access 25th Anniversary Special 時空を巡る旅  vol. 3

Column

SF色に輝くコンセプトアルバム『DELICATE PLANET』。念願のアルバムチャート1位獲得

SF色に輝くコンセプトアルバム『DELICATE PLANET』。念願のアルバムチャート1位獲得

検証か。回想か。あるいは巡礼だろうか。願わくは、あの頃は見えなかった何かを見つけたい。access25周年スペシャル企画の8回連載。衝撃のデビューから突然の活動休止、待望の再起動から成熟期へ、8枚のオリジナルアルバムを軸に彼らの軌跡を追う。その轍は平坦ではない。真っすぐでもない。だから、胸が高鳴る。さあ、時空を巡る旅へ……。

♯3 3rd Album『DELICATE PLANET』(1994年5月25日発売)

1994年。年明け早々、accessはニューアルバムのレコーディングを始めていた。『ACCESSII』のリリースからまだ3ヵ月しか経っていないというのにだ。しかし、このスピード、この加速が彼らの真骨頂。観覧車型ではなく、いわばジェットコースター型の活動だ。

しかし、早かろう悪かろうでは意味がない。彼らは、常に新しくあるため、常にクオリティ-を上げるため、常に自らに高いハードルを課した。この時期のハードルはコンセプトアルバム。当時、浅倉大介はこう言っている。「テーマを最初に決めるって作業が、ボクたちにとっていろんな意味で新しい作り方だった」。新しさを楽しんでいるのがわかる。

デビューから1年余りだ。一般的な新人なら、華々しいデビュー、初のシングルBEST10入り、初めてのツアーなど、まだまだ夢心地だろう。が、浅倉は違う。アーティストとしての幼年期を一気に駆け抜け、早くも青年期の入口に立っていた。

コンセプトアルバムを作るにあたり、第一のキーワードはレプリカント(映画『ブレードランナー』に登場する人造人間)。これが決まった時点で、ニューアルバムの方向性はSFへと大きく舵を切ったことになる。第二のキーワードは融合。人間と機械の融合、無機質と有機質の融合、浅倉と貴水の融合……。当時、Macintoshでの音楽制作を始めたばかりだった浅倉にしたら、従来のシーケンサーとMacとの融合も視野に入れたキーワードだろう。

こうしていくつかのキーワードを重ねながら、レコーディングは加速。自らライト・シンク・ビートと名づけた「夢を見たいから」、貴水がボーカリストとしての意識改革の糸口を見つけた「MISTY HEARTBREAK」など、シングルヒットを連発。

写真/『SYNC-ACROSS JAPAN TOUR’94 DELICATE PLANET』パンフレットより(撮影/管野秀夫)

当時、「MISTY HEARTBREAK」について、貴水はこんな発言をしている。「大ちゃんにこの曲を初めて聴かせてもらったとき、衝撃や勢いだけじゃない、哀愁みたいなものを感じるところがあって。(中略)感情の深いところの表現をボーカルで出したいと思うきっかけになった1曲です」。

あの個性的なハイトーンが、貴水の、あるいはaccessの、最大の武器であることは言うまでもない。しかし、リスナーはある意味情け容赦ない。どれだけ素晴らしい個性だろうと、一旦慣れてしまえば、驚きも感動もしなくなる。だから、オーソドックスな声のシンガーたちと同じ土俵に乗り、彼ら彼女ら以上に歌を伝えることができるか否か。つまり、表現力の勝負だ。そこに貴水は挑んでいた。

浅倉と貴水、お互い新境地に挑戦した音源を携え、向かった先はロンドン。ロックやユーロビートが生まれた聖地。『ACCESSⅡ』で経験したロサンゼルスではなく、まだ見ぬサンクチュアリでのトラックダウンを彼らは選択したのだった。勇敢だ。

こうして完成したニューアルバムが『DELICATE PLANET』。1stアルバムのキャッチコピーが〈シンク・ビート〉、2ndは〈シンク・ロマンティクス〉、3rdのそれは〈SYNC-NEW WAVE〉だった。その新しい波は、ついに念願のアルバムチャートで1位を獲得。が、それでもまだ彼らは加速を辞めなかった。

6月から始まった全国ツアーがファイナルを迎えるより早く、8月には三部作の第一弾となる「DRASTIC MERMAID」をリリース。10月には「SCANDALOUS BLUE」を、12月には三部作完結編となる「TEAR’S LIBERATION」を続けた。そして、勢いそのままに、大晦日のNHK紅白歌合戦初出場まで駆け抜けた。そんなaccessの前には、洋々たる未来が拓けていると、誰もが思ったが……。思えば、ジェットコースターにブレーキはついていない。

文 / 藤井徹貫

 

その他のaccessの作品はこちらへ

ライブ情報

access 25th Anniversary
double decades + half Special SYNC LIVE 1125/1126

11月25日(土)  千葉:舞浜アンフィシアター
11月26日(日)  千葉:舞浜アンフィシアター

double decades+half Christmas Special Live
12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。さらに11月25、26日には舞浜アンフィシアターでのアニバーサリーライブが決定している。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバムをリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


歴代ツアーパンフレット22種類を完全復刻 デジタル版で配信!

1992年、鮮烈なデビューを果たしてから今年で25周年を迎えるスーパーユニット「access」。その記念すべきスペシャルイヤーに、歴代ツアーパンフレット22種類の完全復刻が緊急決定。デジタル・リマスタリングを施した状態でお届けします。いまここに「access」25年の歴史が鮮明に甦ります!! 第3回配信もスタートしました!

「access」オフィシャル・ツアーパンフレット全22種類配信サイト

vol.2
vol.3
vol.4