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ヤンキー、熱血、金髪サラブレッド、殺人犯──個性的な役柄でも魅せる間宮祥太朗、大きな才能が開花

ヤンキー、熱血、金髪サラブレッド、殺人犯──個性的な役柄でも魅せる間宮祥太朗、大きな才能が開花

かつて福岡で実際に発生し、被告である家族4人全員に死刑判決が下った強盗殺人死体遺棄事件をもとにした映画『全員死刑』(小林勇貴 監督)が公開される。この映画で主演を務めるのが、出演する作品すべてにおいて圧倒的な存在感を示す俳優・間宮祥太朗だ。この衝撃的な問題作で映画初主演を務めることとなった彼の、代表作と待機作を紹介しながら、俳優・間宮祥太朗の魅力を紐解いていく。

文 / 吉田可奈

衝撃の問題作で初主演!“殺人家族”と化した一家の次男を見事に演じ切る

『全員死刑』で間宮祥太朗が演じるのは、強い家族の絆、熱い親子愛、そして愛する女性のために、監禁、暴行、絞殺、毒殺、銃殺までも行ってしまう一家の次男〈タカノリ〉役。後先考えることなく、家族のため、愛する女性のために衝動的に人を殺していく姿は潔ささえ感じさせる。しかし、そこに泥臭さや愛おしさを感じてしまうのは、犯罪者、人殺しを“しなくてはならない”葛藤を見事に演じ切っているからだろう。人を殺し、愛する家族を守りながらも、殺してしまった後悔と恐怖に苛まれる表情は、絶対に感じてはいけない同情さえ感じてしまう。演じ方によっては、完全な“炎上作品”になるものを、“人間らしさ”を滲み出させることでエンターテインメント作品に昇華させているのだ。

とはいえ、今、間宮祥太朗は、期待の若手実力派俳優。なぜ、あえて問題作の主演を受けたのかを問われると、「『孤高の遠吠』(15)という既視感のない革新的な映画を撮り、このすさまじい事件を映画にしようとしている監督にまず会いたいと思いました。実際にお会いして、なぜ撮ろうと思ったのか、如何にして撮るのかだけではなく監督が日々感じている怒りや喜びを聞き、その話している姿と眼差しを見てこの作品に主演で立つ決意が固まりました」とコメントしている。“どんな作品なのか”というほかに、人としても魅力を備えた監督のもとで演じる決心をした彼は、これからも、きっと自らの心が動く人々とのもとで作品を作り上げていくのだろう。そして実際に、衝撃作でありながら、世代を超えて訴えかける役柄を本作で見事に演じ切ったのだ。とはいえ彼は、この作品の舞台挨拶で「キャッチしたファンをリリースしてしまうかもしれない」と不安を口にしている。確かに、これまで演じてきた役柄はどれも個性的ではあるが、好感度の高いものが多かった。

キャリアを重ね、2017年は『帝一の國』『トリガール!』など4作の映画に出演

まず、彼のキャリアとして多くの人から最初に注目を集めたのは、ドラマ「水球ヤンキース」(14/CX)だろう。中島裕翔、山﨑賢人、千葉雄大、吉沢亮、中川大志、鈴木伸之など、今をときめく俳優陣の中に名を連ね、いじめられた過去を持ちながらも、水球部を存続させたい一心でアルバイトをする、みかけは不良だが心に熱いものを持つ〈千秋亮〉を熱演。そこでの矢本悠馬とのコミカルな掛け合いを覚えている人も多いだろう。同年に放送されていたドラマ「弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」(NTV)でも、人間関係や受験に悩みながらとにかく熱い〈岡留圭〉を演じていた。その後、様々なドラマに出演し、「ニーチェ先生」(16/ytv)、「お前はまだグンマを知らない」(17/NTV)でドラマ主演を務め、演技の幅を広げている。

そして2017年、本作を含め、4作の出演映画が公開された。まず、話題の若手が総出演した『帝一の國』(永井聡 監督)では、金髪ロングヘアのヒール役〈氷室ローランド〉を熱演。今までとは全く異なる役柄で話題を集めた。劇場版『お前はまだグンマを知らない』(水野格 監督)を経て、『トリガール!』(英勉 監督)では、一見ヤンキー風のコワモテのエースパイロットだが、プレッシャーに弱く泳げないというギャップ満点のキャラを演じた。土屋太鳳演じる〈ゆきな〉への想いを告白するシーンや、不器用すぎる恋愛アプローチにキュンキュンする女子が多数。彼が「リリースされないか不安」になっていたのは、この作品でキャッチした多くのファンのことだったのかもしれない。

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2017.08.31