Interview

SHE IS SUMMER エレクトリックなサウンドをベースに、人間味に満ちた活き活きしたラブソングたち。新作の仕上がりとソロプロジェクトの狙いを、ボーカルのMICOに訊く

SHE IS SUMMER エレクトリックなサウンドをベースに、人間味に満ちた活き活きしたラブソングたち。新作の仕上がりとソロプロジェクトの狙いを、ボーカルのMICOに訊く

今はバンドのころよりいろんなボーカルのアプローチができるようになりましたね

自分なりのボーカルスタイルがあると思えるようになった決定的なタイミングはありましたか?

シンガーソングライター時代も歌が巧くないと思っていて。でも、あるときに巧くないからこそ、自分の歌い方を探してみようと思って。私は感情のニュアンスを歌声に出すのは得意だったので、そっちを伸ばそうと思って。そういう歌い方に変わっていったころに私のデモテープを吉田豪さんが聴いてくれたんですね。豪さんが「君はすごく歌が巧いね」と言ってくれたんです。「歌が巧いというのは、ピッチがとれてるとかリズム感がいいとかじゃなくて、自分の持ってる声にどれだけ合う歌い方を編み出せているかなんだよ。それで言うと君は歌が巧い」と言ってくれた言葉をきっかけに自分の歌のスタイルができていったんです。今はバンドのころよりいろんなボーカルのアプローチができるようになりましたね。

アルバムによっても曲によってだいぶ声色を変えてますよね。

自然に変わりますね。「こういうふうに歌いたい!」という願望が出てくるし、昔はできなかったアプローチができるようになってきて。15歳から数えて10年くらい音楽をやってるんですけど、まだまだできることが増えるんだと思ってワクワクしてますね。

ポジティブに発展途上だと思えている。

ものすごいゆっくり成長してるのかもしれないけど(笑)。

参加アーティストはそれぞれが独創的なポップミュージックをクリエイトしているバラエティに富んだ顔ぶれではあると同時に、MICOさんとの近しい関係性が窺えるなと。

基本的には自然と出会った人に声をかけさせてもらいました。どこかに遊びにいったときに自然に友だちになった人と仕事ができたら、こんな幸せなことはないと思ってるので。MVの監督さんもそうですし、Yogee New Wavesの角舘健悟さんは、私は本当にヨギーが好きなので、共通の友人を介して無理やり紹介してもらいました(笑)。

いろんなものを観て、嫌いなものも好きなものにも触れて、自分がどう感じるのか知りたいと思ったので

ふぇのたす解散以降、自分からいろんな人に出会いに行った。

めちゃくちゃいろんなところに行きましたね。いろんなものを観て、嫌いなものも好きなものにも触れて、自分がどう感じるのか知りたいと思ったので。ライブは相当な本数行きました。ふぇのたすの解散以降、本当にいろんな音楽を聴くようになって。でも、今は聴きすぎて悩むこともあります。自分の声のキャラクターが強いほうではあるので、それをどう落とし込めば、自分の好きなサウンドと自分の声がフィットするものになるのか、一番考えてる時期ですね。それは、このアルバムの反応で見えてくるものがあるなとも思ってます。

サウンドのリクエストはどのように?

映像をイメージしてから音を作っていくということをしていて。MV制作も好きだし、プロジェクト名自体も映画(『(500)日のサマー』)が元になっていたりするので、どういう映画に流れてそうな曲であるとか、こういう質感の映像に合う音がいいとか、そういう伝え方をけっこうしてます。

歌詞もストーリー性強く、抽象的なことは描いていないですよね。

確かにシチュエーションを描くような歌詞が多いですね。今回の「WATER SLIDER」はまさにそういう作り方をしていて。土器さんに水をテーマに音を作ってほしいというリクエストをして、デモができあがった段階で歌詞を書いたんです。それからさらにアレンジを詰めていく流れがあって。このアルバムはそういう作り方をした曲も多いですね。

