Interview

Layne 地元・藤沢の海の匂いをまとったポップなビートとキャッチーなメロディーで彼らは何を歌うのか?

Layne 地元・藤沢の海の匂いをまとったポップなビートとキャッチーなメロディーで彼らは何を歌うのか?

湘南・藤沢から登場した4人組である。古き良きブリティッシュ・ビートの影響を感じさせる、ポップで小気味のいいロック・チューンを展開して着実に支持を広げ、結成から3年で初めてのアルバム『Be The One』をリリースする。
ここでは、結成のいきさつから始めて、自らの音楽性や目指すバンド像、将来の展望までをメンバー全員に語ってもらった。

取材・文 / 兼田達矢 撮影 / 高木博史

見た目も含め、かっこいいロックンロール・バンドをやりたいなという気持ちはありました

まずは、バンド結成のいきさつから聞かせてください。

萩本 バンドを組む前から、上田とは友達の友達みたいな感じで知り合ってて…。

上田 会ったことはないけど、お互いに存在は知っていたっていう。

萩本 で、当時、俺は地元・藤沢のライブハウスで働いてたんですけど、そこで憂歌団の木村充揮さんがライブをやるときに彼が見に来て、そこで初めて会ったんです。「オマエが、ドラム叩いてる噂の…」みたいな感じで意気投合して、それでバンドを組むことにしたんですよね。

そのときには、どんな音楽をやろうという話になったんですか。

上田 その時点でもう彼のデモはなんとなく聴いていたので、“こういう音楽をやるヤツなんだ”ということはなんとなく知っていて、実際に会っていろんな音楽の話もしたので。

では、萩本さんが作る曲を演奏するバンド、というスタートだったわけですね。

上田 そうですね。

その次のステップとしては、もう二人で鳴らし始めたんですか。あるいは、メンバー集めですか。

萩本 最初に二人でスタジオに入って、爆音でロックンロールをやってみたんですけど、でもやっぱり「4人でやりたいね」という話になり、そこからメンバーを探し始めたんですけど、でもけっこう難航したんですよ。

萩本あつし(V0,Gt)

上田 彼が中心になってメンバー集めをやってくれたんですけど、それで入ってきたのが渡辺で、でもベースはいまの原元が3人目です。

メンバー集めの際に、例えば「ギタリストはこうでないと」みたいなポイントは何かありましたか。

萩本 ギターはまず、かっこいいギターを持ってないとダメだなあとは思ってましたね(笑)。渡辺は、シブいギターを持ってたんですよ。まあ、プレイも好きなんですけど。69年製だっけ?

渡辺 そうそう。

萩本 69年製のギブソンのフルアコを持ってたんで、「1回呼んでみっか」ってことでいっしょにやってみたら、良かったんで。音楽の趣味もけっこう合ってたし。元々は、高校の軽音楽部の後輩で、その頃からの知り合いだったんです。

初めていっしょに音を鳴らしたときの感触はいかがでしたか。

渡辺 彼の楽曲は高校の頃から知ってたんですけど、いっしょにやってみるとすごくハマッた感じがありましたね。

さっきさらりと言われましたが、編成はやはり4人がいいなということなんですか。

萩本 そうですね。前にやってたバンドは5人だったりもしたんですけど、やっぱりビートルズとか好きなバンドが4人でしたからね。「吾妻光良&スウィンギン・バッパーズみたいなジャンプ・ブルースをやりたいね」みたいな話もしてたんですけど…。

上田 やっぱり、メンバーがみつからないということもあったし、現実的に過不足ないのが4人ということになりました。

上田夏海(Dr,Vo)

最初のベーシストが加わって4人揃った時点で、萩本さんはどういう音を鳴らしたいと思っていたんですか。

萩本 新しいバンドとは言っても、別に奇をてらったことをしたいとは思ってなくて、やっぱり見た目も含め、かっこいいロックンロール・バンドをやりたいなという気持ちはありました。ただ、普遍的ではありつつも人とは違うことをやらないと上には行けないなとは思ってましたね。Layneとして最初にできたのが、今回のアルバムのリード・トラックになってる「ステイウィズミー」という曲で、“ウワッ!これだ!”という感じがして…。

