Interview

鈴木拡樹&廣瀬智紀が劇団☆新感線に初参戦! 開幕直前の舞台『髑髏城の七人』Season月にかける熱い想い、キャラクターの魅力などをディープに語る

鈴木拡樹&廣瀬智紀が劇団☆新感線に初参戦! 開幕直前の舞台『髑髏城の七人』Season月にかける熱い想い、キャラクターの魅力などをディープに語る

絶賛上演中の劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人』。『エンタメステーション』では、その第4弾 “Season月”より“上弦の月”と“下弦の月” の〈天魔王〉と〈無界屋蘭兵衛〉を演じるキャスト対談を公開中。
今回は、“下弦の月”から、舞台『刀剣乱舞』シリーズで主演を務めている鈴木拡樹、舞台『タンブリング』や『ダイヤのA The LIVE V』をはじめ数多くの舞台に出演している廣瀬智紀が登場。“2.5次元男子”ブームを牽引し、すでに10作を超える『弱虫ペダル』シリーズで共演してきた2人が挑む、劇団☆新感線作について訊く。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 冨田望


僕だったら蘭兵衛タイプになるんじゃないかな(鈴木)
僕は、性格的にはたぶん捨之介に近いと思う(廣瀬)

本作への出演が決まったときの心境からお聞かせください。鈴木さんは天魔王、廣瀬さんは無界屋蘭兵衛を演じられるわけですが。

鈴木拡樹 まず、驚きました。でも、劇団☆新感線に出させていただくっていうことが単純に嬉しくて。親に報告するのもすごくワクワクしましたね。あと、いつも応援してくださってるみなさまにこの報告をしたらどういう反応をするんだろうって思っていましたが、みなさんから熱く「おめでとう」って言っていただけたので、より身が引き締まりました。今は、顔合わせを終えて、このメンバーで作っていくんだっていう実感が湧いてきて、最初に思い描いた自分が出演している姿っていうものを超えたいなっていう想いでいっぱいですね。

鈴木拡樹

廣瀬智紀 僕も拡樹くんと一緒で、まずは驚きました。劇団☆新感線に自分が出演するという未来はまったく想像していなかったし、まさかこのタイミングで、しかも『髑髏城の七人』に出演させてもらえるとは思っていなかったので。この“花・鳥・風・月”のシーズンには僕自身すごく興味を持っていて、観に行こうっていう気持ちでいたんです。小栗(旬)さんが2011年にやられていた“ワカドクロ”をDVDで観ていたんですけど、そのときには観に行けなかったので。でも、まさか自分がキャスティングしていただけるなんて思ってもいなくて本当に驚きでしたけど、発表されたときの周りの反応もすごくて、自分のことのように喜んでくださる役者仲間もたくさんいたし、家族やファンの方々も熱を持った応援をしてくださって。やっぱりそれに応えたいですし、それ以上のものを生み出さなければ、今回僕をキャスティングしていただいた意味がなくなってしまうなと思っているので、自分の思い描く蘭兵衛を作り上げられたらなっていう期待と不安ですごくいっぱいなんですけど……すごくポジティブに、前向きに進んで行ければなと今は思っています。

廣瀬智紀

先ほどDVDで前回の公演をご覧になったとおっしゃっていましたが、お2人の劇団☆新感線の印象とはどんなものですか?

鈴木 『髑髏城の七人』は有名で、劇団☆新感線の中でも代表作と言っていい作品なのでタイトルは知っていましたし、改めて観て「これが噂の!!」って思いました。最初に観たときの感想ですが……僕はちょっと人と違う視点だったのかもしれないんですけど(笑)、登場していない織田信長のことがすごく気になっちゃって。天魔王、蘭兵衛、捨之介、それぞれが信長に違う惹かれ方をしてるからいろいろな事件が起きる。実は、このお話を転がしているのは信長なんじゃないかなって感じるところがあったので、今回もそれぞれがどういう信長に魅了されたのかっていうところを考えていくと、より面白くて深い作品になるんじゃないかなって思っていますし、そのいちばん最初に観て感じたことを自分が演じるときにうまく出せたらいいなって思っています。

廣瀬 僕の第一印象は、舞台のDVDを観てるはずなのに、映画を観てるような感覚にもなったりして、あっという間に終わっちゃった、普通に楽しんで終わっちゃったという感じで(笑)。DVDはカット割りとか撮り方も素晴らしくてすごく興味を持ちました。そのあと何回も観たんですけど、結局は男のロマンっていうか、自分の好きなものが全部詰まってた。それで、自分がもしやれるなら、蘭兵衛だなって思ってたんです。

なぜ蘭兵衛に惹かれたんですか?

廣瀬 自分の……自分のカラーというか……自分で言うのは恥ずかしいからちょっとアレですけど(笑)。

鈴木 持ってる雰囲気的に合ってるよね?(笑)

廣瀬 だから、挑戦できるなら蘭兵衛をやりたいなって思いました。

鈴木 キャスティングの名前を聞いた時点で僕も「ああ、なるほどな」って思いましたね。ビジュアルを見てより納得しましたけど。

廣瀬さんは、天魔王が鈴木さんだと聞いてどう思われましたか?

