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【インタビュー】『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』とOP主題歌で“縛りプレイ”!? 声優・悠木 碧、新境地に挑む

【インタビュー】『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』とOP主題歌で“縛りプレイ”!? 声優・悠木 碧、新境地に挑む

『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか役などで知られる声優の悠木 碧が、あらたな活動スタイルをスタートさせる。そこに至るまでにはどんな思いがあったのだろうか。新曲「永遠ラビリンス」がオープニング主題歌を飾るTVアニメ『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』への歌手として、そして主人公である香坂秋穂を演じるうえでのアプローチの仕方など、たっぷりと語っていただいた。

取材・文 / 日詰明嘉


“縛りプレイ”でいかに自分の味や表情が出せるか

悠木さんはこれまで、ご自身の世界観を突き詰めるスタイルで楽曲を発表されていましたが、このたび新たな音楽活動をされるにあたってはどのような考えを抱いていましたか?

悠木 碧 最初に音楽活動をする時は、私は音楽アーティストの方よりもスゴいことができるわけでもないので、私の内面とか私が持っている世界観や好きなものを表現したら、そこを好きだと言ってくれる人が出てくるかもしれないなと思っていて、ソロ活動で突き詰めて自分としてのMAX値を出せたなと思ったのが3rdミニ・アルバムの『トコワカノクニ』だったんです。それまでを一緒に面白いねと言ってくれたお客さん達には感謝の気持ちでいっぱいです。ここから先はみんなにありがとうのパーティーをしていけたらいいなと思っています。

petit miladyでの活動や『戦姫絶唱シンフォギア』のライブイベントなどで表で歌わせていただく機会も数多くいただいて、それらを通じて内面の部分だけでなくてもいいのだと認められたなと思える部分もあって、少し自信もついたし、何よりも皆さんが温かく待ってくれていることも分かったので、これからはそれに応えていけたらと思っています。自問自答するよりも、人と喋って交流した方が絶対いろんな発見があると思うんですよね。だからさらに進化させるために、新しいものを取り込みたくて今回「永遠ラビリンス」からリスタートさせていただくことになりました。

これからいろんなコラボレーションや作品タイアップ曲を通じ、自分の色ではないものを採り込みながら自分の色を出していくことが必要になるので、自分が何をしたいか、何がステキだと思うかが明確になります。その点で、今までの活動ができていたからこそ出せるものだと思うんです。

ちょうど今、お話に出ました作品タイアップですが、再スタートが『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』の作品主題歌に決まったときはどのように思いましたか?

悠木 前提として、私が満足するというより、みんなで満足するものを作ってもらうというものがあったので、「永遠ラビリンス」は作品重視で、監督さんの意向をすごく汲みたいなと思っていました。よくタイアップのときに言うんですけれども、“縛りプレイ”でいかに自分の味や表情が出せるかみたいなところが腕の見せ所かなと。オープニングで流れるということで、楽曲がほとんど決まっている状態で「この中でいかに私の表情を出して遊んで行けるか」というアプローチの仕方になりました。1から作るのも楽しいんですけれども、提示されたものの中で遊ぶというのは声優の得意分野なんです。普段からして台本やキャラクターが決まっているわけですから、その意味で本領発揮というか、そこに120%を割けるという意味でとても楽しかったです。

今回のボーカルは悠木さんが新しいことをやろうとしているんだなと感じられました。『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』のキャラクターのいろんなところが代弁されているかのように。

悠木 基本的にギャグなんですよね(笑)。私自身も、いわゆるハーレムに見せかけてギャグというこの作品の遊び心がすごく好きなので「永遠ラビリンス」のなかでもそういう作品の拾い方をしていて、すごく爽やかな歌と聞かせておいて、歌詞でめちゃくちゃ遊んでるみたいな感じを出せていけたらいいなと思いました。

「『しょびっち』大好き」と言ってくれる人とは友だちになれる

作品の印象はいかがでしたか?

悠木 「ボケ散らかしている」作品というのは多いんですけれども、この作品はすごく「ボケ整っている」んですよ。こう転んだら、次はこうくるよねというのが全編すごくきれいに並んでいるんです。いわゆる、ちょっとHなワードによって微妙に散らかしてあるみたいな感じがすごく面白くて(笑)。ギャグ作品は観るのも演じるのも大好きなんですけれども、こんなにもボケが整っていたのは初めてです。

別のギャグ作品でもヒロインを演じられていましたが、ギャグというのは深いですね。

悠木 ちょっと前に別の作品をやっていたからこそギャグだけれども違うギャグだということを感じられたんだと思います。どっちもパンツが見えてしまう作品なんですけれども、パンツが見えてもまったくいやらしくない(笑)。私はこのテンションが好きなのですごく楽しくやらせていただいます。皆さんが思われているより大好きですから(笑)。私、「『しょびっち』大好き」と言ってくれる人とは友だちになれると思うんですよ。

主人公である秋穂を演じられるときのポイントは?

悠木 秋穂はすごくかわいい表情と、ギャグでテンポよく落とすところのメリハリがしっかりついているキャラクターです。私、大人しく喋るキャラクターを演じることは、これまでもないことはなかったんですけれども、今までと違うのは、秋穂ってすごくモノローグが激しい子なんです。自分の心の中では「こうかもしれない、ああかもしれない、こうしなきゃ」とあって、それを表に出すのが不器用だから無表情になってしまう。だから、淡々とひたすらエッチな言葉を吐いているように見えるんですけれども、本人はすごく考え抜いた一手であるところが彼女のかわいらしいところです。これは演じ始めてから気づきました。最初はもっとメカっぽいという印象で演じていたのですが、みんなと掛け合っているうちに、この子は目いっぱい考えた結果、考えすぎて自分の表情が出ないんだなと分かったので、それを出してあげられたらいいかなと思っています。

新しい音楽活動への今後の展望はいかがでしょうか?

悠木 まずは皆さんと感情を共有するということを言ったので、表で時間と空間を共有する場やイベントだったりをやっていけたらと思います。あとはいろんな感性を持つ人とのコラボレーションをしてみたいなと思っています。もちろん、聴いていただく皆さんが私に何を求めていらっしゃるのかも捉えつつ、ですね。

ブログやTwitterも始められて、チャンネルも開いていますしね。

悠木 そうですね(笑)。イベントとかに来て下さるコアなファンの方たちは、私がどんな人間かご存知かと思うのですが、今回改めて気づいたのが、私の名前の字面が思った以上に清純なイメージで見られているようなんです。「悠木 碧って、白いスカートを履いてふわふわしている子でしょ?」と(笑)。だからまず私がどんな人か知っていただくということも重要かなと。それを知ってもらううえでも、与えていただいた機会を長続きさせて、ていねいに頑張っていけたらいいなと思います。これは歌とは直接関係ないかもしれませんけれども、私は30歳になったら和装に替えたいと思っているので、そういうものとテイストが絡むきっかけがあったらいいなと勝手に想像しています。

ご自身としてはそこまでの時間を長いと感じていますか?

悠木 30歳からが役者人生本領かなと思っているので「あと5年頑張るぞ!」と思っています(笑)。そこまで全力で下積みをさせていただいて、それを皆さんに認めていただけるようにまっすぐ頑張らなきゃなと思っています。

悠木碧 日本コロムビア公式HP
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