access 25th Anniversary Special 時空を巡る旅  vol. 1

Column

25年を経ても、懐かしさに染まらない『FAST ACCESS』。現在のaccessを予言していた1stアルバム

25年を経ても、懐かしさに染まらない『FAST ACCESS』。現在のaccessを予言していた1stアルバム

検証か。回想か。あるいは巡礼だろうか。願わくは、あの頃は見えなかった何かを見つけたい。access25周年スペシャル企画の8回連載。衝撃のデビューから突然の活動休止、待望の再起動から成熟期へ、8枚のオリジナルアルバムを軸に彼らの軌跡を追う。その轍は平坦ではない。真っ直ぐでもない。だから、胸が高鳴る。さあ、時空を巡る旅へ……。

#1 1th Album『FAST ACCESS』(1993年2月25日発売)

10代からシンセサイザーの開発に携わり、20歳でTM NETWORK(小室哲哉)のマニピュレーターを務め、90年からはTMNのステージに立った浅倉大介。片や、少年時代にマイケル・ジャクソンを知り、エンタテインメントに目覚め、浅倉の2ndソロアルバム『D-Trick』にゲストボーカルとして参加した貴水博之。

二人は、出会いからaccess結成まで長い時間を必要としなかった。なぜか。浅倉の非凡な才能、貴水の唯一無二の声など、理由はいくつも思い当たる。が、本当のところは……。

ひとつは、論理的な浅倉とひらめき型の貴水、客観的な浅倉と主観的な貴水など、お互いが自分にないものを相手の中に見つけたから。それは好奇心でもある。もうひとつは、自分からもっとも遠いものすらも受け入れることができる二人だったから。寛容性。きっとこの2点で彼らは瞬時にシンクロしたのだろう。

そこが、accessaccessであるための、肝だ。だから、どちらかの、もしくはどちらもの、寛容さが硬直し、好奇心がしなびてしまうと、きっとaccessはもうaccessでいられない。つまり、スキルでもテクノロジーでもおぎなえない、極めて人間的な(エモーショナルな)宿命をaccessは誕生の瞬間に背負った、ということ。ただ、裏を返せば、25年が経った今も、accessaccessであり続けているから、彼らは好奇心と寛容性を失っていない。

『FAST ACCESS TOUR ’93』パンフレットより(撮影 / 山内順仁)

1stアルバム『FAST ACCESS』では、お互いが自分とは180度違うパートナーを好奇心のおもむくまま受け入れている。浅倉は貴水の声の長所を最大限引き出そうと、曲ごとに異なるアプローチを見せ、貴水は未知なる浅倉サウンドに果敢にチャレンジしている。

結果、新人アーティストの1stアルバムとは思えないほど、自由な発想があふれ、しかも完成度が高い。貴水の歌詞が先にできた「SENSUAL GLIDE」や、浅倉の予想をはるかに上回る歌詞になった「CAN-DEE GRAFFITI」。自由を謳っているかのような「AGAINST THE RULES」や、シーケンサー制御なのに曲の中でテンポが揺れる(浅倉が意図的にそういうプログラミングをした)「PALE BLUE RAIN」。デビュー当時の彼らの代名詞でもあるSYNC BEATがどういうものなのか、具体的に示している。

この有言実行力(有言実現力でもある)に、当時もっと目を見張るべきだったのかもしれない。しかし、25年前、accessの新しさがただただまぶしかった。当時、日本ではあまり使われていなかった、音の定位を操るベース・プロセッサーをいちはやく取り入れたり、2WAYというキーワードを用い、音楽をリスナーやオーディエンスとのコミュニケーションツールと位置づけたり、浅倉によるそれまでロックとは異質のスピード感とそれまでのポップスとは異質のメロディーも、貴水のメタリックなハイトーンも新しかった。

新しさは一瞬の輝きだ。だから、まぶしく、人の目を引く。ニュースやテクノロジーは、日々、いや、世界のどこかで毎秒、更新されていくから、永遠のフラッシュの如くまぶしさを失わない。しかし、25年前、1992年当時、あんなにまぶしかった新製品MDは、早々に姿を消した。

『FAST ACCESS』はどうか。時代の光を反射し、まばゆいばかりに輝いていたあのころ。もしもaccessの魅力が新しさだけだったなら、きっと今、このアルバムも懐かしさだけに染まっていたに違いない。ところが、今なお、まぶしい。なるほど。こんなに完成度が高い1stアルバムを作れるのだから、今なおaccessがまぶしいのも頷ける。いわば予言書のような1stアルバムだ。

文 / 藤井徹貫
写真 / 『FAST ACCESS TOUR ’93』パンフレットより(撮影 / 山内順仁)

その他のaccessの作品はこちらへ。


ライブ情報

access 25th Anniversary
double decades + half Special SYNC LIVE 1125/1126

11月25日(土)  千葉:舞浜アンフィシアター
11月26日(日)  千葉:舞浜アンフィシアター

double decades+half Christmas Special Live
12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。さらに11月25、26日には舞浜アンフィシアターでのアニバーサリーライブが決定している。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバムをリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


歴代ツアーパンフレット22種類を完全復刻 デジタル版で配信!

1992年、鮮烈なデビューを果たしてから今年で25周年を迎えるスーパーユニット「access」。その記念すべきスペシャルイヤーに、歴代ツアーパンフレット22種類の完全復刻が緊急決定。デジタル・リマスタリングを施した状態でお届けします。いまここに「access」25年の歴史が鮮明に甦ります!! 11月1日(水)からは第3回配信もスタートします!

「access」オフィシャル・ツアーパンフレット全22種類配信サイト

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