廣瀬 僕は正直、「意外だな」って思ってたんです。でも、拡樹くんのことだから完璧に合わせてくるとも思っていたら、ビジュアルを見て、やっぱりこの人はすごいなって思いました。

鈴木 天魔王はやりがいをものすごく感じる役だし、やりようがたくさんありすぎてしぼりにくいんですけど。

廣瀬 今までの拡樹くんを見ていてもそうなんですけど、本当にその役に憑依しちゃえるんです。だから、天魔王っていう役を演じることはすごく楽しみですし、そこに自分が絡めるというのも、自分にとって幸せな時間になるなって感じています。

鈴木 やっぱり出演するにあたっては、ぶつかっていくしかないと感じていましたし、いちばんぶつかれる役だと思ってもいるので、いろいろ試したいなって思える、やりがいのある役と出会えましたね。

それぞれ演じる役を現時点ではどう捉えてますか?

廣瀬 今回、2011年版だけじゃなく、“花”も“鳥”も観させていただいて、どの場面もすごく魅力的で、やる方によってそれぞれの蘭兵衛があるので、自分も自分の蘭兵衛を探さなきゃいけないなというのはありますね。ただ、一本、筋としてあるなと感じているのは、やっぱり信長様への愛というか。

鈴木 そうだね。これは僕の考えだけど、信長の力に魅了され続けている天魔王と、信長との夢にまだ浸かってるけど、それを振り払って進もうとしてる蘭兵衛と、捨之介はこの3人の中ではいちばんスパンとその縁を断ち切って、自分の道を歩き始めている人で。でも完全に捨て切れてはいないと思うんですよね。そこで、やっぱり信長という人物の影響力のすごさを改めて感じますよ。

廣瀬 その信長という存在をどれだけ胸の中に置いておけるかっていう、まずそこは大事に、確実なものにしなきゃいけないなって思いますね。

鈴木 同じ人に関わってるはずなのに、この3人を見ていると、信長の違う一面を全部見せられてるような、そんな気がしてくるんですよね。

蘭兵衛は女性を守るという立場もありますよね。

廣瀬 そうですね。でも女性を守るにいたった流れはまだ自分の中で理解仕切れていなくて。そういうところもひとつひとつ自分の中に理由だったり、答えを見つけていって、ちゃんと筋の通った、自分の中で消化不良のない蘭兵衛を丁寧に作りたいなって思ってます。

3人の男の友情、関係性についてはどう感じますか? また、ご自身に似ているなとか、共感できる部分はありますか?

鈴木 天魔王はすごく屈折しちゃってるので、一般的に見てたぶんいちばん理解しにくいキャラクターだと思うんですよね。でも、彼も不純なりの純粋さを持っている。確固たる自分を持って、成し遂げられなかった主の想いを継承しようとする。それぞれの言い分はすごくわかるし、「じゃあ、自分だったらどれかな?」って思うと……僕だったら蘭兵衛タイプになるんじゃないかなって思いますね。捨之介ほど強くはなかなか人間生きられないし、もちろん彼には彼なりの弱さも持っていますけど、蘭兵衛の「断ち切ろう!」って頑張ってはいるけど、断ち切れてないっていう感覚はわかる気がします。

廣瀬 僕は、性格的にはたぶん捨之介に近いと思います。小さいところをあまり気にしなかったりするところが似てるかなって。3人ともどこかしら根底には信長の死によって抱えてるものがあるんですけど、そこを取っ払ったら、捨之介は自由気ままに生きてそうな人間なので、そういうところは通じるところがあるのかなって思います。僕、第一印象は蘭兵衛のようにクールだったり、怖い人なのかなって思われることが多いんですけど、どっちかというとフワフワしてると言われるので(笑)。天魔王は夢に向かっていますけど、僕はそれほど野心を持てないタイプなんです。天魔王のような生き方にも憧れますけど、今はできないです。

生きていくうえで、決して譲れない信念のようなものはありますか?

廣瀬 信念と呼べるものなのかはわからないですけど、自分のリズムは守りたいなって思います。それを見失うと、テンパっちゃったりとか、今の出したい自分じゃないものが出てしまう瞬間が訪れたりもするので。いつもリラックスした状態で自分のリズムをちゃんと保てていたらいいなと思っています。でも崩れてしまうんですよね、まだ自分が未熟だから。いろんな経験を積んだらそうなっていけるのかなって思います。

鈴木 僕もそうかもな。“日々前進”っていう言葉を大事にしていて。一日一個でも成長できたらって思ってるんですけど、周りを見ると、器用な人って成長が早いじゃないですか? 自分のペースを大事にしてはいるけど、焦るときとかもあるんです。それでもここまで頑張ってこられたのは、焦りすぎなかったからかなって思うので、周りのペースに惑わされずに、日々前進を貫きたいなって思いますね。