Interview

Thinking Dogsがバブル時代のヒット曲をカバー。主題歌を手がけた映画『リンキング・ラブ』から感じたことは?

Thinking Dogsがバブル時代のヒット曲をカバー。主題歌を手がけた映画『リンキング・ラブ』から感じたことは?

現代(2017年)から1991年のバブル末期にタイムスリップしてしまった女子大生が、若き日の両親と出会い、2人の恋を成就させるためにアイドルグループを結成!? そんな奇想天外な物語が繰り広げられる青春タイムスリップコメディ映画『リンキング・ラブ』の主題歌「Oneway Generation」は、まさにバブル真っ只中の1987年に大ヒットした本田美奈子の楽曲を4人組ロックバンド、Thinking Dogsがカバーしている。10月25日にリリースされた彼らのニューシングル「Oneway Generation」は、この表題曲のほかにもカップリングに「DESIRE-情熱-」(中森明菜)、「待つわ」(あみん)といった80年代を代表するヒット曲を収録したカバーシングル作品である。

取材・文 / 松浦靖恵 撮影 / 冨田望

今の自分たちも夢を追いかけているので、僕ら自身にも必要な曲

映画『リンキング・ラブ』は、バブル時代にタイムスリップした女子大生が、自分の両親の離婚危機を阻止すべく、当時大学生だった自分の母親と一緒にアイドルグループを結成して、アイドル好きの父親を振り向かせようと奮闘する物語です。

わちゅ~ 80年代にアイドルグループを結成するっていう設定は、日本ならではの独創的なコンセプトだと思いました。海外だとそういう発想はなかなか生まれないんじゃないかなって。

大輝 しかも、現役アイドルの田野優花さん(AKB48)が主人公を演じられていて、タイムスリップした時代にAKB48の楽曲を持ち込んで、(劇中で)“ASG16”を結成するっていう発想も面白くて。

Jun 僕らがまだ生まれていない時代にタイムスリップしちゃう話なので、バブル期ってどんな時代で、みんなどんな生活をしていたんだろうって興味津々で映画を観たら、こんな派手できらびやかな時代が日本に本当にあったんだって、ビックリしましたね。

大輝 平野ノラさんが言っていることが現実にあったのかって思ったよね(笑)。“アッシー”や“メッシー”って、ネタじゃなくてホントにいたんだって(笑)。

TSUBASA 主人公は過去に行ってアイドルグループを作りましたけど、自分だったら何をするんだろうなって思いました。バブル期を経験していない世代の人たちがこの映画を観ると、僕みたいに「自分だったら何をするかな?」って妄想する人も多いんじゃないかなって思います。

TSUBASA(vocal)

「Oneway Generation」の原曲は、まさにバブル期の1987年に大ヒットした本田美奈子さんの曲です。

わちゅ~ デビュー時から僕らがお世話になっている秋元康さんが、80年代の曲が大好きだというお話を聞いてから、僕はその時代の曲を聴き出したんですけど、その流れで聴いた楽曲の中に「Oneway Generation」もあって。初めて聴いたときから、サビのフレーズが印象に残ったし、そのサビもメロディも覚えやすい曲だと思いました。

TSUBASA 自分たちのライヴでカバー曲をやろうっていう話になったときに、メロディがキャッチーでポップな80年代の曲をやってみようっていうことになって。その候補曲の中にもこの曲があったんですよ。

わちゅ~(bass)

女性歌手の楽曲をカバーするにあたって、男性バンドのThinking Dogsがどうしたら自分たちらしく演奏し、歌えるかというところを入念に考えたと思うんですが。

TSUBASA 僕はこの曲のレコーディングに入るまでは、コーラスで厚みを出すためにハモリをたくさん入れたらいいかもって想定していたんです。でも、いざレコーディングでやってみると、主旋律を録り終わった段階で、これはシンプルを突き詰めたほうがカッコいいんじゃないかということになって、そっちの方向に進んでいきましたね。歌の部分で言うと、 “Oneway Generation~”の部分はライヴを想定して4人で歌って、その4人でやっている感やバンド感を出してみました。

Jun この曲はすでにライヴでやっているんですけど、その部分をお客さんも一緒に歌ってくれるんですよ。

わちゅ~ 初めてシャッフルのノリを持った楽曲をやるので、レコーディング前に聴き込んで自分なりのハネを意識しました。

大輝 これまでだと、わちゅ~のベースは底で支える感じだったんですけど、この曲はベースが前に出ているので、ベースが引っ張ってくれているんです。

わちゅ~ 前のめりな感じでベースを弾くのが楽しかった~。

TSUBASA 上モノの音はきらびやかだけど、ベースとドラムが生のバンド感を押し出してくれましたね。

Jun(guitar)

30年前に書かれた歌詞なのに、今の時代に聴いても違和感がないですよね?

TSUBASA 僕もそう思いました。30年も前の歌詞と思えないのは、この歌の主人公が抱えている若さゆえの悩みとか青春時代の夢が描かれていて、そういう感覚は今も昔も変わらないんだなって思えるからでしょうね。今の自分たちも夢を追いかけているので、僕ら自身にも必要な曲だと思いました。

大輝 (drums)

今の時代はSNSでたくさんの人たちと繋がることができるけれど、そういう時代だからこそワンウエイな想いを抱いている人も多いのかもしれない。

Jun だからこそ、SNSでもいいから繋がりたいって思うのかもしれないですよね。30年前って一般の人で携帯電話を持っている人ってほとんどいない時代だから、将来の道を決めるときも、自分にはこれしかないんだって、ひとつの道を突き進めたと思うんです。でも今はいろんな情報が溢れていて、その情報がすぐに手に入ることで、いろんな道があるんだと知ってしまうし、選べるものが多すぎるぶん可能性がありすぎて、迷ってしまう。そんな時代だからこそ、この曲の歌詞は初めて聴く人にも届くと思います。

TSUBASA 時代が変わってもそれぞれの時代の人たちが共感できる歌詞ってすごいなって、改めて思いました。

カップリングには「DESIRE-情熱-」(中森明菜)、「待つわ」(あみん)のカバーを収録しました。今回のカバーは全曲、女性歌手の楽曲ですね。

TSUBASA ライヴでも女性の方が歌っている楽曲のカバーを何曲も歌っているので、ライヴでカバーしていくなかで女性の言い回しに慣れた部分はあると思うんですけど、“~だわ”とか“~よ”っていう女性ならではの言い回しを男の自分が歌う照れくささはないんですね。女性詞を歌うときは歌詞の中にいる主人公や、その世界に入り込む感じなので、演技に近いかもしれないです。