これだけいろんなソングライター、コンポーザーと制作するのは、それならではの醍醐味もあるし、難儀なこともあるでしょう。

でも、やっぱり刺激がすごくあるので。いろんな人と制作を共にしているからこそ、成長スピードが昔より速くなっているような気がしますね。

友だちがいなかった人がね(笑)。

反動ですかね(笑)。ホントに青春を取り戻したいんですよね。いつまでも青春コンプレックスが私を掻き立てている(笑)。

私は恋愛の優先順位がわりと高いほうではあるので恋愛の歌詞を書くことが多いというのもあると思うんですけど

MICOさんは女性だからこそ書けるラブソングに対して意識的だと思います。

もともと恋愛って人の人生観を変えたり、人生においてとても重要なことだと思っていて。私は恋愛の優先順位がわりと高いほうではあるので恋愛の歌詞を書くことが多いというのもあると思うんですけど。女性視点ということに関しては、幼いころに読んだ安野モヨコさんの漫画にすごく勇気をもらったのが大きくて。そのあと岡崎京子さんの作品もすごく好きでよく読むようになりました。ああいうガールズカルチャーに憧れを持っている一人の女子として、私がカルチャーに影響を受けた要素を入れたり、その系譜のなかで何かできることがあったらいいなと思って、そこからリファレンスしていることがけっこうありますね。

「あれからの話だけど」は男からしたら怖い。

言われます(笑)。

たとえばaikoさんの曲はほとんど恋愛のことを歌っているけど、そこに人生の本質のようなものを浮かび上がらせますよね。

そうなんですよね。恋愛って濃い人間関係だなと思っていて。濃すぎて逆に一生会えなくなってしまったりもする。それは友だち同士でも同じことが言えるときがあると思うし。

日常生活を豊かにするために歌を歌いたいって

ここからどのように自分なりのポップミュージック像を追求していきたいですか?

音に関してはとても悩んでいて。バンドをやっていたころは、音楽は夢みたいな存在で。それを叶えるために日常生活のどんな瞬間も音楽に使いたいという考え方だったんですけど。最近は考え方が変わって。逆に日常生活を豊かにするために歌を歌いたいって。そもそも音楽が生まれたきっかけって、そういうことからだったと思うんです。ただ人々が暮らしていて、メディアとかもない状態で、みんなで踊るために誰かが歌い始めたり。そういう感覚でもっと音楽をやっていきたいなと思ってます。あとは、曲を聴いたら一発でSISだと思えるボーカルのキャラクターの強さを、さらにもう一歩踏み込んで追求したいなと思ってます。

SISがカルチャーの遊び場になったら面白いだろうなと思います。

そうですね。それがどういうものなんだろう、と日頃から考えてはいて。私自身、「そこが重なり合うことってあるんだ!」みたいな趣味の持ち主のような気がするんですよ。たとえばクラブにも遊びにいくけど、クラブ遊びをよくするようなファッションではないみたいな。要はわりとギャップがあるタイプで。その絶妙な感じがアートワークとかにも出てると思うんですよね。

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ライブ情報

SHE IS SUMMER “WATER TOUR”

2018年3月10日 (SAT) 名古屋 ell.SIZE
2018年3月11日 (SUN) 大阪 SECOND LINE
2018年4月1日 (SUN) 東京 WWWX

SHE IS SUMMER

エレクトロポップユニット“ふぇのたす”のボーカル“みこ”としてメジャーデビュー。
2016年4月より“MICO”のソロプロジェクト“SHE IS SUMMER”として始動。同年8月1st E.P「LOVELY FRUSTRATION E.P.」をリリース、リード曲「とびきりのおしゃれして別れ話を」は、YouTubeの再生回数が150 万回を突破。6月7日には、待望の2nd E.P.「Swimming in the Love E.P.」をリリース、タワレコバイヤーによる名物企画6月度邦楽”タワレコメン”にも選出。i-Tunesエレクトロチャート1位、オリコンインディーズウィークリーチャート 6 位を記録。また、MICO名義で、モデルや声優、CM、feat等の歌唱など幅広い活動を行なっている。
2017年3月から自主企画ライブ「ROOM SHARE」を東京、大阪で開催、7月には、初のワンマンライブを渋谷WWW、9月1日には初の誕生日企画をTSUTAYA O-Crestで開催。(共にSOLD OUT)2017年11月には、自主企画のラスト公演を渋谷CLUB QUATTROにて開催予定!

オフィシャルサイトhttp://she-is-summer.com
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