Interview

『はいからさんが通る』劇場版アニメ主演・早見沙織インタビュー。40年を経ても色あせない普遍性と“紅緒らしさ”の魅力

『はいからさんが通る』劇場版アニメ主演・早見沙織インタビュー。40年を経ても色あせない普遍性と“紅緒らしさ”の魅力

1975年に連載を開始し、1977年度には第1回講談社漫画賞少女部門を受賞した人気漫画『はいからさんが通る』。1978年のTVアニメ化をはじめ、南野陽子主演による実写映画版ほか、幾度も映像化されているが、2017~18年にかけて前・後編で劇場版アニメが公開される。大和和紀画業50周年、『はいからさんが通る』40周年を大いに盛り上げるこの作品で主演、そして竹内まりやが手がけた主題歌を歌い上げたのが早見沙織である。ここでは、劇場版アニメ『はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~』とそれを彩る主題歌という二軸の魅力を、彼女に語ってもらった。

取材・文 / 清水耕司(セブンデイズウォー)
撮影 / 山本哲也
衣装協力 / SOWA、HIDAKA


作品とふたつの面においてリンクする主題歌

早見さんは花村紅緒役を演じるとともに主題歌も担当されました。自身の楽曲としてではなく、『はいからさんが通る』の主題歌として見た「夢の果てまで」の印象を教えていただけますか?

早見沙織 そうですね。ふたつの面において楽曲とリンクするところがあると思っているんです。ひとつはそれこそ、紅緒の生き方を表しているというか、曲を聴いただけで「あっ、これは『はいからさん』の曲だ」と連想できるところで。歌詞にしても、たまにくじけるけれども進んでいく紅緒の強さや、一本芯が通ったところを感じさせます。もうひとつは、その紅緒らしさにも通じるところなんですけど、作品自体が持つ普遍性を曲にも感じるんですね。大和和紀先生は昨年、画業50周年を迎えられて、『はいからさんが通る』も(連載開始から)40年が経つんですけど、まったく色あせないし、私や私より下の世代が読んでも「あー、わかる」と言える根幹や心の普遍性を持っていると思います。現代とはちょっと違う時代が舞台だけど世代も性別も問わない、みんなの心に響く作品であるように、この曲もレトロな曲調ではあるけれど……というところで作品と共通項があると思っています。

イントロを聴いた瞬間に分かるレトロさ、それでいて世代や時代を超えて愛されるメロディのポップス。確かにそれって『はいからさんが通る』ですね。実は今回、劇場版アニメも含め、何度も映像化されている理由や魅力を早見さんに聞いてみようと思っていたのですが……。

早見 じゃあ、ちょうどピッタリでしたね(笑)。

まさに。ひとつ質問が消えてしまいました(笑)。

早見 失礼いたしました(笑)。

でも実際、女性を中心に我々を魅了してやまない普遍性が舞台や小道具の裏に存在していると感じます。

早見 本当にそう思います。やっぱり憧れますよね、紅緒とか環の生き方に。「かっこいいな」って思います。大和先生の原画展にも行かせていただいたんですけど、色使いも内容も、昨日描かれたものなんじゃないかと思うぐらい本当に美しくて。絵もそうですけど、そこに書かれているセリフがすごく(心に)刺さるんです。

紅緒の無尽蔵に湧いてくるエネルギーに、演じていると同じような感情をもらえるんです

実際に演じられた点も踏まえ、特にこのセリフが、というものはありますか?

早見 沢山あります。個人的に凄く憧れる部分なのですが、紅緒本人は意識していないけれど自分が思った道を突き進む真っ直ぐさみたいなものを持っていて。なので、「私をお切りください」という台詞やシーンが印象に残っています。(後編の話になるのですが)少尉かもしれない人物が現れたけれど、もう少尉のことは心にしまって生きていくと決めたあとの行動や、彼女の無尽蔵に湧いてくるエネルギーが凄く好きで、演じていると同じような感情をもらえるんです。自分も胸を張ってマイクの前に立てる気がするし、そうじゃないと立てない気もしていました。紅緒さんを演じているときは無敵になれるというか、台詞から怖いものがなくなるようなパワーをもらえるんです。でも、紅緒さんの魅力はそれだけじゃなくて、ダメダメな部分があったりして親しみを持てる部分もしっかり持っているんです。多分、自分という風呂敷を全部広げている(笑)。

すべてさらけ出している?(笑)。

早見 はい。嫌なら「嫌だ!」と言うし、いいものには「これはもう、いい!キラキラキラ♪」みたいな(笑)。紅緒自身がこう思っていてこうやっているんだ、というのをちゃんと出してくれるので一緒に追っていけますね。そこに開放感を感じるし、あけっぴろげに過ごしている姿がいいんですよ(笑)。そこに憧れるし、見ていても楽しくなるので、そういったセリフに魅力を感じました。

「夢の果てまで」は、5月に開催された「早見沙織 コンベンション 2017」でも歌われました。観覧は関係者のみ、一般の方には配信で、という少し特殊な形ではありますが、ステージで歌ってみた感想もお聞かせいただけますか?

早見 ステージってすごく緊張するんですよね。背筋を正して歌わないといけない気持ちになるというか。コンベンションは特に初お披露目だったので、生で歌うのはやっぱりドキドキしました。でも、歌詞のメッセージ性が強いのと、自分の前にお客さんがいるということもあって、歌っている間に歌詞がブーメランみたいに自分に返ってきて。すごくエネルギーを貰っていました。