Interview

1年目の歌手として、8年目の声優として。東山奈央、“てんこ盛り”1stアルバム『Rainbow』と武道館への決意を語る

1年目の歌手として、8年目の声優として。東山奈央、“てんこ盛り”1stアルバム『Rainbow』と武道館への決意を語る

声優・東山奈央のデビューは今から約7年前のこと。アニメ『神のみぞ知るセカイ』に登場するアイドル・中川かのん役として、声優だけでなくキャラクターソングも担当し、さらには放送開始2カ月ほどでライブコンサートまで行なうという衝撃的な形で彼女はファンの前に現れた。その後、アニメ『きんいろモザイク』の声優ユニット・Rhodanthe*や『マクロスΔ』のワルキューレなど、活躍は声優だけでなく歌唱やステージでも絶え間なく示され、2017年には待望の音楽活動を開始したかと思いきや、8月には1stアルバムの制作と日本武道館での公演を発表し、またも衝撃を与えた。そしてついに彼女の1stアルバムがリリースされる。一体どんな内容に仕上がったのか? そして武道館公演への思いとは……。

取材・文 / 日詰明嘉 撮影 / 山本哲也


聴いてから語り合える、密度が濃く多彩な14曲

アルバムと同時に日本武道館でのライブも発表され、内容としてもそれを念頭に置いた作りかと思います。制作にあたってはどのような構想がありましたか?

東山奈央 初めてのアルバムですから、大変だったり戸惑うこともあるかもしれないけれども、ワンマンとして公演をするのに十分な分量があり、それでいて濃く作っていこうということがまずありました。個人的にも一曲一曲に個性があって、1回聴いただけでそれぞれの曲が印象に残る色とりどりなアルバムが好きで、それを目指しました。アニメをお好きな方って、語ることもすごく好きだとこれまでの活動から分かったので、皆さんが感想を語り合ってくれるような、そんな楽しみも持っていただけるアルバムにしようとも考えました。

このアルバムの表題でありリード曲のタイトル、そして東山さんのアーティストロゴでもある「Rainbow」はどのようにして考えられていたのでしょうか?

東山 アーティストロゴを作るときに「ふだんから大切にしていることは何ですか?」というヒアリングを受けて。それに対して「声優になりいろいろな人やキャラクターに出会うことで人との和や笑顔の輪をより大切に思うようになりました。それが私をポジティブに変えてくれました」とお話ししたところ、デザイナーさんが輪っかのモチーフを虹で表現してくれました。私のお芝居や歌に、七色の彩りや楽しみを見出してくれるのは他でもない皆さんだと思うので、そういった皆さんとの繋がりを示すものとしてすごく良いなと思ってそうした経緯もあり、アルバム・タイトルを決めるときは満場一致で『Rainbow』でした。

東山 一方、私が作詞作曲した曲の「Rainbow」ではちょっと意味合いが変わってきて、サビのところに「雨上がりの空に この両手で描いてく 越えてく 七色の虹」とあるのですが、これは私が声優とか歌手とか表現者であるうえで作り出していくもので、だから自分で「描いていく」し、それを「越えていく」という後の意気込みが含まれています。

初めての作詞作曲には「言葉で言い表せない」の反応が!?

内容も深く解釈できるものになっていますね。

東山 人によって刺さる部分がそれぞれにあると思っています。たとえば「『明けない夜だって 止まない雨もないよ』って そんな風にはとても思えなかったの」であれば、スッキリと前を向いて歩けることばかりではなく、みんな何かを抱えながら進んで行く、そういうところに向き合って書きました。まさにその渦中の人はそんな風に思うんじゃないかなと。正直なところを言うと……この歌詞を読んだ方が今後、写真などでニコニコしている私を見ても「この笑顔の裏には……」と思われたら困るなぁと考えもしたのですが(笑)、初めての作詞作曲なのに自分の心にも響かないものを書いたら誰の心も動かないものになってしまうので、それはもったいないなと思って勇気を出して書いた感じはあります。どのメロディや歌詞も私としては意味のないものはひとつもないというくらい、全て血の通ったものにできたなと思いますし、今の瞬間の私としてはすごくいい曲になったという充実感があります。悩んでいるときにこの曲を聴いて前を向けるような気持ちになってくれたらいいなと思います。

東山 MVとともに公開されたときにはTwitterのコメント欄がかつてない感じになっていて、「言葉で言い表せない」とか、「感想はまた後ほど……」とか、何だかただならぬ雰囲気になっていて。「え、それっていい意味なの? 悪い意味なの?」って感じで(笑)。後で「ここの歌詞が心に染みました」とか、「何とも言えぬ感じですっと入ってきて」と褒め言葉をいただいたのですが、「筆舌に尽くし難し」というリアクションをいただいたのは初めての経験でそわそわしてしまいました(笑)。

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