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『大逆転裁判2』逆転につぐ逆転が生み出す至高の爽快感

『大逆転裁判2』逆転につぐ逆転が生み出す至高の爽快感

名探偵シャーロック・ホームズとの推理劇!?

前述のように、個性的な登場人物や意外過ぎる展開を見せる事件など、『逆転裁判』シリーズはアドベンチャーゲームでありながらアクロバティックなエンターテインメント性を持っていることが特徴です。しかし、法廷での論戦を通して半人前の弁護士から大英帝国に潜む巨大な闇に挑む成歩堂龍ノ介の成長物語にも、地道な調査によって真実を探し出す探偵パートにも、推理ものの基礎、エッセンスは備わっています(調査が地道ではあっても地味ではないのが『逆転裁判』シリーズらしいところです)。

本作の主人公・成歩堂は依頼人の無実を証明するために法廷で舌戦を展開するわけですが、多くの場合は依頼を受けて即裁判に突入するのではなく、まずは事件関係者からの情報収集や事件現場の調査といった、オーソドックスな方法で情報や証拠品を集めていくことになります。

▲発見した証拠品の多くは3Dグラフィックで調べることができ、上下左右に回転させることで新たな事実が浮かび上がることもあります

『逆転裁判』シリーズでは作品ごとにさまざまな調査方法が取り入れられており、それらが独自のゲーム性を生み出しています。『大逆転裁判』シリーズの探偵パートにおいては“共同推理”と呼ばれる新たなシステムが導入されており、過去作とはひと味違った調査を楽しむことができます。

共同というだけあって主人公の成歩堂といっしょに推理を行う人物がいるわけですが、その人物というのがコナン・ドイルの推理小説に登場する、世界でもっとも有名な名探偵、シャーロック・ホームズなのです。

▲こちらが本作に登場するホームズ。見た目もザ・名探偵でそれっぽいセリフを放っています。が……

シャーロック・ホームズと言えば、その鋭い観察眼と洞察力で真実を見通し、難事件を見事に解決してみせる、まさに推理ものの主人公の代名詞と呼ぶにふさわしい人物です。そんな名探偵がいたら成歩堂が調査をするまでもなく事件は解決するのではないか、とも思えますが、そう簡単にはいきません。本作のホームズも確かに観察眼や洞察力は非常に鋭いのですが、いかんせん発想がフリーダムすぎるおかげで彼の推理はいつも超展開を迎えてしまいます。

▲事件の内容を知らずとも「いや、それはおかしい」と突っ込みたくなるトンデモ発言。そもそもセッケンの食べ過ぎに質の良し悪しは関係ないのでは……?

ホームズの自由すぎる推理に任せていては真実が見えてこないので、彼の推理で明らかにおかしいところを成歩堂が指摘、修正することでひとつの推理を完成させる、それが共同推理なのです。推理のおかしな部分について、成歩堂(プレイヤー)はホームズのおかしな発言と入れ替えるべきキーワードを事件現場などから探し出すことになります。共同推理では、お題となっている場所周辺をよく観察すれば答えが見つかるようになっています。また、珍奇な推理を披露するホームズとその推理を修正する成歩堂が異様に華麗な動きで推理を展開していくのは見た目にも面白く、ほどよい謎解き要素とエンターテインメント性で情報収集にメリハリを与えてくれるのです。

▲ここでは敢えてまともに推理している場面を紹介しますが、成歩堂とホームズがくるくるとターンを決めながら推理を進める姿は必見です

シャーロキアンと呼ばれるような生粋のシャーロック・ホームズファンからすると、「ホームズが迷推理をしてしまうなんて!」と思うかもしれません、というかホームズをかじった程度の筆者ですら正直なところ最初はそう思いました。しかし、物語の後半にはしっかりと格好いいところも見せてくれるので、むしろシャーロキアンにこそ本作のホームズとの共同推理を楽しんでほしいところです。 

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