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『V!勇者のくせになまいきだR』VRで楽しむ異色のリアルタイムストラテジー

『V!勇者のくせになまいきだR』VRで楽しむ異色のリアルタイムストラテジー

PlayStation®VR(PS VR)が発売され、早くも1年が過ぎました。先日の東京ゲームショウ2017では多数のPS VR向けタイトルが展示されたほか、2017年10月14日にはPS VR最新モデル(CUH-ZVR2)が発売され、いよいよソフト、ハードともに供給体制が整ってきたPS VR。一般家庭にも着実に普及が進み、今後は目新しさだけではなく、ゲームとしての楽しさ、おもしろさがより強く求められるターンに入りつつあります。

そんなPS VRの新たな1歩を感じさせてくれる作品としていま注目を集めているのが、PS VR最新モデルと同時に発売された『V!勇者のくせになまいきだR』(以下、『Vなま』)です。本作はPSP® (PlayStation®Portable)で人気を博した『勇者のくせになまいきだ』(以下、『勇なま』)シリーズの最新作。2007年に1作目の『勇なま』が発売されてから10年、一貫してレトロゲームのような温かみのあるドット絵で描かれてきたシリーズですが、本作では初の3D化、そしてVR化を遂げ、さらにゲームジャンルも一新されました。今回はそんな新しい『Vなま』を、ゲームシステムを中心に紹介していきます。

文 / 大工廻朝薫(SPB15)


VRとの意外な相性の良さ

ダンジョンを作って魔物を育て、勇者を撃退する“ダンジョン・マネージメント”という独特なジャンルで人気を博した『勇なま』シリーズ。しかし今回の『Vなま』ではVR化に伴い、ゲームジャンルそのものがガラリと一変。ステージクリア型のリアルタイムストラテジー(以下、RTS)へと生まれ変わりました。

VRでプレイするRTSと聞くと、いったいどのようにプレイするのか、操作形態や実際のプレイの様子が気になるところ。まずはそこから見ていきましょう。

本作のプレイヤーの役割は、魔王に召喚された破壊神。魔王軍を指揮して世界各地を次々に侵略し、人間世界の征服を進めていくのがゲームの目的です。ダンジョンを作って勇者を迎え撃つのではなく、こちらから勇者たちの暮らす人間世界へと攻め込んでいくという、よりアグレッシブなゲームへと生まれ変わっています。本作の舞台となるのは、魔王の拠点となる“あんこくの塔”の一室。プレイヤーはここで魔王や魔王のムスメとともにテーブルを囲み、世界を侵略していきます。

▲テーブル上に広がっているのが人間世界の全景。土地ごとにさまざまな特徴を持ったステージが待ち受けています

▲魔王とムスメはゲームの説明を行ってくれるアシスタントとしての役割を持つだけでなく、さまざまな言動で楽しませてくれるマスコット的な存在でもあります

目の前のテーブルには3Dで描かれた箱庭のようなフィールドが映し出されており、おもにこのフィールドを見ながらゲームをプレイしていくことになります。破壊神であるプレイヤーは基本的にテーブルの前から動きません。視点変更ボタンで高さを変えられるほか、テーブルを回転させたり、VRを利用して箱庭状のフィールドを直接覗き込んだりして細部を見ていくことになります。

▲全体の展開を把握したい場合は、テーブルから離れるように身体を引けば、このようにゲームの舞台となるフィールド全体を見渡すことができます

▲奥になっている部分や地形の陰を見たい場合には、テーブルを回転させることも可能です

▲細かい部分の様子を把握したい場合には、テーブルを覗き込むように近づいてみましょう。VRで覗き込むように顔を動かせば、このような角度からキャラクターたちの細かい動きを見ることも可能です

各ステージの両端には、魔王軍の拠点でまがまがしい紫色が特徴的な“あんこくの塔”と、勇者たちの拠点で王様とお姫様が暮らす“城”が存在し、制限時間内に城を攻め落とすことでステージクリアとなります。反対に勇者によって“あんこくの塔”を攻め落とされたり、制限時間内に“城”を攻め落とせないとゲームオーバーに。ステージクリアを重ねて各地を征服していき、最終的に世界全てを魔王軍の支配下に置くことがゲームの目的となります。

▲城を攻め落とすと勝利の花火が。魔王や魔王のムスメも、それぞれ拍手やガッツポーズで勝利を祝ってくれます

フィールドへの介入は、神コントローラー、略して“神コン”を使って行います。神コンでは魔物の召喚や配置、“破壊神スキル”による制圧指示や勇者への攻撃など、さまざまな操作が可能となっています。

▲プレイヤーが実際に手に持っているコントローラーが、神コンとしてゲーム画面の手前に映し出されます。手元のコントローラーを動かすと神コンも連動。神コンの先から伸びるポインターを動かし、場所や魔物を指定することができます

神コンには通常時には“カリス魔”と呼ばれる行動に必要なポイントや、“破壊神スキル”を使うために必要なスキルポイントが表示されています。また、操作に応じて配置可能な魔物を選ぶためのユニットテーブルを開いたり、フィールドから拾い上げた宝箱の中身を表示することも可能。コントローラーであると同時に、プレイ中のサブウィンドウ的な役割も果たしています。

▲慌ただしい乱戦のさなかにあっても、操作の手を休めることなく情報を確認することができます