上田 最初のメンツ4人でリハに入って2回目くらいだったんですが、そこでもうおおよその形はできてましたね。

聴いてる人が、向こうから捕まえにきてくれるような、キャッチーな楽曲を作っていきたいと思っています

原元さんは、加入する時点でこのバンドに対してどういうイメージを持っていましたか。

原元 萩本とはじつはいちばん付き合いが長くて、高校の頃からもう知ってて、前のバンドの音も聴いてたし、どういう音楽をやるヤツなのかは知ってました。それで、彼が次にどういう活動をするのかということにはつねに興味があって、そのなかでLayneというバンドを始めたということも知って、音源も聴いたんです。だから、言ってしまえば、最初はファンがそのバンドに入るという感覚でしたね。

原元由紀(B,Vo)

では、声がかかったときには“いよいよ来たか”という感じだったんですか。

原元 いや、前のベーシストが抜けて、次を探しているという告知とかを出していたので、僕のほうから入れてほしいと言いに行ったんです。

萩本 個人的に、メンバー募集の告知を出すようなバンドはダサいなと思ってたんですけど(笑)、ベースが二人も抜けちゃったんで…。理由は仕事の事情とかいろいろだったんですけど、でも俺たち3人の空気も最悪な感じになってたんで、メンバー募集をかけて早くベースを決めないとバンドがダメになるなと思ったんですよね。それでメンバー募集をかけたら、昔からの知り合いだった彼が連絡してきてくれたんです。

そうして現在のメンバーが揃ったのが去年の9月ということですが、そこから今回のアルバムを作り始めたんですか。

萩本 楽曲制作はこのメンバーになって作り込んでいった感じですが、レコーディングは今年の8月から始まりました。

メンバーが固まると、鳴らしたい音のイメージはより具体的になっていったと思いますが、このアルバムの制作に向けてどんなことを考えていましたか。

萩本 このメンバーになったからこうしよう、というようなことは特になかったです。

原元 僕の前のベーシストが、彼らと同じ音楽好きというか、コアな音楽マニアだったので、ベーシストの立場から見るとベースラインがどちらかと言うとマニアックな感じだったんですけど、もしかすると普通にJ-POP、J-ROCKを通ってきた僕みたいな人間が弾くベースラインのほうがもしかしたらこのバンドではわかりやすく落とし込めるんじゃないかなという気持ちはありましたね。このメンバーになって、まっさらから作ったのは「ゲットイットアウト」かな?

萩本 1から作ったのはそうだね。

上田 僕と萩本と渡辺は、好きな音楽がマニアックだったりするんで、原元が入ったことによって、僕らの音楽がお客さんにより伝わりやすい形に持っていくような流れができてきたなという感じはありますね。

好みがマニアックということですが、それぞれどういう音楽が好きなんですか。

渡辺 僕が最初に好きになったのはくるりで、そこから昔のJ-ROCKとかにさかのぼっていった感じです。

渡辺岳(Gt,Vo)

上田 ひと言で言うと、黒人音楽が好きですね。60年代のモータウンやスタックスはもちろんなんですけど、もうちょっとさかのぼって20年代、30年代のデルタブルースもすごく好きですね。

萩本 俺はメロディーが大好きで、メロディーがキャッチーなものでないと好きになれないんですよ。だから、好きなバンドとなると、やっぱりビートルズ、オアシス、コレクターズということになりますね。

自分が作るものについても、そうありたいと思いますか。

萩本 思います。聴いてる人が、向こうから捕まえにきてくれるような、キャッチーな楽曲を作っていきたいと思っています。

このアルバムについても、そういう楽曲が詰め込まれた作品というイメージでしょうか。

萩本 そうですね。原元が入ってくる前も含めると2年くらいありましたから、その間にできた楽曲に寄り添うような感じというか、初期衝動的な部分とかメロディーの良さ、面白いコードワーク、そういうものを全部詰め込んだアルバムにしたいなあというふうに思っていました。