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『大逆転裁判2』特濃キャラクターたちが描く覺悟と逆転の物語

『大逆転裁判2』特濃キャラクターたちが描く覺悟と逆転の物語

19世紀の大日本帝国と大英帝国を舞台に、本作ならではのシステム、科学が発展途上である時代だからこその事件展開が魅力的な法廷バトルを楽しむことができる『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』(以下、『大逆転裁判2』)。『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』(以下、『大逆転裁判』)の続編だ。

第2回となる本稿では、『大逆転裁判』シリーズを彩る超個性的なキャラクターたちや彼らが出会う事件、法廷バトルを通して描かれる正義と真実の物語が生み出す“逆転”の魅力を追及していく。12月15日から17日までの3日間、東京タワーで開催されるアニメやゲームなどの人気コンテンツとのコラボイベント“アトラクションフェスタ(アトフェス) in東京タワー”に『逆転裁判』とともに『大逆転裁判』も参加することが発表されており、発売から時間が経ったいまでもまだまだ『大逆転裁判』シリーズの動向からは目が離せない。

なお、名探偵シャーロック・ホームズとの“共同推理”や倫敦法廷での“陪審バトル”といった『大逆転裁判』シリーズ独自のシステムが持つ魅力については第1回の記事で紹介している。『大逆転裁判』シリーズがゲームとしてどのような作品なのかが気になる人は、こちらも併せて確認してほしい。

文 / 村田征二朗(SPB15)


逆転する印象が生み出す魅力 

推理ものというジャンルにおいて、推理自体を面白いものにするために登場人物が魅力的になるのか、推理そのものの楽しさが登場人物をより素敵に見せてくれるのか。甲乙つけがたい議題ではありますが、ひとつ確かなのは、プレイヤーを楽しませる推理と印象に残る登場人物、この要素はどちらも魅力的な作品には欠かせないものである、ということです。第1回の記事でも軽く触れましたが、『大逆転裁判』シリーズならびに『逆転裁判』シリーズはコミカルかつぶっ飛んだキャラクターの登場が大きな特徴であり、魅力でもあるのです。

▲いくら食べてもフィッシュ&チップスがなくならないトバイアス・グレグソン刑事など本作には動きが面白いキャラクターも多く、見ているだけでも退屈しません

『大逆転裁判』シリーズに登場するキャラクターのなかでもひと際強いインパクトを持っているのは、なんといっても名探偵シャーロック・ホームズです。怪しげな発明品を作り出したり超推理を見せたり、ちょくちょく面倒ごとを成歩堂に押し付けたりと、その奇想天外っぷりはプレイヤーの度肝を抜いてくれます。『大逆転裁判』シリーズでは文豪になる前の夏目漱石も登場するのですが(しかも殺人事件の容疑者として!)、漱石も本作のホームズにかかれば“ミスター・ヒゲ”呼ばわりです。

▲ただの“ヒゲ”ではなく“ミスター”を付けているのはホームズなりの敬意……?

▲こちらが本作の夏目漱石。一見まともそうですが、ビシバシとポージングを決めながら四字熟語で自身の悲劇的状況を嘆くというパンチの効いたキャラクターになっています

そして、そんなホームズに振り回されながらも事件を解決していくのが、主人公である成歩堂龍ノ介です。真面目で正義感が強く、愚直とすら呼べるほどの素直さ。まさに正統派主人公な成歩堂は、子孫であり『逆転裁判』シリーズの主人公を務める成歩堂龍一に勝るとも劣らない逆転劇を演じることとなります。

最初は目も泳ぎ放題で頼りない印象のある成歩堂。そんな彼がある事件をきっかけに弁護士となり、ロンドンの地で事件の裏に隠された真実を明らかにして、真犯人を暴き出すとともに依頼人を絶望的な状況から救い出していく。その過程をプレイヤー自身が体験することによって、成歩堂龍ノ介というキャラクターのイメージも“頼りない学生”から“いざというときは頼れる男”へと逆転していくのです。

▲事件やホームズに翻弄されつつ、弁護士として、ひとりの人間として成長していく成歩堂。いい具合に主人公しています

成歩堂やホームズ、そしてほかにもまさかの活躍を見せるキャラクターがおり、多くの登場人物が『大逆転裁判』のイメージとは違った意外なキャラクター性を見せてくれます。前作では語られなかったキャラクターの過去なども明らかになるので、前作をプレイした人であれば「え、〇〇にこんな一面があったの!?」という意外性もより一層楽しむことができます。奇天烈な人物でありながら意外なところで格好良かったり、人間味を感じさせたりする『逆転裁判』シリーズらしいキャラクター性の魅力が詰まった本作は、シリーズファンにも、初めて『逆転裁判』シリーズに触れるという方にもオススメできる一作となっています。