいライバルとして盛り上がっていければと思います」と応援のコメントを残した

また、プレイ動画を配信して、インディーゲームをユーザーに広めてきたゲーム実況者の参加も見られた。今後もいちユーザーとしてゲームの魅力を発信し、良質なゲームの告知・拡散でインディーゲームを盛り上げてくれる存在だ。

▲有名ゲーム実況者の赤石先生もパーティーで登壇。ニコニコ動画で『Minecraft』の実況を行ったり、東京ゲームショウでライブステージのMCを務めたり、精力的に活動している

▲ニコニコ動画などで人気のゲーム実況者ぬどん氏(写真左)。世界的人気を誇るサンドボックスゲーム『Minecraft』を日本に広めた功労者のひとり

業界の各所から注目を集め、メーカーの垣根を超えて支持し合えるのはインディーゲームのパブリッシャーだからこそ。業界関係者の多くがインディーゲームの持つ魅力を認め、その普及に協力したいという意思を持っているのだと感じられた。

パーティー終了後、“UNTIES”伊東氏、伊藤氏、ジョン氏に所感を伺ったので、ここで紹介したい。 

伊東氏 いままでのコミュニケーションで関係を培った人たちに総動員で集まってもらい、改めて「注目されているな」と感じた。インディーゲームはフィーチャーされにくいので、この力を使って、日の当たる場所にタイトルを届けていきたい。

伊藤氏 今回は単なるキックオフパーティーであって、まだスタート地点でしかない。面白いゲームが生まれて、それをゲーム好きの皆さんに届けられる環境を作って、結果で見せないといけない。

ジョン氏 これから東京ゲームショウ、BitSummitなど、インディーゲームイベントには“UNTIES”としても参加します。僕が所属しているIndie MEGABOOTHでもイベントを主催するので、声をかけてもらいたいです。

会場で大勢から祝福と支持を受けながらも、語るコメントは厳しさが覗く。これが“UNTIES”の決意に違いなく、これからの試みに注目したい。

UNTIESリリース記事

SMEがインディーゲームを中心に展開するレーベル「UNTIES」発足

SMEがインディーゲームを中心に展開するレーベル「UNTIES」発足

2017.10.17

UNTIES公式サイトhttps://unties.com
UNTIES公式ツイッターアカウントhttps://twitter.com/UNTIES_Games

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