Report

村上隆、奈良美智ら現代アーティスト×「ドラえもん」夢のコラボレーション!『THE ドラえもん展 TOKYO 2017』の見どころを紹介

村上隆、奈良美智ら現代アーティスト×「ドラえもん」夢のコラボレーション!『THE ドラえもん展 TOKYO 2017』の見どころを紹介

2017年11月1日(水)~2018年1月8日(月・祝)の期間中、六本木ヒルズ 森アーツセンターギャラリーでは「ドラえもん」と現代アートがコラボした『THE ドラえもん展 TOKYO 2017』が開催中だ。2002年の『THE ドラえもん展』以来、2度目の開催となる今回は、“あなたのドラえもんをつくってください”というお願いのもと、28組もの有名アーティストによって手掛けられた作品の数々が展示されている。さらに、作品展示室に隣接したカフェ「THE SUN」では、今回のイベントにあわせてコラボメニューも販売中。本稿ではそんなイベントの模様をお届けする。

取材・文・撮影 / 長田雄太

有名アーティストたちが表現する『ドラえもん』

今回の展示は2つの構成に分かれており、前半では“あなたのドラえもん”をテーマに国内外で活躍する有名アーティスト16組の作品が展示されている。

入り口をくぐりまず最初に目に飛び込んでくるのは、村上隆が手掛けた巨大絵画「あんなこといいな できたらいな」。絵画には村上の代表的キャラクター・お花が一面に描かれており、そのなかでドラえもんをはじめとする登場キャラクターが様々な表情を見せてくれている。また、村上は前回の「THE ドラえもん展」にも参加しており、その際に手掛けた作品も同フロアにて展示中だ。前回の展示会に足を運べなかった方は、ぜひこちらもチェックしてもらいたい。

『あんなこといいな 出来たらいいな』
©2017 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co.,Ltd.All Rights Reserved.
©Fujiko-Pro

村上の作品から少し先に進むと、フロアの真ん中には小谷元彦の立体作品「救世銅鑼エ門」が展示。小谷はドラえもんに敬意を払うため、そのままの形ではなく猫の要素を作品に取り入れたとのこと。奇妙でありながら凛々しい、人間と猫を合わせたような存在が目を引く作品となっている。

続いて薄暗い空間へと入ると、なかには鴻池朋子の巨大絵画「しずかちゃんの洞窟(へや)」が。本作は牛皮を縫ってキャンバスが作られており、しずかちゃんなどのキャラクターやヘビなどの生き物がクレヨンで描かれた、洞窟壁画を思わせるような作品になっている。

鴻池 朋子
しずかちゃんの洞窟(※ルビ:へや)
©Tomoko KONOIKE ©Fujiko-Pro

さらにその先には、西尾康之の彫刻作品「OPTICAL APPARITION」が展示。樹脂石膏で作られた巨大なドラえもんに3DCGの映像が投影されており、表情をコロコロとかえるドラえもんの姿に思わず足を止めてしまうはずだ。また、本作はドラえもんの背中側にも驚きの仕掛けがある。気になる方はぜひ足を運び、作品の裏側にまわって確かめてもらいたい。

西尾 康之
OPTICAL APPARITION
©2017NISHIO ©Fujiko-Pro

前半部分の終わりまでいくと、梅佳代と奈良美智の作品を発見。写真家で藤子・F・不二雄の作品が好きだという梅佳代は、もともと日常生活で撮影していた「私の家のドラえもんの写真」を展示している。なかには2001年に撮影された亡き祖父がドラえもんの漫画を読んでいる写真も。また、前回の「THE ドラえもん展」見た際に自分も参加したいと思ったとのことで、声がかかったことに対して「うれしかったです」と当時の気持ちを語ってくれた。

『私の家のドラえもんの写真』 ©2001 Kayo Ume

奈良美智は前回の展示会にも参加していたアーティストの一人で、15年前に絵画「ジャイアンにリボンをとられたドラミちゃん」を展示。今回は「依然としてジャイアンにリボンをとられたままのドラミちゃん@真夜中」が前回の作品と一緒に展示されており、タイトル通りドラミちゃんのリボンは依然取られたままだ。もしまた「THE ドラえもん展」が開催された際は、ジャイアンからリボンを取り返せるの…この続きをぜひ見てみたい。

奈良 美智
依然としてジャイアンにリボンをとられたままのドラミちゃん@真夜中
©YOSHITOMO NARA 2017 ©Fujiko-Pro

劇場作品とのコラボレーション

展示後半部分のテーマは“映画ドラえもん”。ここでは、これからの日本アート界を担う12組のアーティストが「ドラえもん映画」37作から1作を選び作品を制作。それぞれの映画の内容にちなんだアート作品が展示されている。

黒板アーティストのれなれなは『のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~』から「静かなる決意」を制作。横長の黒板には劇中でも登場する城が描かれており、キャラクターよりも背景をメインに、そのなかにキャラクターがいる世界観をかっこよく描きたかったとのこと。「こういう『ドラえもん』の作品の作り方もあるのかなというふうに感じていただけたらいいな」と作品の前で語ってくれた。またれなれなはダークな風景画などが好きということで、今回『のび太の新魔界大冒険』を選んだのも、作品のなかにあるおどろおどろしい雰囲気に惹かれたからとのことだ。ちなみに、本作の製作時間はたったの4日間。鉛筆で描くよりも黒板にチョークで描いた早く描けてしまうことがあると、おもしろい話も聞くことができた。

『静かな決意』©RenaRena ©Fujiko-Pro

さらに、「カワイイ」作品でお馴染み増田セバスチャンは『のび太のドラビアンナイト』をもとに製作したピンク色のドラえもん「最後のウェポン」を展示。本作は可愛さも大きな魅力ではあるが、今回展示されている立体作品のなかで最も巨大な作品となっており、多くの人がその巨大さに圧倒されていた。

 

増田 セバスチャン
さいごのウエポン
©Sebastian Masuda/Lovelies Lab. Studio ©Fujiko-Pro

そのほか、展示の中には真っ暗な部屋の中で光を利用した作品も。メディアアーティスト・後藤映則の作品「超時空間」では、『のび太の宇宙開拓史』での時間と空間のねじれを光を使って表現している。

後藤 映則
超時空間
©Akinori Goto ©Fujiko-Pro

そして、最後のピンク一色の展示スペースには、シシヤマザキの映像作品「(Pink)Dust In The Wind~すべては(ピンクの)もやの中に」が放映されていた。本作は『のび太とアニマル惑星』の予告映像を実写化し、さらにそれを再び絵に戻して映像化されたもので、登場するドラえもんなどのキャラクターを演じているのはすべてシシヤマザキ自身。「ドラえもんをなぞることってどういうことか?」と考えた結果、ドラえもん映画の中でも特に不思議だと感じた『のび太とアニマル惑星』の予告編の映像を再現することを思い付き、声や流れている歌、背景の絵なども自身で手掛けたとのことだ。また、映像はすべ自室で撮影。キャラクターたちがタケコプターで飛んでくるシーンには特にこだわったということなので、足を運んだ際はぜひそのシーンに注目して欲しい。

『(Pink) Dust In The Wind ~すべては(ピンクの)もやの中に~』
©ShiShi Yamazaki ©Fujiko-Pro